インタビュー

専攻外から弁護士へ。VTuber法務チームのメンバーとして、最先端の課題に挑む

インタビュー

専攻外から弁護士へ。VTuber法務チームのメンバーとして、最先端の課題に挑む

大阪大学外国語学部卒業、慶應義塾大学法科大学院(既修者)修了。弁護士登録後、都内の法律事務所に入所。モノリスは3所目で、2021年4月に入所。

主にクライアント企業および個人から依頼をうける紛争案件を広く担当しており、また、VTuber法務チームとして、クリエイターやVTuber事務所をサポートしています。

専攻外、ハイパーニートを経て、司法試験への挑戦

私が司法試験を目指したのは、大学4年生の頃でした。大学では語学を専攻していたのですが、特にやりたいこともなく、就職活動もしていませんでした。ふらふらして大学の生協で本を眺めていたところ、たまたま司法試験の対策本を見つけ、「やってみるか」と思い、手に取ったのがきっかけでした。本当にただそれだけの理由です。

やってみた結果、卒業後4年ほどバイトをしつつ勉強をして、ロースクールに入学しました。この期間はハイパーニート期間とよばれています。

今思えば怖い(というか愚かな)ことですが、予備校に通うわけでもなく、周りに司法試験を目指す知人がいるわけでもなく、近くの図書館やバイト先のファミレスで一人で勉強していました。法学部に在籍している方や学部時代の当初から法曹を目指される方の場合、一緒に勉強する知人・先輩がいて、また身近に教授や法曹者がいると思います。そこで、自分の勉強の進み具合を確認したり、モチベーションを維持できたり、有意な受験技術を学べたりできると思います。

当然ながら私はそのような環境にはありませんでした。また経済的にも、勉強を始めた時点で既に両親は定年で退職していて本当にお金もなかったです。

しかしまあ、やっていれば何とかなります。環境、下積み、能力がなくても、どうにかなるものです。そんなものがない程度であきらめたりする必要は全くありません。そのため、「弁護士を目指したいけれど環境が整っていないのではないか」、「憲法と民法の違いもわからない」、「そもそも能力に自信がない」と不安な方には、自分のような例もあることをお伝えしたいです。

ちなみに、ロースクールでかけがえのない出会いをしてありがたい支援を受けたこともあり、ロースクールでの経験がなければ今の私は存在しません。そのため個人的には、ロースクールに通うことに過剰に消極的になる必要はないと思っています。高齢化社会です。焦って生きると時間が余ってしまいます。

ITの知識はモノリスで学べる。実績に裏打ちされたノウハウで、IT法務のプロへ

モノリスは、弁護士として働き始めてから3つめの事務所になります。

最初に入った事務所は損保関係をメインに取り扱っているところ、次に入った事務所は、モノリスと同様にインターネット案件・誹謗中傷対策も取り扱っているところでした。モノリスに所属している知り合いの弁護士から誘われて、モノリスでならより幅広く、かつ興味深い案件を担当することができるのではと思い、転職を決意しました。

モノリスに入所してまず思ったことは、モノリスには、IT法務や誹謗中傷対策の体系的な知識が蓄えられているということです。また、モノリスは規模が大きい分、あらゆる手続がマニュアル化されており、属人的な知識に頼るというところがほぼありません。ITに明るくない新卒弁護士も歓迎という姿勢は、環境が整備されているからこそですね。

また、モノリスでは分業制がとても上手く機能していると感じています。電話相談の応対といった一次対応から弁護士が行う事務所もあると思います。しかし、モノリスでは、問合せの電話やメールといった一次対応は事務スタッフなどが行ってくれており、事務に時間を取られず案件に集中できるという良さがあります。

弁護士によっては「最初の対応こそ丁寧に行いたい」という考えの方もいるかと思いますが、もちろん「そこもやりたい」と言えばやらせてくれます。ある程度広く経験を積んだ後で、「やらなくてもいいこと」を自分の判断でタスクから外せるという合理性は、とてもありがたいです。

事務所の雰囲気

一般的に、法律事務所という組織で働く弁護士にとって、一人でコツコツと進めればどうにかなるということはほとんどなく、誰かに何かをお願いする、ということは不可避です。その点、モノリスが風通しの良い職場であることは間違いなく、メンバー同士で気軽に会話や雑談ができる雰囲気があります。

また、不必要に偉そうにする人がいないという点も重要な事務所の特徴かと思います。

多角的なアプローチで、VTuber事務所やクリエイターの課題に挑む

モノリスでは、今年3月にVTuber関連の法務サービスを提供する「VTuber法務チーム」が発足しました。私は、そのメンバーとしても活動しています。

VTuber業界は、他のエンターテイメント業界と比較すると日が浅く、事務所やクリエイターは比較的若年層が多いと感じています。昨今、そのような方たちが、思いもよらない形でトラブルに巻き込まれるということが後を絶ちません。VTuber関連のトラブルというと誹謗中傷被害を想像されるかもしれませんが、それだけでなく、所属事務所との間でトラブルを抱えているというケースも少なくないです。

また、現実にトラブルになっていないとしても、「これでいいのだろうか」という潜在的な不安を抱えながら日々活動されている方も多くいると思います。そういった不安やトラブルを、事務所側、クリエイター側のどちらの立場でも対応できるよう取り組んでいきたいと考えています。

当チームに上下関係はなく、チームの各メンバーが持つ経験をフルに活かし協働して対応するという体制が取られています。特にVTuber業界は、業界内におけるトレンドや常識といったものがどんどん変わっていく世界なので、入所時期や年齢にかかわらず共に勉強し、情報交換しながら最新情報にキャッチアップしていくというスタイルはとても自分には合っていると感じています。

私としては特に訴訟・交渉案件での経験が豊富ですので、その経験を活かし、クリエイターや事務所が抱える紛争や不安について、早期かつ適切な解決を提供していきたいと考えています。

第一線のプレーヤーでありながら、マネジメント力も培える案件の幅広さ

仕事の進め方に関し、前の事務所では、各案件について自分が管理者かつプレーヤーとなって進めていく、という形がほとんどでした。一方で、モノリスでは、一人では到底対処できない大型案件を、ITコンサルチームといった他のメンバーたちと連携し、時には指示を出しながらマネジメントをする、ということをやらせていただいています。これは、単に事務所の規模の違いという話ではなく、弁護士以外にも専門性の高い人材がそろっているモノリスだからこそできることだと思っています。せっかくこのような機会をいただいているので、部署を横断してのマネジメント力は今後も培っていきたいですね。

転職を考えておられる方、就職活動中の方に向けて

モノリスは風通しが良く、とにかく様々な職歴・経歴の人が働いている職場です。

法曹資格の有無にかかわらず、ITの知識が豊富な方はもちろん、そうでない方でも「IT法務の最先端の現場に興味がある」、「裁量の高い職場で自らの強みを発揮したい」という方に、ぜひお越しいただきたいです。

当事務所の求人情報

モノリス法律事務所は、弁護士(新卒・中途)の求人・事務所訪問受付を行っております。募集状況は時期によって異なりますので、募集要項ページを参照頂ければ幸いです。

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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