インタビュー

「環境がないなら自ら創る」——米ロースクール生が挑む、AI×法律事務所の業務自動化とグローバルリーガルへの挑戦

インタビュー

「環境がないなら自ら創る」——米ロースクール生が挑む、AI×法律事務所の業務自動化とグローバルリーガルへの挑戦

ニューヨーク生まれ、日本とインドのバックグラウンドを持つ。アメリカ・フィラデルフィアの大学を卒業後、現在は現地ロースクールに在学中 (3年生)。2024年夏よりモノリス法律事務所のインターンシップに参加。業務自動化プロジェクトの立ち上げや国際リーガルリサーチなど、幅広い業務に従事。

医療から政策・制度(ポリシー)へ──法律の道を志した原点

ニューヨークで生まれ、4歳のときに日本へ移住しました。福岡で過ごしたのち東京へ移り、幼少期から高校までインターナショナルスクールで学びました。小中相当の9年間はインド系のスクールに通い、高校からバイリンガル校へ編入。 ここで本格的に日本語の学習も深めるといった、多文化が混ざり合う環境で成長してきました。

高校時代は生物学や医療の分野に強い興味があり、将来は医師になることを目指していました。しかし、卒業論文で日米の医療保険制度についての事例をリサーチした際、ある大きな気づきがありました。医療は目の前の患者さんを救う尊い仕事である一方、社会の構造や制度そのものが抱える課題に対しては「表面的な傷に絆創膏を貼っている」に過ぎないのではないか、と感じたのです。

社会の根本的な問題を解決するには、制度や政策(ポリシー)そのものを創り、変えていくことが不可欠であると気づきました。それをきっかけに「制度構築」の観点から社会にアプローチできる「法律」という学問に魅力を感じ、アメリカの大学を経て、現地のロースクールへ進むことを決意しました。

AI法との出会いから、モノリスのインターンへ

アメリカの大学(学部)で法律を専攻していた際、「AI法」の授業を履修していました。当時としては非常に珍しい分野でしたが、リサーチを進める中でモノリス法律事務所が発信している専門的な解説記事を偶然見つけ、学術論文の引用元として活用したのがモノリスとの最初の出会いでした。

その後、SNSやLinkedInなどを通じて実際にモノリスでインターン生が活発に働いていることを知り、日本への帰国期間を利用してインターンシップに応募しました。アメリカでは学生のサマーインターンといえば週5日のフルタイム勤務が一般的です。その感覚のまま、面接の際に「5月の学部卒業から8月のロースクール入学までの3ヶ月間、フルタイム(週5日)で入れます」とお伝えしました。すると先生方からは、「せっかくの帰国なのだから、ご家族と過ごす時間や地元の友人との予定も大切にしてください。連日無理にシフトを入れなくても採否には影響しませんよ」と声をかけていただき、学生の帰国期間にも配慮してくださるモノリスの温かいスタンスを感じました。

ロースクールの舞踏会にて、日頃の過酷な勉強を共にする友人との一枚

未経験からのプログラミング挑戦──業務自動化でつくり出した「本来のタスク」に向き合う時間 

いざ入所してみると、周りのインターン生はそれぞれに秀でたスキルや多様なバックグラウンドを持っているにもかかわらず、日々の膨大な事務作業やルーティンタスクの対応に追われているという現実に直面しました。個々の優秀な能力を活かしきれず、誰にでもできる作業に多くの時間を取られて事務所に十分な貢献ができていない状況は、非常にもったいないと感じたのです。「せっかく高い志を持って入所したのだから、もっと本質的なリーガルリサーチや専門業務に時間を使うべきだ」と考え、入所わずか2日目に弁護士の先生へ業務改善案を相談させていただいたところ、先生方もその意図を汲み、背中を押してくださいました。

しかし、当時の私はプログラミングの経験が一切なく、開発ツールのインストール方法すら分からない状態でした。そこから生成AIと対話を重ね、手探りでコードを書き始める日々が始まりました。エラーが出るたびにAIに原因を聞き、修正を繰り返すという根気強いアプローチを続けました。

最初は一人で始めた取り組みでしたが、プロジェクト が拡大するにつれ、リサーチが得意なメンバーや取りまとめが得意なメンバーが加わり、エンジニアや弁護士とコミュニケーションを重ねながら、組織的な「自動化チーム」へと発展していきました。カレンダーの一括登録、シフト管理、タスク割り当ての自動化などを次々と実現した結果、インターン全体でルーティンワークにかかる時間を劇的に削減し、全員が本来やりたかった業務へ即座に着手できる環境を作り出すことができました。

バイリンガルの強みを発揮したリサーチ──効率化と徹底した「リスク管理」の実践 

また、リサーチ業務においても自身の多言語スキルや法律に対する国際的な知見といった能力が大きな強みとなりました。最新のリーガルリサーチを行う際、日本語の一次情報だけでなくアメリカの法律データベースや英文ニュースソースへ直接アクセスして素早く分析を行えるため、独自の視点を含んだ迅速かつ網羅的な調査を実現できました。さらに、AIツールを活用する際も英語でプロンプトを入力する方が精度の高い回答が得られるため、言語的なアドバンテージを「リサーチ」と「業務自動化」の双方で発揮することができました。

モノリスでの実務経験を通じて得られた最も大きな学びは、「挑戦すること」と「徹底して リスクを管理すること」の両立です。業務の自動化を推進するに あたっても、単に効率を追求するだけでなく、データが消失・漏洩 しないよう厳重な バックアップ体制や運用ルール を構築するなど、弁護士業務の根幹にある徹底したリスク管理意識を身につけることができました。

日本と海外を繋ぐ弁護士へ──モノリスの挑戦で磨いた「自発的に動き、仕組みをつくる力」を次のステージへ 

今後はロースクールを卒業後、アメリカの司法試験(Bar Exam) に合格し、国際法律事務所の東京オフィス等で企業法務(コーポレートトランザクション分野)に携わる弁護士を目指しています。日本と海外の法制度、そしてビジネスを繋ぐ、確かな架け橋となる存在になりたいと考えています。

モノリス法律事務所は、自ら主体的に課題を発見し、「ここをこう改善したい 」とロジックと熱意をもって提案すれば、インターンという立場であっても果敢にチャレンジさせてくれる場所です。自身 の可能性を試したい方、与えられた枠組みを超える仕組みを自ら構築したい方にとって、これ以上ない成長の機会が得られる環境だと思います。

当事務所の求人情報

モノリス法律事務所は、学部生からロースクール生、司法試験受験後の方まで、広くインターンを募集しております。長期インターンシップも可能であり、有給です。ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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