インタビュー

エンタメ法務の最前線で「まだどこにもないサービス」を実現させる

インタビュー

エンタメ法務の最前線で「まだどこにもないサービス」を実現させる

アソシエイト弁護士|明見裕美(みょうけんひろみ)

早稲田大学法学部卒業、同法科大学院修了。2022年12月にモノリスへ入所。

一般企業法務や各種契約書作成を中心に、VTuber等のクライアントの新規事業なども担当。その他にも利用規約整備、契約書レビュー、新しい配信先を検討する際の著作権法上における課題整理など、法的な立場でクリエイターをサポートしています。

業務の多様化と専門性の向上

入所1年目に担当していた業務は、契約書のチェックが多かったのですが、現在は担当する業務の範囲が徐々に狭まり、専門性が高まってきたと感じています。例えば、医療や薬機法に関連する案件や、英語の契約書に対応する機会も増えてきました。さらに、新しい事業を始める際の相談や、多岐にわたる企業の質問に対応することも多くなり、以前よりも幅広い法律を扱う機会が増えています。

クライアントが新たにビジネスを立ち上げる際には、発想力が求められることもありますが、他社の事例で同様の案件を扱った経験のある弁護士が社内にいる場合は、その方の経験に頼るのが一番早いと考えています。

また、リスクについては、クライアントから引き受けた後に「できない」という事態を避けるために、あらかじめしっかりと条文を調べておくことが重要だと考えます。「大丈夫だろう」という曖昧な考えは持たず、考えられるリスクのすべてをクライアントに対して指摘するようにしています。ただし、リスクを指摘するだけでは不十分なので、「リスクはあるが、指摘される可能性は低い」などの具体的なリスクの程度も示すようにしています。また、「AよりBの方がリスクは低い」といったように、複数の選択肢をクライアントに提示し、選んでいただけるようにしています。

表現者を法的側面から支えるという役割

モノリスに入所した当初は、YouTubeやVTubeに特別興味があったわけではありませんが、音楽が好きだったため、著作権に関心を持ち、法律の分野でどのように活かせるか考えていました。YouTubeやVTubeでは音楽を使用する機会が多く、生配信での背景音楽などを通じて、著作権を学ぶには良いフィールドだと感じ、興味を持ち始めました。

私自身も表現活動に興味がありますが、どちらかというとクリエイティブな側面よりも、裏方として支える役割の方が自分に合っていると感じています。私は表現者ではありませんが、表現者を法的な側面から支える役割にやりがいを感じています。

新しい法律分野での先駆者としての経験

私が最近注力しているのは、エンターテインメント分野の新しいサービスを法的側面からサポートすることです。

最近、「推し活」という言葉をよく耳にすることはありませんか?10年前にはオタクというとあまり良いイメージがなかったかもしれませんが、今では「推す」文化が広がり、インフルエンサーなどと気軽に繋がれるプラットフォームが拡大しているのだと思います。

「推し」にお金を使うことには現金を送るだけでなく、配信中にお金を贈るとエフェクトが出る仕組みや、ファンレターに課金してかわいく送るといったサービスもあります。事業者の方々はさまざまなアイデアを考えていますが、それらには著作権法や金融商品取引法などが関わってくるため、法的な問題がないか注意が必要です。

モノリスに入所してからは、配信者をサポートする新しいサービスの存在を知り、さまざまな形で推しを支援する方法があることを学びました。市場が拡大していることで、新しい事業者が参入しやすくなっていると感じています。それに伴い、法律が関係する問題も増えており、複雑な関係性を網羅した利用規約を整備し、トラブルを未然に防ぐことにはやりがいを感じます。

また、推し活などの文化が普及する中で、推しを応援するための新しい機能が次々と登場しています。そういった新しい機能が違法になるかどうかを初期段階で判断することが重要になってきています。事業者が新しい「推す」方法を見つけて実施したいと考えたとき、その方法がどの法律に抵触するかを考えなければなりません。

変化の最前線で活躍するエンタメ法務

エンタメ業界を扱う法律事務所は今後ますます増えていくと思います。最近では、動画配信プラットフォームやYouTubeのスーパーチャットのようなサービスをやりたいと考えているクライアントからのご相談が増えてきました。YouTubeやTikTokなどさまざまな配信方法が増えていく中で、芸能人やインフルエンサーと一般の方が交流できるプラットフォームや生配信サイトは今後ますます増えていくでしょう。それに付随するサービス、例えばお金を贈る、推しへのファンレターを贈るといった「推し活」のためのサービスも拡大していくと思いますが、その際には法的な問題がたくさん出てくることが予想されます。

新しいサービスが生まれるときは、まず法律の条文を調べて、解説やQ&A、ガイドラインなどを確認します。各法律を管轄する省庁のホームページも参考にしますし、それでも分からなければ直接省庁の担当者に問い合わせることもあります。新しいサービスが次々と生まれる中で、法律がそれに追いつかない状況があり、必要に迫られて改正されることも多いです。まさに変化の最前線にいると感じています。

それが前例がないサービスの場合には、省庁の担当者でも即答できないことがありますので、いかにして違法にならない範囲でクライアントが望む機能を実現できるかということが重要になります。こうした課題は今後も増えていくのではないかと思います。他では経験できない貴重な経験を積むことができ、「この分野でこのサービスに詳しいのは自分だけだ」という感覚が持てることは大きな強みだと感じています。

自己管理で実現する自由な働き方

モノリスでは、自ら積極的に「やります」と手を挙げてくれる方を歓迎しています。業務はエンタメ法務を含めて多岐にわたっており、同時に進めなければならない案件も多いので、指示を待つのではなく、自分から進んで動ける方に来ていただけるとうれしいです。新しいことに積極的に挑戦する意欲を持っている方であれば、多くのチャンスが待っていますし、私たちもその姿勢を全力でサポートします。また、複数の仕事を同時にこなす器用さや、柔軟な対応力を持っている方も大歓迎です。自分で考えて動き、仕事を通じて成長したいという方には、やりがいのある環境を提供できると考えています。

私たちの職場環境にはワークライフバランスを大切にしたいと考えている方には合っていると思います。仕事とプライベートのメリハリを大事にしているため、自分の時間をしっかりと管理できる方や、オンとオフの切り替えが上手な方には最適な環境です。例えば、毎日のスケジュールを自分で立てて、「この時間は仕事に集中しよう」「この時間はリラックスしよう」といった具合にメリハリをつけて働ける方には、とても合っていると思います。

私は、最近は9時半頃に事務所に来て、19時頃に退勤するスタイルを取っています。私は朝の方が頭が冴えているタイプなので、自分で時間を管理し、調整できるのは非常にありがたいです。業務が終わった後はしっかりとリラックスして、休むべきときにはきちんと休むようにしています。帰宅後は基本的に仕事をしないというスタイルを守っていますが、モノリスではこうした働き方も認められており、自分自身でリズムを整えながらタスク管理ができれば問題ありません。朝型や夜型のライフスタイルに合わせて働ける環境のおかげで、最も効率的な働き方ができるのがモノリスの魅力です。

また、入所当時、私は髪を染めていましたが、モノリスでは成果をしっかり出せば、働く場所や服装、髪型などに制限はありません。このように、自己表現を尊重してくれる職場環境をありがたく感じています。自分らしくいられる環境が大切だと思っており、のびのびと働けるのは非常に心地よいです。

当事務所の求人情報

モノリス法律事務所は、弁護士(新卒・中途)の求人・事務所訪問受付を行っております。募集状況は時期によって異なりますので、募集要項ページを参照頂ければ幸いです。

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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