X(旧Twitter)のネガティブなポスト(ツイート)を削除する方法とは?

X(旧Twitter)とは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの一つです。ユーザーは、「ポスト(ツイート・つぶやき)」と呼ばれるメッセージや画像、動画を投稿することができます。
「人気の〇〇でこれ食べたよ」という様な他愛ない投稿も多くありますが、中には「レストランAで働いてたけど、厨房がめちゃくちゃ汚かった」「B株式会社の面接でパワハラまがいの発言があった」といったネガティブなポストが投稿されている場合もあります。そのようなポストが投稿されてしまった場合、GoogleやYahooなどの検索エンジンやX内でそのレストラン名や企業名を検索したユーザーが、それらのポストを見てしまうリスクがあります。このようなネガティブなポストについて、削除してもらうなどの対応は可能なのでしょうか。また、どういった場合に弁護士へ相談した方がよいのでしょうか。
この記事の目次
X(旧Twitter)とは
X(旧Twitter)とは、140字以内のポストや画像、動画を投稿することができるソーシャル・ネットワーキング・サービスです。ユーザーは、アカウントを作成することにより、ポストを投稿・閲覧することができます。Xには、他の人のポストを自分のタイムラインに流すことができる機能(リポスト(リツイート))があるため、反応の多いポストはどんどん拡散されていくという特徴があります。そのため、ある企業やレストランに関するネガティブなポストがたくさんリポストされてしまうと、そのポストが多くの人の目にとまることになります。また、Googleなどの検索エンジンやX内でその企業名やレストラン名を検索したユーザーが、ネガティブなポストを目にするおそれがあり、それらの投稿を見たユーザーが、 企業のレストランへの来店や応募を、躊躇してしまう可能性があります。
X(旧Twitter)に投稿されるネガティブなポストとは

Xの投稿者が自分のポストを非公開の設定にしていない限り、そのポストは誰でも見ることができます。そのため、レストランや企業に関するリアルな意見を読むことができるのですが、中には、誹謗中傷やデマなどのネガティブなポストを投稿されてしまう可能性もありえます。Xに投稿されるネガティブなポストには、どのようなものがあるのでしょうか。以下に、考えられるネガティブなポストを例示します。
「レストランAで働いてたけど、厨房がめちゃくちゃ汚かった」というポスト
実際に厨房がとても不衛生であれば、そういったポストを投稿されてしまっても仕方ないかもしれません。しかし、投稿者がそのレストランで人間関係がうまくいかなかった腹いせなどでそのようなポストをしている可能性もあります。このような不当かつネガティブなポストが投稿されてしまうと、レストランの来客者数が減るなどして経営に悪影響を与えてしまう可能性があります。
「B株式会社の面接でパワハラまがいの発言があった」というポスト
このようなポストも、真実であれば、働く企業の情報を探しているユーザーにとって役に立つ情報であるといえます。ただ、投稿者と面接者のコミュニケーションの行き違いなどにより、投稿者がパワハラを受けたと誤認してしまった可能性もあります。そのような場合、当該企業は、ポストにより応募者数の減少やイメージダウンといった損害を受ける可能性があります。
その他、根も葉もない誹謗中傷投稿や風評被害投稿など
Xには、特定の企業だけでなく、個人に対する誹謗中傷ポストや風評被害ポストが投稿される場合もあります。こうしたポストについては、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)などの匿名掲示板の誹謗中傷・風評被害書き込みと同じように削除されるべきでしょう。5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の書き込みの削除依頼の方法については、下記記事にて詳細に解説しています。
X(旧Twitter)ルール違反で削除請求する方法
Xルールに違反していると思われるポストがある場合には、Xサポートへ連絡することができます。Xのヘルプセンターの右上に「お問い合わせ」というボタンがあり、そこから以下の画面に行くことができます。

この画面から、「Xにおける安全性や、センシティブなコンテンツに関する懸念」を選択します。すると、以下の画面があらわれます。

この画面から、「あるアカウントが私または他の利用者に嫌がらせをしています」を選択すると、以下の画面が現れ、報告内容や問題の詳細を記載して違反報告をすることができます。

Xの利用規約には、
当社は、Xユーザー契約に違反しているコンテンツ(著作権もしくは商標の侵害その他の知的財産の不正利用、なりすまし、不法行為または嫌がらせ等)を削除する権利を留保します。
利用規約3.本サービス上のコンテンツ より
と規定されています。
この利用規約によれば、上記の例の「レストランAで働いてたけど、厨房がめちゃくちゃ汚かった」というポストは、「不法行為または嫌がらせ」であるとして削除請求ができるものと思われます。
違法を理由として削除請求する場合の例

Xサービス利用規約の「不法行為または嫌がらせ等」については、名誉毀損(名誉権の侵害)を検討する必要があります。名誉毀損の成立要件は、以下の通りです。名誉毀損は、
- 公然と
- 事実を摘示し
- 人の名誉を毀損する
という3つの要件を満たしたときに成立します。
「B株式会社の面接でパワハラまがいの発言があった」というポストを投稿されてた場合であれば、記載は具体的な内容であり、求人の面接の場で、パワハラまがいの発言をする行為は法律上一定の規制を受けるものであり、そうした行為を行っている会社だと思われることは当該会社にとって不利益であるところ、当該会社は求人の面接において、パワハラまがいの発言をするようなことは行っていない という主張をすることになります。ただし、たとえ名誉毀損の要件を満たしたとしても、以下の条件を満たしている場合は、名誉毀損は成立しませんので、ご注意ください。
- 公共性がある
- 公益性がある
- 真実である又は真実相当性が認められる
上記の例だけでなく、その他の誹謗中傷ポストや風評被害ポストも同じように、名誉毀損に該当するかどうかを検討する必要があります。ただ、こうした主張や法的な議論に基づく削除交渉は、法律に詳しくないと難しい場合もあります。豊富な知識を持つ弁護士へ相談することにより、円滑に削除できるケースも多くあります。名誉毀損の成立要件については、下記記事にて詳細に解説しています。
仮処分による削除
Xのヘルプセンターから報告してもポストが削除されなかった場合は、裁判所を通じて削除を請求していくことになります。Xのポストは、訴訟手続だけではなく、仮処分という手続によって削除することができます。訴訟は、スムーズに進行してても3-12ヶ月程度かかることが多く、場合によっては1年以上かかってしまうこともあります。一方、仮処分は、風評被害に詳しい弁護士へ相談すれば、依頼から削除まで2-3ヶ月ほどでできるケースが多いです。仮処分の流れは、以下の通りです。
- 仮処分の申立て
- 審尋(口頭弁論のような手続)
- 担保金の納付
- 仮処分命令の発令
- 執行
仮処分の場合、法的な主張に加え、その主張を証拠立てるための証拠も必要になります。例えば、上記の「B株式会社の面接でパワハラまがいの発言があった」といったケースであれば、
- 面接時の面接官のメモ
- 求人の面接に関するマニュアル
などを証拠として提出し、「当該会社は、求人の面接の際にパワハラなどが起きないようマニュアルを制定しており、就職希望者に対してパワハラまがいの発言をするといった行為は行っていない」という主張を行います。ただ、こうした主張やその立証は、弁護士へ依頼せずに単独で行うのはなかなか難しい場合も多いでしょう。削除仮処分については、下記記事にて詳細に解説しています。
仮処分による投稿者の特定

根も葉もない誹謗中傷ポストや風評被害ポストが長い間、多数投稿されている場合は、弁護士に依頼して発信者情報開示請求を行うことができます。発信者情報開示請求とは、情報流通プラットフォーム対処法(旧:プロバイダ責任制限法)第5条に基づく手続です。この手続は、誹謗中傷ポストや風評被害ポストの投稿者のIPアドレス、氏名、住所などの個人情報の開示を請求するものです。 Xには、不法行為や嫌がらせを防止するための利用規約がありますが、特定の会社、サービスや個人に対して何らかの恨みがある人物が、根拠のないデマや誹謗中傷を投稿しているケースもないとは限りません。そういった場合には、投稿者のIPアドレスなどがわかれば、投稿者を特定できる場合があります。発信者特定の手続は、以下の通りです。
- コンテンツ・サービス・プロバイダへ情報開示請求
- 発信者情報開示の仮処分申請
- 経由プロバイダを特定
- 経由プロバイダへ発信者情報消去禁止の仮処分申請
- 発信者情報開示請求の訴訟
- 裁判所の判決に基づき、発信者を特定
上記の手続を経て、投稿者が判明した場合は、その投稿者に対して、投稿者の特定に要した弁護士費用や慰謝料を損害賠償請求することができます。発信者情報開示請求については、下記記事にて詳細に解説しています。
令和4年(2022年)から始まった発信者情報開示命令事件制度に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
Xは、たくさんの人々のポストを読むことができ、情報を集めることもできるとても便利なSNSですが、誤解や悪意などに基づく誹謗中傷ポストや風評被害ポストが投稿される場合もありえます。そのような悪質なポストに対しては、Xのヘルプセンターからの報告を行い、それでも削除されない場合には、裁判所を通しての削除請求や投稿者特定手続をした方がよい場合もあります。名誉毀損などの法的な主張は、弁護士へ依頼することにより円滑に進むケースも多数あります。誹謗中傷ポストや風評被害ポストでお悩みの場合は、豊富なノウハウを持つ弁護士に早めに相談することが大切であると言えるでしょう。
カテゴリー: 風評被害対策

































