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法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

病院・クリニック関連法務

医療法人の非営利原則、医療機関の開設・管理規制、そして医療広告規制。
病院・クリニックの経営には、一般企業とは全く異なる法的制約が課されます。
私たちは、分院展開・M&A・海外進出といった「攻め」の場面を、法務から支えます。

モノリス法律事務所は、美容クリニックグループ、医療法人、ヘルスケア関連事業者を主要なクライアントとし、MS法人(メディカル・サービス法人)の組成とMSO契約の設計、分院開設に伴う行政対応、クリニックの事業譲渡・M&A・運営法人の清算、さらには海外展開やNASDAQ上場支援まで、医療機関の「経営」に直結する法務を中心に手がけております。
医療機関に関する法務というと、医療過誤訴訟への対応を想起される方が多いかもしれません。しかし当事務所が数多く手がけてきたのは、むしろその手前にある、事業スキームそのものの設計です。医療法人には剰余金の配当が禁じられ、医療機関の開設と管理には医療法上の厳格な制約が課されています。この制約を前提としながら、いかに適法に収益を還流させ、いかに事業を拡大し、いかに次の経営者へ承継するか。ここに、医療分野特有の法務の難しさがあります。
加えて、元ITエンジニアの代表弁護士とITコンサルタントのチームを擁する当事務所は、医療広告ガイドライン・薬機法に基づく広告表現のチェック、オンライン診療をはじめとするヘルスケアITサービスの適法性設計、Googleマップ等の口コミ対策、退職医師によるSNSアカウントの持ち出し紛争といった、医療とITの交錯する領域についても、一貫した対応が可能です。

当事務所によるサポート実績の一例

  • MS法人の組成

    急速な多店舗展開を志向する美容医療グループ様について、医療法人とMS法人との間の機器リース・広告宣伝に関する契約群を設計しました。手数料が「事実上の配当」と評価されることのないよう、MS法人が提供する役務を細分化し、第三者の監査に耐えうる算定ロジックを構築しています。

  • 分院の開設

    全国主要都市に分院を開設する医療グループ様について、各自治体の保健所・医療担当部局との事前折衝から、開設許可申請、新設分院の管理医師との合意書作成までを継続的にバックアップしております。開設地ごとに異なる運用となるため、分院ごとに個別の設計が必要となる領域です。

  • 事業譲渡

    複数クリニックの運営権と関連アセットを、旧運営法人から新法人へ一括承継する大規模事業譲渡を担当しました。クロージング当日に全手続を同時発効させる緻密な工程管理により、1日の診療停止も生じさせずに経営主体変更を完了させています。

  • 退職医師との紛争

    在籍中にクリニックの予算とブランド力によって構築された公式SNSアカウントを、退職した医師が返還せず、競合クリニックの集客に流用していた事案です。クリニック側の代理人として、著作権に基づく症例写真等の削除請求と、アカウント管理権に関する交渉を行いました。

医療機関の法務が一般企業法務と異なる理由

病院・クリニックの経営に関わる法務が、一般の事業会社の企業法務と決定的に異なる点は、医療法人が剰余金の配当を禁じられているところにあります。医療法第54条が定めるこの非営利原則により、医療法人は、その利益を出資者へ分配することができません。したがって、投資家からの資金調達も、事業の売却による利益回収も、株式会社と同じ方法では実現できないということになります。

そこで用いられるのが、不動産管理、広告宣伝、事務代行、機器リース、物販といった営利活動を一般の事業会社に切り出し、医療機関を裏から支える構造です。この事業会社が、いわゆるMS法人(メディカル・サービス法人)と呼ばれるものです。医療機関はMS法人へ管理受託手数料やリース料を支払い、MS法人はそこから利益を得て、出資者へ配当します。医療法人単体では不可能な収益の還流が、この二層構造によって初めて可能になります。

もっとも、医療機関には、非営利原則のほかにも多くの固有の規制が課されています。法人による医療機関の開設には都道府県知事等の許可が必要であり、その管理者は原則として医師でなければなりません。医師免許を持たない者が医行為を行うこと、あるいは医師から名義のみを借りて実質的に非医師に医療機関を管理させることは、いずれも刑事罰の対象となります。さらに広告についても、患者の体験談が掲載できないなど、一般の商材とは全く異なる規律が適用されます。

つまり、MS法人スキームは、これら複数の規制の隙間を縫って設計しなければならないものであり、設計を誤れば「実質的な配当」「非医師による医療機関の管理」として、行政処分の対象となり得ます。適法性の境界線を正確に把握したうえで設計することが、医療コーポレート法務の出発点です。

MS法人・MSO契約の組成と設計

MS法人・MSO契約の組成と設計

MS法人の組成とは、医療法人が単体では行えない営利活動を一般の事業会社に切り離し、医療機関の運営を効率的にバックアップするスキームを構築する業務です。当事務所は、新規の立ち上げ段階から、既存スキームの適法性検証と再設計まで対応しております。

このスキームの中核をなすのが、医療機関とMS法人との間で締結される管理受託契約、いわゆるMSO契約です。ここで定められる業務範囲と手数料の水準が、スキーム全体の適法性を左右します。実務上しばしば見られるのは、契約書には「経営管理業務一式」とのみ記載され、その対価として売上の一定割合が支払われているというケースです。この状態では、手数料が役務の対価なのか、それとも実質的な利益分配なのかを、外部に対して説明することができません。

当事務所は、MS法人が担当する役務を、マーケティング、予約管理、スタッフ事務、施設管理、機器調達といった項目に細分化したうえで、それぞれについて適正市場価値に基づく算定根拠を明示した価格算定ロジックを設計します。手数料の設定が恣意的でないことを、行政や監査法人といった第三者に対して客観的に説明できる状態を作ることが、このスキームの生命線です。

あわせて重要となるのが、医療の意思決定と経営の意思決定の分離です。MS法人が経営を主導する構造は、一歩間違えば「営利企業が診療行為を指示している」との評価につながります。当事務所は、契約書上の権限配分にとどまらず、指揮命令系統、各種書類の名義等の観点から、両者が分離されていることを説明できる状態を設計いたします。

MS法人スキームの設計で問題となる論点の一例

  • 手数料の適正性

    医療機関がMS法人に支払う管理受託手数料やリース料が、役務の対価として不相当に高額である場合、行政から実質的な配当と認定され、医療法第54条違反として処分を受けるおそれがあります。役務を細分化し、適正市場価値に基づく算定根拠を文書として残すことが重要です。

  • 名義貸しの回避

    医師に名義のみを貸させ、その医師が開設したクリニックについて、実質的にはMS法人が医療機関の運営方針を決定しているという実態が認められれば、無許可の医療機関開設として刑事罰の対象となり得ます。診療方針の決定権が管理医師にあることを、契約書・稟議・議事録といった記録の上でも一貫させる必要があります。

  • 権限の分配

    管理医師は医療安全について法令上の責任を負う一方、経営権はMS法人ないし本部が握ります。この構造では、有事に責任の所在が不明確になりやすいため、どの事項を管理医師の専権とし、どの事項を本部決裁とするかを、あらかじめ契約上明確にしておく必要があります。

  • 契約群の整備

    分院ごとに賃貸借契約、機器リース契約、管理受託契約、管理医師合意書を締結することになるため、開設と同時に契約群を整備しなければ、拠点数が増えた段階では後追いの整合が極めて困難になります。1号店の開設時点における設計が、数年後の出口戦略を規定します。

分院開設と管理医師をめぐる契約設計

分院開設と管理医師をめぐる契約設計

医療機関の分院開設においては、開設場所ごとに開設手続が異なるため、管轄の保健所や都道府県・市の医療担当部局との事前調整・折衝が必須となります。当事務所は、全国主要都市に分院展開を進める医療グループ様について、分院ごとの開設手続を継続的にバックアップしてまいりました。

開設にあたって最初に決めなければならないのが、開設主体の選択です。医療法人、一般社団法人、個人のいずれを開設の主体とするかによって、その後のM&A可能性、税務上の取扱い、ガバナンスの構造が大きく変わります。将来的な売却や上場を視野に入れるのであれば、1号店の開設時点における主体の選択が、そのまま数年後の出口戦略を規定することになります。

そして、医療法上、各医療機関には、その運営を実質的に管理・監督する管理者、すなわち管理医師を置くことが求められます。分院展開を行うグループにとって、管理医師の招聘とその権限・責任の設計は、経営上きわめて重要な論点です。管理医師は医療安全について法令上の責任を負う立場にある一方、経営権は開設者が握るという構造になるため、両者の権限をどこで切り分けるかを契約上明確にしておかなければ、有事の際に責任の所在が不明確になります。

実務上より深刻なのは、管理医師の退職に伴うリスクです。分院長が患者とノウハウを抱えたまま近隣で独立するケースは、美容医療分野において決して珍しくありません。当事務所は、この点について、労働法・医師法・公序良俗の観点から裁判上も有効性が維持され得る合理的な範囲(期間、地理的範囲等)を調整し、秘密保持義務および競業避止義務を定めた管理医師合意書を設計・運用しております。競業避止義務は、範囲を広げれば広げるほど安全になるものではなく、むしろ広すぎる定めは裁判においてはその全体が無効と判断されるリスクを負います。実効性のある水準に精緻に着地させることが、この契約の要点です。

医療機関のM&A・事業譲渡

医療機関のM&A・事業譲渡

MS法人が介在しているクリニックを第三者へ承継させる場合、公的性質を持つ医療機関の変更手続と、民事上の契約主体であるMS法人の資産・契約の切り替えという、性質の異なる2つのレイヤーを、同時にクロージングさせる必要があります。しかも、その間も診療は続いており、患者の予約は入り続けています。

当事務所は、複数クリニックの運営権と、従業員、機材、テナント契約、患者情報といった関連アセットを、旧運営組織から新法人へ一括して承継・統合させた大規模な事業譲渡を担当いたしました。この案件では、承継対象となるアセットの洗い出しと契約主体の切替、行政手続、そして患者データの取扱いという三系統の作業を並行して進め、最終的にクロージング日当日にすべてを同時発効させています。

医療機関のM&Aにおいて弁護士が提供すべき最大の価値は、この緻密な工程管理にあると考えております。契約書の条文をどれほど精緻に作り込んだとしても、リース会社の承諾が1社取得できていない、あるいは管理医師の1人が合意書に調印していないという理由で、クロージング当日に取引が実行できなければ意味がありません。当事務所は、クロージング条件を一覧化し、それぞれの充足状況を日次で追跡することで、移行期間ゼロでの経営主体変更を実現しております。

M&A・事業譲渡で問題となる論点の一例

  • 保険医療機関の指定

    保険診療を行うための指定は、開設者が変われば引き継がれず、譲受側が地方厚生局へ改めて申請しなければなりません。指定までには通常2週間から1か月を要するため、漫然と手続を進めれば保険診療のできない空白期間が生じます。所定の要件を満たす場合に限り指定日の遡及が認められるため、その充足を前提としたスキーム設計が必要です。

  • CoC条項への対応

    高額な医療機器のリース契約やテナントビルの賃貸借契約には、契約主体の変更や支配権の移動を制限する条項が置かれていることが通例です。これらを一つひとつ洗い出し、リース会社やビルオーナーからの承諾を取得する工程が、クロージングのクリティカルパスとなります。

  • 同日クロージング

    ビルオーナーの承諾書、リース会社の契約切替、各拠点の管理医師が新たに締結する合意書の調印を、すべて同日付で一斉に発効させる必要があります。当事務所は、これらの充足状況を一覧化して追跡し、1日の診療停止も生じさせない工程統制を行います。

  • 潜在債務の遮断

    過去の診療に起因する将来の損害賠償請求や、退職従業員からの未払残業代請求といった潜在債務が、譲渡後に譲受人や旧社員個人へ波及することを防ぐ必要があります。表明保証の設計と、実効性のある清算条項の構築が要点となります。

クリニックの廃止と運営法人の清算

クリニックの廃止と運営法人の清算

事業の拡大と同じく、撤退もまた法務の重要な局面です。当事務所は、不採算や経営陣間の不一致等により、クリニック店舗の営業権を特定の社員へ譲渡すると同時に、旧運営法人の廃止・解散・清算までをパッケージで実行した案件も手がけております。

この類型で最初に問題となるのが、行政手続上のタイムギャップです。旧法人による診療所廃止届と、新運営者による診療所開設届の間に空白が生じると、その期間は無許可診療所となり、診療を行うことができません。当事務所は、管轄保健所と事前に綿密な調整を行い、両者を実務上同日に提出・処理させる工程を設計いたします。患者様が不安を抱くことがないよう、診療の空白なく手続きを完了させることを重視しております。

もう一つの論点が、清算結了後に社員個人へ波及する潜在債務の遮断です。過去の診療に起因する将来の損害賠償請求や、退職従業員からの未払残業代請求等は、法人が消滅した後に顕在化することがあり、その場合に旧社員が個人として責任を追及される事態が生じ得ます。当事務所は、事業譲渡契約および関係者間の和解合意書において、クロージング時点で合意された精算債務以外の一切の請求、不服申立て、行政通報、そしてインターネット上への書き込みを禁じる清算条項と守秘義務条項を構築し、違反時の違約金を組み込むことで、解散する法人の関係者が将来の個人責任から解放される状態を作ります。

株式・M&A関連法務

株式・M&A関連法務

当事務所は、事業譲渡を含むM&A、第三者割当増資、ストックオプション発行、経営陣買収(MBO)、JV設立などの株式関連法務を多数手がけており、企業買収の場面における法務デューデリジェンス(DD)にも対応可能な体制を整備しています。

医療機関のM&Aにおいても、この一般的なM&A実務の蓄積が前提となります。医療法・医師法上の制約は、あくまでその上に乗る固有の論点であり、株主構成の整理、表明保証の設計、DDによるリスクの洗い出しといった基礎的な作業の精度が、取引全体の安全性を決定します。

海外展開とNASDAQ上場支援

海外展開とNASDAQ上場支援

日本の医療法人は配当が認められないため、そのままの形態で海外の証券取引所に上場することはできません。しかし、ヘルスケア・バイオ部門やMS法人を米国等の持株会社の傘下に置き、医療法人との間で適法かつ合理的な管理・サービス・技術ライセンス契約を締結することにより、日本の医療規制に適合した国際的な上場ストラクチャーを構築することは可能です。当事務所は、医療法人グループのNASDAQ上場について、国際的なガバナンスストラクチャーの構築、関連契約書のリーガルチェック、法的論点調査を、外国法アソシエイトと連携して対応可能です。

また、日本企業が海外に直営クリニックを開設する場面では、進出先国の強行法規であるCPM原則、すなわち医師免許を持たない一般企業が医師を直接雇用してクリニックを商業運営し、患者から医療利益を得ることを禁じる原則が障壁となります。米国の主要州をはじめ、多くの法域でこの規制が存在します。当事務所は、現地の提携医師が100パーセント所有する現地法人を設立させたうえで、日本資本による現地MSOを組成し、MSOが当該法人から施設賃貸、機器リース、宣伝といった非医療事務を包括受託するMSO Agreementを締結するという構成により、医療権は現地医師に留保させつつ収益をMSO手数料として還流させるスキームを、現地提携事務所と協働して構築いたします。

医療広告規制・薬機法への対応

医療広告規制・薬機法への対応

クリニックの広告は、一般の商取引広告とは異なり、医療法に基づく広告規制の適用を受けます。例えば、患者の体験談は掲載できず、症例写真を掲載する場合には、副作用、費用、治療期間、治療方法等の詳細な説明を併記することが義務付けられます。また、「地域で一番」、「最高峰の技術」といった比較優良表現や誇大表現は厳しく禁止されています。

さらに、特に美容医療分野では、薬機法上の製造販売承認を得ていない医薬品等を用いた施術の訴求が問題となります。海外製の注入剤や糸、各種の培養上清液などがこれにあたりますが、医療広告規制において、未承認医薬品等を使用する診療の広告も制限されているため、医療広告ガイドラインに則った表現を行う必要があります。

この領域の難しさは、単に違反表現を削除すれば済むものではない点にあります。表現を削り切ってしまえば、患者はその治療の存在すら知ることができず、集客という広告本来の目的が失われます。当事務所は、法律・ガイドラインの趣旨と行政の運用実務を踏まえたうえで、記事やLPの訴求力を損なわない代替表現を提案するという、深度のあるコンサルティングを行っております。

広告・LPチェックのサポート実績の一例

  • プラットフォーム審査

    医療機関の検索・予約・オンライン診療を仲介するプラットフォーム事業者様について、掲載される医療関連クリエイティブや紹介文の医療広告規制への適合性を、継続的に審査しております。掲載主体が多数にわたるため、判断基準の統一が要点となります。

  • LPの表現設計

    再生医療等の分野における新規プロモーションについて、効能効果の訴求可能範囲を検討したうえで、ランディングページのコンプライアンスチェックと代替表現の提案を実施しました。未承認の医薬品等を扱うため、いわゆる限定解除要件の記載を前提とする設計を行っています。

  • 月次サンプリング

    医療、ヘルスケア、サプリメント、美容サロン等の多岐にわたる広告LPについて、広告代理店様の観点から違法表現をスクリーニングする月次サンプリングチェックを継続実施しております。あわせて、社内の広告チェック手順書も策定いたしました。

  • KOL契約の整備

    著名医師を起用したプロモーションについて、KOL(Key Opinion Leader)業務委託契約書および技術指導医契約書のひな形を作成しました。医師に支払われる対価が宣伝の対価ではなく、技術的指導や症例報告の正当な対価であることを、契約上および表現上で構成しています。

記事・LPの薬機法等チェック

記事・LPの薬機法等チェック

薬機法・医療広告ガイドライン(医療法)・景表法・知的財産権などが関わるLPやメディアの運用には、ノウハウを有する弁護士とITコンサルタントのチームが必要です。当事務所は、薬機法法務チームを組成し、メディア運営事業者、広告代理店、化粧品メーカー、クリニック、ASP事業者等に対し、記事やLPのリーガルチェック、ガイドライン作成、NG表現リストの作成、月次サンプリングチェックなどのサービスを提供しております。

クリニック様につきましては、自院のウェブサイトや症例写真の掲載方法に関するチェックはもちろん、広告代理店を通じて出稿されるリスティング広告やインフルエンサー投稿についても、一貫した基準でのチェックが可能です。

紛争・有事対応の一例

医療機関で生じる有事は、患者や退職医師といった外部との間で起きるものと、役員や委託先といった内部から生じるものとに大別されます。いずれについても共通するのは、初動の数日で対応の方向性が決まってしまうという点です。証拠が保全されないまま時間が経過すれば選択肢は狭まり、経営者が直接応対したことで交渉が感情的にこじれることもあります。専門家による知識と経験を踏まえた適切な初動が非常に重要であると言えます。

  • 退職医師との紛争

    退職した医師が、在籍中に法人の予算で構築された公式SNSアカウントを返還せず、競合クリニックの集客に流用していた事案です。著作権に基づく症例写真等の削除請求と、アカウント管理権に関する交渉を、クリニック側の代理人として遂行しました。

  • 患者からの返金要求

    施術結果への不満から、他院でのやり直し費用を含む金銭請求を受けた事案です。代理人として対応を行い、カルテと術前同意書に基づいて法的な過失がないことを立証し、請求を回避しました。

  • 役員による横領

    医療法人の登記上の元代表や、その背後に関与していた関係者との間で、金銭および運営支配の実態をめぐって生じた重大なトラブルです。法人の事業管理部門と連携し、業務上横領や背任の容疑での刑事告訴および民事係争への対応を行いました。

  • 不正請求への初動

    訪問看護事業所におけるレセプトの不正請求について、法的調査と事後処理を遂行しました。あわせて、施設内の調理外部委託で発生した食中毒疑いの事案において、行政報告の要否や責任分担に関する緊急の初期対応助言を提供しています。

風評被害対策

風評被害対策

当事務所は、インターネット上の誹謗中傷・風評被害対策を主要取扱分野の一つとし、投稿の削除から発信者の特定、損害賠償請求、刑事告訴までを一貫して手がけております。

医療機関の場合、Googleビジネスプロフィールの口コミ、美容医療の評価サイト、匿名掲示板、転職口コミサイトと、媒体ごとに削除の要件も交渉相手も異なります。とりわけ元従業員による転職サイトへの投稿は、労働環境の告発という公益目的を装う形をとることが多く、単純な人格非難とは異なるアプローチが必要となります。

当事務所の体制

これまで述べてきた業務は、行政との折衝、契約書群の作成、システム仕様の技術的検証、海外提携事務所との連携といった、性質の異なる作業の組み合わせによって成り立っています。弁護士一人の専門性だけでは、そのすべてを担うことはできません。当事務所が、医療機関の案件を個別の論点への回答としてではなく、事業全体の設計としてお受けできるのは、下記の体制によるものです。

  • 弁護士30名の体制

    分院開設や事業譲渡は、行政折衝、契約書群の作成、デューデリジェンス、クロージング統制といった複数の業務が同時並行で進行します。当事務所には30名の弁護士が所属しており、期日の集中する局面においても安定した処理体制を維持することが可能です。

  • 元ITエンジニア

    代表弁護士・河瀬季は、弁護士資格取得以前にITエンジニアとしてのキャリアを持ちます。医療系プラットフォームやアプリの適法性検証において、システム仕様そのものを理解したうえで法的判断を行うことができる点が、他事務所にはない強みとなっています。

  • ITコンサルタント16名

    事務所内に現役のITエンジニアを含むITコンサルタントのチームを擁しており、外部の技術専門家に頼ることなく技術的検証を行うことが可能です。口コミの監視やスクリーンショットによる証拠保存といった実務も内製で対応しております。

  • 海外ネットワーク

    当事務所には外国法アソシエイトも複数名所属しており、また、世界各国の法律事務所との提携関係を有しております。海外へのクリニック展開やNASDAQ上場といった案件についても、現地提携事務所と協働して対応いたします。

料金体系

  • 顧問契約

    月額5.5万円(税込)※開始時

    日常的な法律相談・契約書作成・修正を2時間まで定額範囲内

    月額費用について業務量を考慮し定期的に見直し

    ※投資関連の業務、裁判等の紛争処理、刑事事件等は定額範囲外

  • タイムチャージ型

    1時間3.85万円(税込)~

    案件処理について、顧問先企業を優先させて頂きます

    ※裁判等の紛争処理はモノリス法律事務所報酬基準((旧)弁護士報酬基準と同様)にてお受けできます。

  • 理事等

    月額20万円~

    理事として貴法人の理事会の構成員を務めます

    MS法人の取締役・監査役や、最高法務責任者といった形で携わることも可能です。

    ※詳細は個別にご相談ください

タイムチャージ型契約について

当事務所は、弁護士の稼働時間を元に弁護士費用を算定する、いわゆるタイムチャージ型契約を基本とさせて頂いております。病院・クリニック関連法務について、リーガルリサーチの契約書の作成や修正・レビューの大まかな稼働時間目安は、下記のとおりとなります。

※病院・クリニック関連法務の専門性より、見込稼働時間が、他分野の各業務よりも全体的に多少長くなる傾向がございます。

リーガルリサーチ

類型平均大型最大
単一の法律問題1時間4時間8時間
ビジネスモデル全体3時間10時間15時間

契約書作成

類型平均大型最大
業務委託契約書等一般的な契約書1時間30分5時間8時間
NDA等類型的な契約書1時間2時間3時間
M&A・投資関連12時間30時間40時間
利用規約4時間6時間8時間

契約書レビュー・修正

類型平均大型最大
業務委託契約書等一般的な契約書45分2時間4時間
NDA等類型的な契約書20分40分1時間30分
M&A・投資関連4時間10時間15時間
利用規約2時間3時間5時間

なお、特に新規クライアント様との関係では、ヒアリング・納品物に関するご質問への回答等で上記以上の時間を要するケースもあります。逆に言えば、契約書作成等のためには、どうしてもクライアント企業の基本的なビジネスモデル等に関する理解が必要であり、顧問契約とは、「顧問先企業のビジネスモデル等は常に把握しているため、ヒアリング等にあまり時間が必要でなくなる」という関係性を構築するためのものです。

稼働時間の共有方法

タイムチャージ型契約というのは、「弁護士が稼働した時間」によるものとして、ある意味分かりやすいものではありますが、しかし一方で、ある業務を行うために弁護士にどの程度の稼働時間が発生するのか、事前に分かりづらく、したがって依頼前の段階で弁護士費用の総額が見えづらいという欠点があります。

当事務所は、本ページ記載の通り、各契約書の作成等に関する稼働時間目安を事前に明示することを務めております。また、当事務所はクライアント企業様との連絡手段として、ChatWork・Slack・Teams・Facebookメッセンジャー・LINE・電子メール等、様々なサービスを利用しておりますが、こうした連絡手段内にて、Googleスプレッドシートでのタイムチャージ管理表によって、実際の稼働時間を随時共有しております。

稼働時間の共有方法
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