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インドのGIFT City(金融特区):外資企業への規制緩和と税制メリット

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インドのGIFT City(金融特区):外資企業への規制緩和と税制メリット

インド西部グジャラート州に位置する「GIFT City(Gujarat International Finance Tec-City)」は、経済特区法2005第18条(1)に基づきインドで最初に設置された国際金融サービスセンター(IFSC)であり、外資企業に対して所得税法2025第147条に基づく所得控除や、外国為替管理法(FEMA)第44A条による規制所管の一元化など、税制・規制の両面で独自の枠組みが用意された経済特区です。インドは急速な経済成長を遂げる一方で、複雑な税制や厳格な外資規制がビジネス上の高い障壁となることが少なくありません。

しかしGIFT City内では、所得税法2025(Income-tax Act, 2025)第147条に基づくIFSCユニットへの所得控除や、外国為替管理法(FEMA)第44A条によるインド準備銀行(RBI)から国際金融サービスセンター局(IFSCA)への規制権限の移管など、インド国内の他の地域とは一線を画す特別な法制度が適用されます。さらに、州全体としては厳格な禁酒州であるグジャラート州にあって、GIFT City内に限っては2023年12月に禁酒法の適用除外が導入され、2025年12月20日付の州内務省通知によって州外に居住する者や外国籍の者は許可証を取得することなく写真付き身分証の提示のみで指定施設内での飲酒が可能とされるなど、駐在員の生活環境の改善が進んでいます。

本記事では、インドでビジネスを展開する、あるいは今後の進出を検討している日本企業に向けて、GIFT Cityにおける最新の法令や制度、税制メリット、そしてグローバル・キャプティブ・センター(GCC)や金融拠点としての特区活用の妥当性を解説します。

インドの金融特区における税制優遇と2025年の最新動向

インドに進出する外資企業にとって、GIFT Cityを活用する主要なインセンティブの一つが、インド所得税法2025(Income-tax Act, 2025)に基づく強力な税制優遇です。インドにおける一般的な法人税率は、各種サーチャージを含めると比較的高水準に達することがあり、日本の法人税制と比較しても複雑な課税体系がとられています。日本の法律においても、特定の経済特区を対象とした税制優遇措置は存在しますが、租税特別措置法第42条の10・第42条の11が定めるとおり、その内容は機械等の取得に係る特別償却または法人税額の特別控除であり、一定期間の法人所得そのものを非課税とする措置は現行の本則には置かれていません。この点に両国の特区制度の根本的な違いがあります。

GIFT CityのIFSC内に設立された認可企業に対しては、所得税法2025第147条(旧所得税法1961第80LA条に相当)に基づく特別な控除が適用されます。適用にあたっては、IFSCA法2019に基づく許可または登録を受けていることが要件となります。具体的には、IFSC内の事業単位(ユニット)は、所得税法2025第147条第2項(b)に基づき、当該ユニットが銀行規制法1949・SEBI法1992またはIFSCA法2019に基づく許可もしくは登録を取得した課税年度から起算して25年のうち、企業が選択した任意の連続する20課税年度にわたり、事業から生じた所得の100パーセントの控除を受けることができます(従前の「15年のうち連続10年」は2026年財政法により2026年4月1日から改められました)。なお、2026年4月1日以後に事業を開始するユニットについては、同法第147条第5項により、インド国内に既に存在する事業の分割、再構成、組織再編または移転によって組成されたものでないことが控除の要件とされています。ただし、同法第206条により最低代替税(MAT)・代替最低税(AMT)が課され、所得を全額交換可能外貨で得るIFSCユニットの税率は9パーセントとされているため、法人課税が完全に免除されるわけではありません。さらに、2025年財政法(Finance Act, 2025)は、所得税法1961における航空機リース・オフショアファンド等のIFSC関連優遇措置の適用期限を2025年3月31日から2030年3月31日へ延長し、続く2026年財政法第47条は上記の控除期間を「15年のうち連続10年」から「25年のうち連続20課税年度」へ改めるなど、この税制メリットは段階的に拡充されています。

例えば、航空機リースや船舶リース事業を行うIFSC内の事業体については、所得税法2025第147条第3項(d)により航空機・船舶の譲渡益が100パーセント控除の対象所得に含まれ、また同法附則VI(第11条関係)の表通し番号6により、IFSCユニットが支払う航空機・船舶のリースに係るロイヤルティおよび利子が非居住者側で非課税とされています(いずれも当該ユニットが2030年3月31日までに事業を開始していることが要件です)。また、グローバル・トレジャリー・センターに対するみなし配当規定(所得税法2025第2条40項(e)。旧所得税法1961第2条22項(e)に相当)の適用除外や、オフショアファンドに対するセーフハーバー税制(同法第9条12項および附則I。旧第9A条に相当)の適用なども整備され、金融ハブとしての制度整備が進んでいます。

参考:所得税局(Income Tax Department, インド財務省歳入局・中央直接税委員会(CBDT))|所得税法2025(Act No. 30 of 2025)の公式掲載元

経済特区(SEZ)としての輸出利益控除とインド最高裁判所の判例

経済特区(SEZ)としての輸出利益控除とインド最高裁判所の判例

GIFT Cityは国際金融サービスセンターであると同時に、経済特区(SEZ)としての性質も有しており、SEZ法2005第27条・附則2により所得税法1961へ導入された第10AA条の輸出利益控除も検討事項となります。ただし同条は2016年財政法第8条により2017年4月1日から対象が限定され、2021年4月1日以後に製造・生産または役務の提供を開始したユニットには適用されません。また所得税法1961は所得税法2025により廃止されたため、現行の適用根拠は同法第144条の経過規定を通じた旧第10AA条となります。第10AA条は、SEZ内のユニットが要件を満たす場合、最初の連続5課税年度は輸出利益の100パーセント、次の5課税年度は50パーセント、さらに次の連続5課税年度は「特別経済区再投資準備金勘定(Special Economic Zone Re-investment Reserve Account)」に繰り入れた額を限度に50パーセントという三段階(通算最長15年)の所得控除を認めるものです(税額控除ではありません)。

ここで留意すべきなのが、インドの税制における損益通算の法的解釈です。日本の法人税法では、第21条・第22条のとおり課税標準は各事業年度の所得の金額であり、その所得は法人全体の益金の額から損金の額を控除して算出されます。事業所や部門ごとに課税所得を切り出す仕組みは置かれておらず、法人を単位として一体で計算されるのが原則です。しかし、所得税法1961第10A条(ソフトウェア技術パーク等の適格事業体に対する控除)の適用にあたっては、この控除と損益通算の順序について長年にわたり税務当局と納税者の間で法的な争いがありました。この問題を最終的に解決したのが、次の最高裁判決です。インド最高裁判所は、Commissioner of Income Tax & Anr. v. M/s Yokogawa India Ltd.(Civil Appeal No. 8498 of 2013ほか併合・2016年12月16日判決/Ranjan Gogoi, Prafulla C. Pant 両裁判官)において、所得税法1961第10A条(同判決第2項により、これと同趣旨の規定である第10B条にも同じ判断が及びます)に基づく控除について、改正後の同条は非課税(exemption)ではなく控除(deduction)の規定であるが、控除を行う段階は第VI章における納税者の総所得の算定段階ではなく、第IV章における当該適格事業体の総所得(gross total income)の算定段階であると判示しました。同判決第17項は、その段階では第70条・第72条・第74条の損益通算および繰越の規定を適用することは時期尚早(premature)であるとしています。なお同判決は第10AA条(SEZ)については判断しておらず、判決文に同条への言及はありません。

この判決により、他の部門で生じた損失や未吸収の減価償却費を差し引く前に、第10A条の適格事業体の利益に対して控除を適用できることが確定しました。これは、他に赤字部門を抱える企業であっても、第10A条の適格事業体に係る控除を切り離して享受できることを意味します。もっとも、この判断が直接及ぶのは同条(および第10B条)であり、GIFT CityのSEZユニットに適用される第10AA条や、IFSCユニットに適用される所得税法2025第147条について同様の順序が当然に妥当するかは、別途の検討を要します。

参考:インド最高裁判所(Supreme Court of India)|判例 Commissioner of Income Tax & Anr. v. M/s Yokogawa India Ltd.(Civil Appeal No. 8498 of 2013ほか併合・2016年12月16日判決/Ranjan Gogoi, Prafulla C. Pant 両裁判官・全23頁)

インド外為管理法(FEMA)の規制緩和と自由な決済インフラ

インドでのビジネスにおいて、税制と並んで高い障壁となるのが外国為替管理法(Foreign Exchange Management Act:FEMA)による厳格な規制です。日本の外国為替及び外国貿易法(外為法)は「原則自由」を掲げており、国家の安全保障に関わるような特殊なケースを除いて事後報告で済む取引が大半を占めます。対照的に、インドのFEMAは、経常取引については第5条により原則自由としつつ、資本取引については第6条により、インド準備銀行(RBI)が定める債務性金融商品の類型および中央政府が定める非債務性金融商品の類型の範囲内でのみ許容するという「類型による限定」のスタンスをとっており、資金の持ち込みや海外投資などに制約が課されます。

しかし、GIFT CityのIFSCについては、FEMA第44A条(2020年10月1日施行)により、RBIが同法上有する権限が及ばず、IFSC内で認められる金融商品・金融サービス・金融機関の規制はIFSCAが所管することとされています。GIFT City内のIFSCに設立された事業体のうち、FEMA(国際金融サービスセンター)規則2015第3条により、IFSCに設置され中央政府または規制当局の許可・承認を受けた金融機関およびその支店は、インド国内に所在しながら外国為替管理上「インド国外に居住する者(person resident outside India)」として扱われます。IFSC内のすべての事業体が非居住者として扱われるわけではありません。IFSC内の金融機関等は、IFSCA法2019第20条により、IFSCにおける金融サービスの取引を中央政府と協議のうえ規則で定める外貨によって行うものとされています(外貨建てが原則であり、任意の選択肢ではありません)。またFEMA(国際金融サービスセンター)規則2015第4条は、いかなる外貨で、いかなる相手方(居住者であるか否かを問いません)と業務を行うかを所管の規制当局が定めるとし、但書でRBIが一般または個別の許可によりインドルピー建ての業務を認めうると定めています。また、RBIは2025年1月14日付で外国為替管理(預金)(第5次改正)規則2025(FEMA 5(R)(5)/2025-RB)および外国為替管理(非債務性金融商品の支払方法および報告)(第3次改正)規則2025(FEMA 395(3)/2025-RB)を発出し(いずれも同年1月16日公表。形式は通達ではなく規則です)、前者はIFSCユニットによる特別非居住者ルピー(SNRR)口座の利用範囲を明記しました。その後、外国為替管理(預金)規則2016の第6次改正(FEMA 5(R)(6)/2026-RB・2026年6月18日付)が規則5(4)および附則4第1項を差し替え、現行では、インド国外に居住する者は、インド国内の認可ディーラー(IFSC内のものを含む)またはその国外支店にSNRR口座を開設し、法令上許容される経常取引および資本取引を行うことができるとされています(従前の「インドに事業上の利害を有すること」という要件は置かれていません)。

このような規制所管の一元化と、外貨建てを原則とする決済インフラの整備は、グローバルな資金管理を行う企業にとってGIFT Cityを金融拠点として利用する動機となります。

参考:RBI(インド準備銀行)|外国為替管理法(FEMA)関係の通知・規則一覧

インドのグローバル・キャプティブ・センター設立に向けた法整備

インドのグローバル・キャプティブ・センター設立に向けた法整備

近年、多国籍企業が自社のIT開発、法務、財務、人事などのバックオフィス業務や高度な専門業務を集約するグローバル・キャプティブ・センター(GCC)をインドに設立する動きが加速しています。GIFT Cityは、GCCの設立拠点としての制度も整えています。国際金融サービスセンター局(IFSCA)は、特区内の金融機関や事業体を支援するための「アンシラリーサービス(付随サービス)」の枠組みを制度化しており、2025年7月8日付で「IFSCA (TechFin and Ancillary Services) Regulations, 2025」(IFSCA/GN/2025/005・官報 No. 493/2025年7月10日公布)を制定して、従来の通達ベースの枠組みを規則へ格上げしました。同規則は2026年5月5日付の改正規則(IFSCA/GN/2026/008・官報 No. 307/2026年5月7日公布)により、信託・会社サービス提供者(Trust and Company Services Provider)に関する第VA章および第五附則が追加されています。

これらの規則により、外資企業はGIFT City内で幅広い専門サービスを提供し、またはグループ内で集約することが認められています。もっとも、以下の表に示す4つのカテゴリー区分は、2025年規則の前身である2021年2月10日付IFSCA通達「Framework for enabling Ancillary services at International Financial Services Centres」が定めていたものです。2025年規則の第一附則は、カテゴリー区分を置かずに保険数理業務・法務・会計監査・経営コンサルティング・ファンドアドミニストレーション・受託者業務など28類型の許容アンシラリーサービスを列挙する形式に改められており、上記通達は同規則第20条により施行(2025年7月10日)から24か月後に廃止されます(既存の認可事業者には、登録証の取得または施行から12か月のいずれか早い時点までの経過措置が置かれています)。

2021年通達が定めていたサービスのカテゴリー業務の具体例
法務・コンプライアンス・秘書業務商業契約の作成、法務助言、エスクローおよび決済サービス、コンプライアンス対応の助言・支援
会計監査・簿記・税務サービス財務諸表の作成、会計監査、税務申告書の作成、企業評価
経営コンサルティング組織構造の決定、事業戦略の策定、財務戦略の構築、予算管理システムの開発
資産管理サポート・信託業務金融商品の保護・管理、管理代行サービス、資産運用会社(AMC)への支援サービス、社債・債券の受託者業務やエスクロー・エージェント業務

日本企業は、GIFT Cityに自社のGCCや財務統括会社を設立することで、前述の所得税法2025第147条に基づく所得控除やFEMA第44A条によるIFSCAの一元的な規制といったメリットを享受しながら、グローバルな事業展開を支える専門的な業務拠点を効率的に運営できます。インド国内の他の地域にGCCを設立した場合と比較して、所得税法2025第147条の所得控除やIFSCAによる一元的な規制の下での資金還流の容易さという点で優位性があり、金融拠点および高度専門業務拠点としての特区活用には合理性が認められます。ただし、同法第206条により最低代替税(MAT)・代替最低税(AMT)が9パーセントで課されること、およびFEMA上の非居住者扱いは規制当局の許可・承認を受けた金融機関およびその支店に限られることには留意が必要です。

参考:IFSCA(国際金融サービスセンター局)|TechFin・アンシラリーサービス提供者向け規則一覧(IFSCA (TechFin and Ancillary Services) Regulations, 2025 および同 (Amendment) Regulations, 2026)

グジャラート州禁酒法のGIFT City内適用除外と2025年の追加緩和

法令や税制がビジネスのハード面を支える一方で、駐在員の生活環境というソフト面も見過ごせません。GIFT Cityが位置するグジャラート州は、長年にわたりグジャラート州禁酒法1949(The Gujarat Prohibition Act, 1949)に基づく厳格な禁酒州(ドライ・ステート)として知られていました。酒類の製造、販売、消費は原則として禁止されており、このことは、外国企業が同州に拠点を構える際の心理的・文化的な大きなハードルとなっていました。日本の法律においては、年齢制限等の基本的な規制を除き、時間や場所を問わず自由に酒類を消費できるのが一般的であるため、この点で生活習慣の差は大きいものでした。

しかし、GIFT Cityにおける国際的なビジネス環境の構築を推進するため、州政府は2023年12月、禁酒法1949第139条第1項(c)(同項(b)(f)および同条第2項と併せて)の授権に基づき、GIFT City区域内に限定した適用除外に踏み切りました。導入当初は、GIFT City内で就労しまたは公務で訪問する者が同法第40条・第40A条・第40B条の適用を、FL-III免許者が同法第33条・第34条・第43条・第58A条およびボンベイ外国酒規則1953の一部規定の適用を、それぞれ条件付きで免除されていました。その後、2025年12月20日付の州政府命令が適用除外の範囲自体を差し替えており、現在は、GIFT City区域で就労しまたは同区域を訪問する者が同法第22条・第40条・第40A条・第40B条・第43条の適用を、FL-III免許者が同法第22条・第24条・第33条・第34条・第43条・第44条・第58A条およびボンベイ外国酒規則1953の規則5・15・16・18・63・64・64A・64Bの適用を、それぞれ条件付きで免除されています。あわせて、2025年4月15日付(Order No. GHG/51/2025/VDR/102020/977/E.1)および同年12月20日付(Order No. GHG/165/2025/VDR/102020/977/E.1)の州政府官報により、GIFT City内の飲酒に関する条件も緩和されました。後者により、FL-III免許を取得した特区内のホテルやレストランでは、従来の「ワイン&ダイン(Wine and Dine)」指定区域に加えて、芝生エリア、プールサイド、テラスなどのホテル・レストラン敷地内でも酒類の提供と消費が認められ、対象者はFL-III免許者から注文した酒類をホテルの客室内で消費することもできるとされています。

また、飲酒許可証の制度も整備され、対象者に応じた区分が設けられています(2023年12月の官報で導入され、2025年12月の通知で運用が改められました)。

許可証の種類対象者と利用条件
酒類アクセス許可証(Liquor Access Permit)GIFT City内の企業・組織・ユニットの従業員が対象。21歳以上であることを要する。有効期間は2年で2年ごとに更新可能、手数料は年間1000ルピー。GIFT City内の指定された施設で消費できる。当該企業等の従業員でなくなった時点で失効する。
一時許可証(Temporary Permit)企業への訪問者が対象。酒類アクセス許可証の保持者の推薦に基づき1日限りで発行され、必要に応じて改めて推薦することができる。21歳以上であることを要し、当該許可証保持者が同伴しなければならない。許可証保持者1名が同時に招くことができる訪問者は最大25名とされている。
グループ許可証(Group Permit)2025年4月15日付州命令により、アクセス許可証保持者・一時許可証保持者はGIFT City内で交付されるグループ許可証の対象に加わることができるほか、別途グループ許可証を取得することもできる。同年12月20日付の改正で、GIFT City内の権限官(Authorized Officer)が発行することとされた。
外部者(External Person)の特例グジャラート州外に居住する者および外国籍の者が対象。2025年の通知により、従来必要とされた一時許可証を取得することなく、有効な写真付き身分証を提示することでGIFT City内の承認されたホテル・レストランの区域で飲酒できる。

従業員が許可証を要するなど、日本の自由な飲食環境との制度上の違いは依然として残るものの、州全体では厳格な禁酒が維持されていることと比較すれば、2023年に導入され2025年に拡大されたGIFT City内の適用除外は、日本人駐在員にとって生活環境の実質的な改善といえます。禁酒法の適用除外に関する州政府通知の内容は、2025年12月20日付のグジャラート州官報(号外 Extra No.575)に掲載されており、その概要は以下の報道等でも確認できます。

参考:Business Standard(インドの英字経済日刊紙)|PTI(Press Trust of India)配信記事「Gujarat eases liquor rules at GIFT City; permit requirement scrapped」(2025年12月23日)

まとめ

GIFT Cityは、所得税法2025第147条に基づくIFSCユニットの所得控除や、SEZ法2005附則2により所得税法1961へ導入された第10AA条の輸出利益控除(2021年4月1日以後に事業を開始したユニットは対象外)といった税制優遇を備え、さらにFEMA第44A条によりインド準備銀行(RBI)の権限が及ばず国際金融サービスセンター局(IFSCA)が一元的に規制を所管するという点で、日本企業にとって戦略的な投資拠点です。ただし第147条の控除は免税ではなく所得控除であり、所得を全額交換可能外貨で得るIFSCユニットには同法第206条により最低代替税(MAT)・代替最低税(AMT)が9パーセントで課されます。2025年7月のIFSCA (TechFin and Ancillary Services) Regulations, 2025 とその2026年改正によるアンシラリーサービス枠組みの規則化は、グローバル・キャプティブ・センター(GCC)としての機能性を高めており、同時にグジャラート州禁酒法のGIFT City内における適用除外(2023年導入・2025年拡大)は、駐在員が抱えていた生活面での課題を軽減しました。事業の立ち上げから運用、資金の還流に至るまで、法務・税務・生活環境の各面で制度整備が進んでいます。

このような複雑かつ流動的なインドの法制度を正確に把握し、特区のメリットを最大化するためには、現地の法令解釈や行政手続きに関する高度な専門知識が不可欠です。モノリス法律事務所は、IT関連法務や国際ビジネス展開に関する深い知見を有するとともに、インド現地の有力な法律事務所と強固に提携しております。GIFT Cityへの進出に伴う法人設立手続き、インド準備銀行(RBI)や国際金融サービスセンター局(IFSCA)への各種コンプライアンス対応、さらには最新の税制優遇措置や判例を踏まえた最適な事業スキームの構築まで、インドでビジネスを展開される企業を法務面から全面的にサポートすることが可能です。特区を活用したインド事業の拡大をご検討の際は、専門的なリーガルサポートをご活用ください。

モノリス法律事務所は、インド法務に関する調査および情報提供を目的として、現地法律事務所Quest IP Attorneysと非独占的な提携関係(Associate Firm / Correspondent Firm)にあります。

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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