FAQ

弁護士のリモートワークやフルリモートは可能か

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弁護士のリモートワークやフルリモートは可能か

弁護士としての就職や転職を検討されている方の中には、ライフスタイルや居住地の関係で、リモートワークやフルリモートを望んでいる・いずれ望むことになる可能性が高い方も、いらっしゃると思います。こうしたリモートワークやフルリモートについて、弁護士業界全体の傾向と、モノリス法律事務所における実情・指針などを、解説します。

結論として、モノリス法律事務所では、全てのデータがクラウド上に存在するため、リモートワークやフルリモートも、理論的には可能です。ただ実際問題として、特に新人弁護士の間はリモートワークには限界があります。企業法務はチームワークであり、コミュニケーションが必要だからです。

リモートワーク・フルリモートと法律事務所のDX

法律事務所のDX化という課題

まず、弁護士がリモートワークを行うためには、大前提として、事務所業務の、いわゆるDX化が行われている必要があります。単純な問題として、例えば、弁護士が行う訴訟では、今でも、相手方代理人弁護士からの書面提出が、FAXや郵便で行われるケースが少なくありません。そうした場合に書面を、自宅等で稼働している弁護士に対して共有する仕組みが整っていないと、事務所以外の場所で弁護士が勤務を行うことが、実際問題として、困難になってしまうからです。

ただ、ITと一定以上の親和性がある法律事務所では、上記のような問題は、既に解決されているケースが多いと思います。

モノリス法律事務所における業務

モノリス法律事務所では、全ての事件間系の全てのデータや、全メンバーのスケジュール、タスク、チャットなどを、全てクラウド上で管理しています。したがって理論的には、「出勤しないと出来ない業務」というものはありません。実際、いわゆるコロナ禍の下、フルリモートで事務所としての全ての機能を実現していた時期もあります。

「全て」というのは文字どおりです。郵便物は転送されて担当スタッフの家に届き、スキャンされてクラウド上にデータ保存されます。訴状等一式の作成も、チャットやタスク管理アプリなどの活用で、平時通りに役割分担されながらクラウド上で行われ、郵送担当スタッフの家で全て印刷されて投函されます。当然、FAXは届いた瞬間に自動でクラウド上に保存されます。

…と、以上はコロナ禍での一時的な体制変更でしたが、ただ、短い準備期間で事務所全機能のフルリモートへの移行が可能な程度に、当事務所の業務はクラウドが活用されています。平時においても、出勤義務のないアソシエイト弁護士にとって、「出勤しないと出来ない業務」というものは、本当に存在しません。

企業法務の組織性とリモートワーク・フルリモート

古典的法律事務所における業務の進め方

ただ、組織構成や取扱分野・業務によって、リモートワークやフルリモートとの親和性が、高いもの・低いものという違いは、やはりあります。キーワードは、「組織性」だと思われます。

古典的な法律事務所や、いわゆる一般民事系の法律事務所では、新人などの一部例外を除き、多くの弁護士が、「自分一人が担当する事件」というものを、担当しているケースが少なくありません。こうした場合、ある一人のアソシエイト弁護士にとって、ある一日の業務が、例えば、「自分一人が担当している事件Aの訴状の作成」「自分一人が担当している事件Bの準備書面」…、といったものになることも、珍しくないでしょう。そして、そのように、自分一人が担当している事件に関する業務であれば、他の弁護士と密にコミュニケーションを取るべき要請は、少ないものと思われます。したがって、リモートワークやフルリモートでも、そうした業務を、効率を下げることなく行うことができるでしょう。

企業法務における業務の進め方

ただ、企業法務は、基本的にチームワークです。特に新人の間は、同じ案件を担当する他の弁護士と随時話をして、方向性の調整等を行いながら案件を進めないと、円滑な業務が難しいという傾向はあります。また、年次が進むと、今度は「そうした新人からの質問に随時答えながら案件をドライブする」という仕事が発生します。

モノリス法律事務所では、上記のように、タスク管理やチャットなども、クラウド上で行われています。このため、理論的には、「随時話をして、方向性の調整等を行う」「先輩弁護士に質問を行う」「新人からの質問に随時答えながら案件をドライブする」といったコミュニケーションも、クラウド上で行うことは、可能です。しかし、特に新人弁護士の場合、「ある案件に関して、自分は今、何を疑問に思っている・何を決定できない状況にあって、どういった情報を提示して、何を質問すれば、その問題を解決できるのか」ということを、正確に把握しチャットの文章にするということは、当該問題に対する適切な把握・分析・論理構造把握などを、前提にしています。そうした分析等は、当然に、知識や経験を要する行為です。最初は、この分析等を、行うことが困難であるはずです。

これは、ある言い方をすれば、「良いところ取り」は難しい、という問題でしょう。「組織的に業務を行う」ということを、「事務所内のメンバーとコミュニケーションを取りながら仕事を進めることができ、面白い」とポジティブに捉える方も多いとは思うのですが、それは同時に、「密なコミュニケーションを取らずに仕事を進めると弊害が生じる」ということでもある、という訳です。

当事務所におけるリモートワーク・フルリモート

モノリス法律事務所は、アソシエイト弁護士に出勤義務を課しておらず、「出勤すること」自体を評価対象とはしません。したがって、リモートワークやフルリモートでも業務は可能ですが、特に新人の間はどうしても限界がある、というのが実際のところです。

ただ、上記のようにリモートワークやフルリモートは、それはそれで可能です。実際、過去に、ライフイベントの関係で中期的にフルリモートになったアソシエイト弁護士もいましたが、その間も(どうしても業務量が下がり条件面等は調整させて頂きましたが)弊所に欠かせない戦力でした。

なお、出勤の意味は、基本的には上記のような他メンバーとのコミュニケーションなので、例えば、「週末にどうしても1時間程度書面を仕上げないといけない」という場合に、誰もいないオフィスに出勤する意味はありません。実際、基本的に誰も出勤していません。

また、付言すると、このように当事務所は、ほぼ全てのデータなどをクラウド上で管理しており、このことは、どうしてもメンバーに、「各種のツールやウェブサービスを使いこなせること」という、いわゆるITリテラシーを、一定程度求めることを意味しています。実際問題として、日常的にPCやスマホを使いこなしている方であればあまり問題にはならないと思いますが…。

当事務所の求人情報

モノリス法律事務所は、弁護士(新卒・中途)の求人・事務所訪問受付を行っております。募集状況は時期によって異なりますので、募集要項ページを参照頂ければ幸いです。

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弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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