ITに専門的知識がなくても弁護士として入所可能か
可能であり、また、それが可能であるように事務所として組織体制等を整えています。IT分野に関して言えば、「知識」は不要で、どちらかといえば「興味」がある方に入所して頂きたいと考えています。
2個の理由で、可能です。
まず、例えばIT企業に利用規約作成を依頼されるような状況との関係です。
こうした依頼の場合、たしかに、当該アプリの仕様等を正しく把握しなければ利用規約は作成できませんから、直接ヒアリングを行うメンバーには、IT知識は必要です。ただそれは、代表弁護士である私がヒアリングを行えば済む話です。実際、ある程度IT知識が要求されることが想定されるヒアリングは、私が担当しています。そして、私がIT知識を前提にクライアントの依頼を「翻訳」すれば、IT知識の薄い弁護士でも、利用規約を作成することは可能です。
IT分野に興味を持たれている方であれば、そうした業務を繰り返す過程で、ITに関する知識は、少しずつ自然とついてきます。そのようにして得たIT知識を元に、いずれ「多少のIT知識が必要な案件のヒアリング」「高度なIT知識が必要な案件のヒアリング」にも対応できるような弁護士に成長して頂ければ十分であり、それは実際可能です。
次に、真に高度なIT知識が要求される業務との関係です。一例を挙げれば、弊所は例えば風評被害対策の場面において、事業会社から「当社が最近インターネット上でブラック企業と謂れのない批判を受けている」といった相談を受けた際、「対策を行って欲しいページのURLリスト」を当該企業に要求しません。所内でインターネット中を精査し、リストアップを行い、一定の価値基準に基づき優先度設定などを行い、そうした解析結果を元に、当該企業に対するソリューション提案を行います。
ただ、そうした調査はそもそも、弁護士の行うべき法律事務ではありません。有り体に言えば、皆様は「そうした非法律事務を行うために司法試験を受けたわけではない」と思います。
こうした非法律事務については、ITに深い造詣を有するITコンサルタント等の総合職が担当します。したがってアソシエイト弁護士は、そうしたメンバーとコミュニケーションを取りさえすれば、法律事務を行うことができます。事務所として、対クライアント観点より、非法律事務である高度なIT業務を組み込んだソリューションを提供する必要はありますが、それはアソシエイト弁護士に高度なIT知識を要求しなくても実現できる、ということです。
当事務所は、特に新人弁護士には、少なくとも最初は上記のような理由でIT知識を要求されることなく法律事務に専念し、実務家として法律を扱うプロになって頂きたいと考えています。
…ただ、付言すれば、「できるか」ということと、「面白いか」ということは、別問題だと思います。例えば私も、自分があまり興味のない分野について、専門的な話を「翻訳」されて教わった場合、理解はできると思いますし、その理解を前提とした業務も「できる」とは思いますが、ただ、その業務を「面白い」と思えるかは、何とも言えません。その意味で、ITに関しては、「専門的知識は不要だが、興味や関心がないと、業務を面白いと思えない可能性はある」と思います。
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