香港の法律事務所「OLN」を訪問。日本企業の米国NASDAQ上場と、アジアからの対日投資トレンドを紐解く

モノリス法律事務所の代表・河瀬弁護士が、香港の有力な法律事務所「OLN」のオフィスを訪問しました。現地のパートナー弁護士らと、日本企業の海外市場への上場スキームやクロスボーダーでの最新投資トレンド、そして両事務所の今後の強固な提携関係について、非常に活発な議論が行われました。
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相互の信頼から生まれる、グローバルな「クロスリファラル」体制
対話の冒頭、OLNの弁護士からは、モノリス法律事務所のメンバー、特に国際案件を担う李弁護士をはじめとするチームに対し、「非常に献身的で責任感があり、信頼を寄せている」というお言葉をいただきました。そして今後は香港、中国本土、さらにはその他の法域も含め、お互いにクライアントを紹介し合う「クロスリファラル(相互紹介)」の機会をいっそう増やしていきたいという意向が示されました。
OLNは日本市場、とりわけIT・先端技術分野における事業拡大に強い関心を持っており、日本発の注目AIスタートアップや、そこに投資する国内大手通信グループなどの動向を正確にキャッチアップしているのが印象的でした。「日本は魅力的なITソリューションやテクノロジーを発信する上で理想的な立地にある」と、日本のポテンシャルを高く評価する声も上がりました。
日本企業の「米国NASDAQ上場」という新たな潮流と、実務における壁
ディスカッションにおいて特に白熱したテーマの一つが、日本の中小・スタートアップ企業における米国NASDAQ市場への上場トレンドです。
海外市場、特にNASDAQは時価総額が比較的小規模な企業であっても、高い株価収益率(PER)を背景に資金調達やイグジット(Exit)を目指せる場所として注目を集めています。しかし、実務面において日本国内には「NASDAQ上場」に精通した専門家が極めて少ないのが現状です。そのため、現地のスキームや法規制に明るい香港の弁護士との共同サポート体制が必要不可欠となります。
一方で、上場を果たすためには以下のような「実務上の高い壁」を乗り越えることが必要不可欠です。
- 上場維持コストの負担: NASDAQへの「上場自体」よりも、その後の上場ステータスを維持・管理していく継続的なプロセスの方がはるかに難易度が高い点。
- 会計・税務基準の調整:日本国内で事業を営む企業は当然ながら日本の財務基準(J-GAAP)を用いていますが、米国市場へ上場する際には米国基準への調整や、複雑な税務・手続きへの対応が必要となり、これが企業にとって非常に大きな負担となる点。
創業者や経営者が「会社を非公開のまま第三者に売却(M&A・バイアウト)したいのか」、それとも「NASDAQ上場によってさらなる成長や市場での資金調達を目指すのか」という目的によって選択すべき戦略は大きく異なり、弁護士にはそれを見極める高度な判断力が求められるという点で、双方の意見が一致しました。
不動産からビジネスへ。アジアの投資家が熱視線を送る日本の先端技術
近年の投資トレンドの変化についても、興味深い知見が共有されました。
かつて中国本土や香港の投資家の間では、日本の不動産物件への投資が大きな波となっていました。しかし現在では、日本の「ビジネス(企業そのもの)」への投資や、日本のベンチャーキャピタル(VC)を通じた投資へと明確にトレンドが移行しています。
特に注目されているのは、以下のような領域です。
- AI(人工知能)関連の先端ビジネス
- 半導体・チップ製造に関連する工場や技術
- 電力・エネルギー分野
- その他、日本が強みを持つ基幹技術(Key Technology)
OLNの弁護士は、現地政府の投資促進機関(Invest Hong Kong等)や各種補助金制度とも密接なネットワークを持っており、「具体的な案件が動き出す前の、投資家や適切なリソースを開拓・マッチングする段階から、モノリス法律事務所と積極的に情報交換を行いたい」との前向きな提案がありました。
共催セミナーやマーケティング活動を通じた、次なる未来への投資
OLNのチームはマーケティングに対して優れた先見性と高い積極性を兼ね備えており、クロスボーダー案件の開拓に向けて時間やリソースを投資することを厭わない姿勢を持っています。
今後の具体的な連携案としては、両事務所のクライアントを対象とした「共同ウェビナー・トークイベントの開催」が挙げられました。
例えば、日本企業に向けて「香港進出や海外拠点の設立方法・法的リスクの囲い込み(リングフェンス)」を解説するセミナーをOLNの弁護士を交えて開催したり、逆に海外企業に向けて「日本進出の機会とリーガル実務」を伝えるセミナーを共同で主催したりといった、クロスセル(相互販売)の仕組み作りが提案されました。
こうしたマーケティング活動を通じて、双方のクライアントにこれまでにない付加価値を提供していく方針です。また、OLN法律事務所のメンバーが家族旅行を兼ねて近く来日される際、弊所の東京オフィスにも足を運んでくださることになりました。この貴重な機会に、対面での議論を通じて、次のステップに向けた具体的な戦略を練る予定です。プロジェクトをさらに勢いづける有意義な機会となるよう、今から訪問を心待ちにしています。
ディスカッションを終えて:河瀬弁護士のコメント
「今回のOLNとの対話を通じて、アジアからの日本市場への関心の高さとともに、日本企業が海外、特に米国NASDAQのようなグローバル市場へ挑戦する際のリーガルサポートの重要性を強く再認識しました。
海外進出や海外市場への上場には、会計基準の調整や訴訟リスクの囲い込みなど、国内法務だけでは解決できない複雑な課題が付きまといます。しかし、現地の第一線で活躍する先見性がある法律事務所と強固な連携体制を築くことで、私たちはクライアントの挑戦を最初期段階から力強くバックアップできるようになります。
こうした世界中の優秀なパートナーと『同じ未来』を見据えながら、日本の企業のグローバル展開を牽引するリーガルファームとして、モノリス法律事務所をさらに成長させていきたいと思います。」



















