【訪問記】ポーランドのデータ保護・IT専門法律事務所「GP Partners」を訪問。日欧を繋ぐGDPR・グローバル法務の共同連携を強化

モノリス法律事務所では、国境を越えて変化し続けるリーガル市場に対応するため、当事務所では世界各国のプロフェッショナルファームと連携し、グローバルな法務知見のアップデートを重ねています。
今回は、当事務所の代表・河瀬弁護士が、ポーランド・ワルシャワでデータ保護(GDPR)およびIT・新技術法務の分野で屈指の実績を誇る法律事務所「GP Partners(ジーピー・パートナーズ)」を訪問しました。その模様をレポートいたします。
同事務所のマネージングパートナーであるマチェイ・ガヴロンスキ(Maciej Gawroński)弁護士やピョートル・ベルナトフスキ(Piotr Bernatowski)弁護士らと、日欧間におけるGDPR対応の実務課題、企業規模に応じたコンプライアンス設計、そして両事務所の協働による高効率なグローバル法務提供モデルについて、非常に具体的で熱意の込もったディスカッションを行いました。その模様をレポートいたします。
この記事の目次
1. IT×データ法務領域におけるグローバル・シナジー
ワルシャワにオフィスを構えるGP Partnersは、ポーランド国内および欧州全域でデータ保護、サイバーセキュリティ、IT・新技術法務分野を牽引するブティックファームです。代表のガヴロンスキ弁護士は、GDPRやクラウド法務に関する多数の著作を持つこの分野の第一人者であり、欧州のデータ規制動向に深い知見を有しています。
会談ではまず、日欧のデジタルビジネスを取り巻く環境変化や、高度な法務ニーズの知見について意見を交わしました。
国境を越えるデジタルビジネスやAI・先進技術を活用したサービスが急速に拡大する現代において、単なる各国のローカルな法律知識にとどまらない「高度なIT・テクノロジーへの深い理解」と「複雑な欧州データ保護法制(GDPR等)の実務知見」を掛け合わせることの重要性が増しています。
日欧双方の市場を見据えるクライアントに対し、先進的なテクノロジー領域のスピード感に即したリーガルサポートを提供すべく、両事務所が国境を越えて強みを結集することの大きなポテンシャルが確認されました。

2. 日本企業の課題に応じた「3つのGDPRコンプライアンス・パターン」
対談のメインテーマとなったのは、欧州展開を行う(あるいは欧州顧客のデータを取り扱う)日本企業が抱える多様なニーズへのアプローチです。実務の現場では、クライアントの事業規模やビジネスモデルによって必要な対応が大きく異なります。議論の中で、これらは主に以下の3パターンに整理されました。
パターン1:B2B SaaS・先端技術企業(差別化としてのGDPR対応)
自社サービス(AIツールやSaaSプロダクト等)を欧州企業に向けて展開する企業です。ここではGDPRコンプライアンス(適切なDPA:データ処理協定の締結やデータ移転スキームの構築)が、競合他社に対する「営業上の強み(Sales tool)」となります。標準的な補足条項や特約をあらかじめ整えておくことで、スムーズかつ迅速な契約締結を強力にサポートします。
パターン2:本格進出を図る大手・成長企業(フルスコープ対応)
欧州市場への本格展開や現地の拠点設立を進める企業です。ここでは、個人からの開示・削除等の請求(DSR)に応じる社内体制の構築をはじめ、各種規程・業務マニュアルの策定、漏えい事故等の発生時に備えた緊急通知フロー、さらには組織的な安全管理措置の厳託など、全体を見据えた包括的な体制整備が求められます。
パターン3:中小企業・伝統的事業者(EU代理人の指定と省力対応)
欧州からの直接予約を受ける老舗ホテルや小規模事業者など、法務にかける予算や人員に限りがあるケースです。実務上のリスクを現実的なレベルに抑えつつ、GDPRで設置が義務付けられている「EU代理人」の指定や基本窓口の確保など、コスト面と実効性のバランスに配慮した合理的な体制を整えます。
3. グローバルな協働体制と実務ノウハウの共有
複雑化する欧州のデータ法務において、日本企業が抱える多様な課題に対して確かなリーガルサポートを継続的に提供するため、両事務所の連携のあり方についても活発な意見交換が行われました。
- 日欧双方の視点を備えた柔軟な協働 欧州法や現地実務に深い知見を持つGP Partnersと、日本法やITビジネスに精通したモノリス法律事務所が密に連携することで、双方の視点を併せ持ったスムーズな法的助言の提供を目指します。
- 知見の共有と実務プロセスの最適化 国境を越える様々な相談事例を通じて得られる知見やノウハウを双方で共有・蓄積し、より迅速で利便性の高いサポート体制の整備を進めていく方針で一致しました。
- 企業の予見可能性に配慮したサービス設計 国境を越えるプロジェクトであっても、企業側が安心して法務サービスを利用できるよう、クライアントの視点に立った合理的な費用感や柔軟な対応力について模索を重ねています。
4. グローバルなカルチャー交流とチームの絆

専門的な法務の議論を終えた後は、お互いの国の文化や働き方について、リラックスした雰囲気で会話を楽しみました。
日本からギフトとして持参した文房具(書き心地の良い多機能ペンなど)もお渡ししたところ、大変喜んでいただくことができました。オフィスでの記念撮影や握手を交わす中で、お互いの距離もぐっと縮まったと感じています。GP Partnersの若手メンバーも日本との国際的な連携にとても積極的で、国境を越えたチームづくりの良い一歩を踏み出すことができました。
訪問を終えて:河瀬弁護士のコメント
今回のGP Partnersへの訪問を通じて、ITとデータ保護が複雑に交差する現代において、直接現地に足を運び、トップクラスのローファームと直接言葉を交わすことの重要性を改めて実感しました。単なる情報交換にとどまらず、お互いの強みを理解した上で実務レベルの議論ができたことは、今後のクライアント支援にとっても非常に大きな成果だと感じています。
モノリス法律事務所は、国内のIT法務にとどまらず、欧州をはじめ世界各国の精鋭事務所とのネットワークを広げています。グローバル市場に挑戦する日本企業や、国境を越えるデジタルビジネスを力強く支えていくことが私たちの使命です。
当事務所には、最先端のIT・データ法務に挑みたい方や、語学力やIT知識を活かして国際的なプロジェクトで活躍したい方が、スピード感を持って成長できる環境が整っています。
国境を越えたリーガルサービスの新しい形を共に創っていける、熱意ある仲間のご応募を心よりお待ちしています。
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