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法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

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ウクライナの法律の全体像とその概要を弁護士が解説

欧州復興開発銀行(EBRD)の報告によると、ウクライナ経済は戦禍の圧力にもかかわらず、2024年には3.0%の成長を遂げたと推定されています。戦争の継続が経済成長の主要な足かせとなっているものの、ウクライナ経済は外部からの大規模な財政支援に加えて、国内ビジネスの驚くべき回復力と適応性、黒海貿易回廊の機能維持、そして公共消費刺激策や国内軍事調達の増加といった内部的な要因によって支えられています。特に、世界銀行の推計では、今後10年間で5,240億ドルという莫大な復興費用が見込まれており、これはインフラ、農業、鉱物資源、エネルギーといった多岐にわたる分野で、外国投資家にとって計り知れないビジネス機会の可能性を秘めています。

ウクライナの法制度は、日本と同様に大陸法系(ローマ・ゲルマン法系)の伝統に深く根差しており、成文法が主要な法源となっています。法律は公法、私法、国際法に大別され、民法、刑法、憲法、行政法などに細分化されています。特に、民法典(Civil Code of Ukraine)は、所有権、知的財産権、契約、債務、相続など、市民および法人の私的関係を包括的に規律する中核的な法律です。しかし、2025年8月28日に、これまで商業関係を規律してきた商法典(Commercial Code of Ukraine)が廃止され、民法典がビジネスおよび民事法関係の主要な法律となるという抜本的な改革が行われます。この法改正は、ウクライナがEUの法制度に一層近づくための戦略的な動きであり、今後の法改正の動向は、EU法との調和を強く意識して進められるものと思われます。

本記事では、ウクライナの法律の全体像とその概要について、弁護士が詳しく解説します。

ウクライナの法制度の全体像と日本法との比較

ウクライナの法体系の基礎

ウクライナの法制度は、日本と同様に大陸法(ローマ・ゲルマン法)の伝統に基づき、成文法を主要な法源としています。民法典(Civil Code of Ukraine)は、個人の非財産的権利および財産的権利(市民関係)を規律する基本的な規範的法律行為であり、所有権、知的財産権、契約、不法行為、債務、相続法、法人格の定義など、市民生活および企業活動の広範な側面をカバーしています。特に、ファクタリング、フランチャイズ、賃貸サービス、相続契約といった新しい種類のビジネス契約を法的に位置づけている点が特徴です。

特筆すべきは、2025年8月28日に2003年商法典が廃止され、民法典が事業および民事法関係を規制する主要な法律となるという抜本的な改革です。この改革は、長年にわたり民法典と商法典の間で存在した重複や矛盾を解消し、ウクライナ法を欧州法に一層整合させることを目的としています。これにより、これまで商法典で規定されていた契約法に関する規定も民法典に準拠することになります。

一部の契約類型(例:調達、エネルギー供給、商業代理店契約)は民法典に明示的に記載されていませんが、「契約の自由」の原則に基づいて締結可能となります。既にウクライナで既存の事業体を保有している場合、この移行期間(2028年8月28日まで)内に企業形態の見直しと再編が必須となります。特に、「外国企業」として設立された単一株主の会社はLLCへの転換が求められるため、早急な対応が必要となるでしょう。また、契約実務においては、これまで商法典に依存していた契約類型についても、民法典の枠組みで再構築を行うことが求められます。

民法と契約法の詳細

ウクライナの民法典は、個人の非財産的権利および財産的権利を規律する基本的な規範的法律行為であり、所有権、知的財産権、契約、不法行為、債務、相続法、法人格の定義など、市民生活および企業活動の広範な側面をカバーしています。特に、ファクタリング、フランチャイズ、賃貸サービス、相続契約といった新しい種類のビジネス契約を法的に位置づけている点が特徴です。

2025年8月28日の商法典の廃止により、民法典が事業および民事法関係を規制する主要な法律となります。これにより、これまで商法典で規定されていた契約法に関する規定も民法典に準拠することになります。これまで商法典で規定されていた契約法に関する規定の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 供給契約(調達契約): 商法典には、農業製品の契約に関する規定(商法典第713条)や、接続されたネットワークを通じたエネルギーその他の資源の供給契約に関する規定(商法典第714条)などが含まれていました。これらの契約は、商法典の廃止後、民法典の一般原則および「契約の自由」の原則に基づいて締結されることになります。
  • 商業代理店契約: 商法典第31章では、商業代理店契約が詳細に規定されていました。これには、契約の形式要件(書面による締結義務)、商業代理店の権限の範囲、報酬、契約期間、契約終了時の影響などが含まれていました。商法典の廃止後、これらの商業代理店契約も民法典の枠組みで規律されることになりますが、民法典にはこれらの契約類型が明示的に記載されていないため、「契約の自由」の原則がより重要になります。

ウクライナの民法は、日本と同様に「契約の自由」の原則を重視しており、当事者は民法典に明示的に規定されていない契約を、民法の一般原則に適合する限りにおいて締結する権利を有します。これにより、調達、エネルギー供給、商業代理店契約など、これまで商法典で扱われていた特定の契約類型も、民法典の枠組みで締結することが可能となります。

ウクライナにおける会社設立とコーポレートガバナンス

会社設立とコーポレートガバナンス

会社形態の選択肢と設立手続き

ウクライナ法では20以上の事業体組織形態が規定されていますが、中小企業の大部分は有限責任会社(LLC)として設立されています。LLCは、日本の合同会社(LLC)に近い形態で、その最高意思決定機関は参加者総会(GM)であり、会社のあらゆる事項について決定権を持ちます。配当の支払い、定款変更などはGMの専属的権限です。日常業務は執行機関(集合体または個別のCEO)が処理し、監査役会は任意で設置されます。合資会社(JSC)においても、GMが最高意思決定機関であり、定款変更、配当支払い、追加株式発行、役員選任などの重要事項について専属的権限を持ちます。

商法典廃止後の会社法改正と影響

前述の通り、2025年8月28日に2003年商法典が廃止され、民法典がビジネスおよび民事法関係を規制する主要な法律となります。この変更に伴い、既存の企業形態は、2028年8月28日までの3年間の移行期間内に、合資会社(JSC)または有限責任会社(LLC)などの現代的な企業形態に再編が義務付けられます。影響を受ける企業形態には、国有企業、市営企業、私企業、外国企業、子会社、市民団体企業、消費者協同組合企業が含まれます。特に、「私企業」(個人株主1名のみの会社)、「外国企業」(外国株主1名のみの会社)、「子会社」(法人株主1名のみの会社)はLLCに転換する必要があります。

ウクライナにおける海外資本からの投資

投資インセンティブと規制

ウクライナ政府は、外国投資を誘致するため、「多額の投資を伴う投資プロジェクトに対する国家支援に関する法律」(Law No. 1116-IX)を改正し、投資家が恩恵を享受するための要件を緩和しました。この法律に基づく支援を受けるには、投資額が1,200万ユーロを超え、プロジェクト実施期間が5年以内であり、最低50人の新規雇用を創出し、平均給与が地域平均より高いことなどの要件を満たす必要があります。国家支援の総額は、プロジェクト投資額の30%を超えない範囲で提供されます。支援形態には、投資プロジェクトのために輸入される設備に対する関税・VATの免除、5年間の法人所得税免除といった税制優遇措置が含まれます。また、国有または共同所有の土地の利用権(賃貸)や、プロジェクトに必要なインフラ(道路、通信、エネルギーラインなど)の建設または費用償還も提供されます。対象となる産業分野は、加工業(タバコ製品、アルコール飲料を除く)、バイオガス・バイオメタン生産、鉱物資源の採掘(石炭、原油、ガスを除く)、廃棄物管理、運輸、教育、医療、芸術、観光、通信など多岐にわたります。

投資契約はウクライナに登録された法人とのみ締結可能であり、外国投資家がプロジェクトを実施する場合は、100%所有の子会社をウクライナに設立する必要があります。また、ロシア連邦居住者やFATFのリストに掲載されている国、制裁対象、破産手続き中、オフショア地域に登録された法人、非営利団体、国有・市営企業(50%超の株式を国または地域社会が所有)は、本法律に基づく申請ができません。

不動産所有に関する規制

外国人、外国企業、外国政府は、農業用地の所有を禁止されています。このため、長期賃貸借契約(最長50年)の締結、ウクライナ登録会社を通じた権利取得(一定の制限あり)といった方法を代替手段として用いる必要があります。

非農業用地については、例外的に所有が認められる場合があります。例えば、都市や町の境界内にある土地で、買い手が既に建物を所有している場合や、建物の開発を計画している場合、または境界外の土地で、買い手が既に建物を所有している場合などがこれに該当します。市営または国有の非農業用地の購入には、それぞれウクライナ政府またはウクライナ議会の承認が必要です。

非居住者が不動産取引を行う際には、ウクライナの納税者識別番号(TIN)の取得が必須となります。売買契約は公証人によって認証され、所有権の移転は国家土地台帳および不動産登録簿に登録されます。

ウクライナの広告規制

不当表示・誤解を招く広告の禁止と罰則

ウクライナでは、その不正確さ、非真正性、曖昧さ、誇張、隠蔽、または配布の時間、場所、方法に関する要件の違反により、消費者を欺く、または欺く可能性があり、個人、国家、または社会に損害を与える広告が「不当広告」と定義され、禁止されています。例えば、科学的根拠のない健康上の効能を謳ったミネラルウォーターの広告が、不当表示として罰金を科された事例があります。不当広告に対する責任は、違反の規模や広告の種類に応じて、行政罰金、損害賠償を求める民事責任、詐欺の兆候がある場合の刑事責任、従業員に対する懲戒処分など、多岐にわたります。

ウクライナにおける不当広告の定義は広範であり、単なる不正確さだけでなく、曖昧さや情報の隠蔽も含まれるため、広告内容の作成には細心の注意が必要です。

医薬品・医療機器に関する広告規制

ウクライナでは、医薬品および医療機器の広告について厳格な規制が設けられています。一般消費者向けの広告は、処方箋なしで販売が許可されており、かつ広告禁止リストに含まれていない非処方箋薬(OTC医薬品)に限定されます。医療従事者に対しては、処方箋薬を含む医薬品に関する「情報提供」が、専門医学出版物やセミナー、会議などの専門医療イベントを通じて許可されています。

広告に禁止される内容には、治療効果の保証、病気や怪我の画像、病気への恐怖を煽る表現、自己診断や自己治療の推奨、最も安全・効果的といった比較表現、成功事例の言及、医療専門家や有名人の推薦、感謝状の引用などが含まれます。また、「自己治療は健康を損なう可能性があります」という警告表示を広告面積の少なくとも15%を占めるように表示することが義務付けられています。医師やその他の医療専門家、またはそれらに似た外見の人物の広告への参加は禁止されています。

2025年1月18日からは、医薬品の表示に関する新たな要件が施行されており、一次包装および二次包装において、プロモーション情報、ロゴ、商標、および製品の医療用途に直接関係のない主張が禁止されます。製造業者または販売承認取得者(MAH)以外の事業体(例えば、現地の代理店)の言及も包装上では禁止され、連絡先情報は患者向け添付文書にのみ記載が許可されます。これらの表示要件に違反した場合、保健省(MOH)は販売承認を一時停止でき、品質検査機関は市場での流通を停止する権限を持ちます。2025年1月18日以前に製造された製品は、有効期限まで商業化が可能ですが、それ以降に製造された製品は、新要件に完全に準拠する必要があります。

ウクライナにおけるAI関連法分野

ウクライナにおけるAI規制は、「AI開発国家戦略(2021-2030)」を通じて急速に進化しており、司法、軍事、民生部門にわたる包括的なAIガバナンスの枠組みを構築し、国際条約および欧州基準との整合を目指しています。ウクライナは2023年にAIロードマップを立ち上げ、2026年までに国内規制をEU基準に合わせることを目標としています。2023年11月のブレッチリー宣言への参加は、倫理的なAI開発、透明性、人権保護へのコミットメントを示しています。

2024年9月には、欧州評議会AI枠組条約が署名のために開放され、AIシステムのライフサイクル全体を通じて、人権、民主主義、法の支配と完全に整合しつつ、技術進歩とイノベーションを促進することを目指しています。この条約は、透明性、非差別、プライバシー保護、信頼性、安全性に関する強制的な基準を定めています。ウクライナにはまだ特定のAI法は存在しませんが、EUのAI法(2024年7月発行、2025年2月から初期義務、2026年には高リスクシステムに適用、2027年には完全施行)がモデルとなっており、関連する法案が現在整備中です。

ウクライナにおけるオープンソースソフトウェアに関連する法分野

ウクライナは、サイバーセキュリティの強化と技術的独立性の向上を目指し、オープンソースソフトウェア(OSS)の利用を推進しています。2025年7月18日付の法案(No. 13505)では、2030年までに「敵対的ソフトウェア」(特にロシア製)の使用を禁止することが提案されています。これは、2024年時点でウクライナ企業の70%以上がロシアのソフトウェアを使用しており、データ漏洩やサイバー攻撃のリスクがあるという背景に基づいています。この法案は、公共部門、セキュリティ・防衛部門、重要インフラの所有者・運用者における「敵対的」および偽装ソフトウェアの購入、サポート、使用の全面的な禁止を目的としています。

ウクライナの個人情報保護法

個人情報保護法

ウクライナの個人情報保護は、主に2010年6月1日付「個人データ保護法」(PDP法)によって規律されています。この法律は、個人データの収集、処理、利用に関する一般的な要件と義務を定め、個人の基本的な権利と自由、特に私生活への干渉を受けない権利を保護することを目的としています。PDP法は、自動化された手段による処理だけでなく、ファイルフォルダに保存されている、または保存される予定の個人データの非自動化された処理にも適用されます。

ウクライナは、1981年の欧州評議会「個人データの自動処理に関する個人の保護のための条約」(Convention 108)およびその追加議定書を批准しており、2014年のEU・ウクライナ連合協定では、最高の欧州および国際基準に準拠した適切な個人データ保護レベルを確保することに合意しています。2022年10月25日には、GDPR(一般データ保護規則)およびConvention 108+との整合を目指す新たな法案(No. 8153)が提出され、2024年11月20日にはその基礎が採択されました。戦争の影響でGDPRの完全な施行はまだですが、ウクライナのビジネスコミュニティは積極的にGDPR準拠の慣行を導入しています。PDP法は、「個人データ」、「データ所有者」、「データ処理者」、「同意」、「処理」、「機微なデータ」(人種的または民族的出身、政治的または宗教的信条、健康など)といった用語を定義しています。ウクライナの個人情報保護法制は、GDPRとの整合性を強く推進しており、データ処理慣行において、企業がEU圏で事業を行う際と同様の高度な基準を求められることになります。

ウクライナの税法

ウクライナの税制は、「ウクライナ税法典」(Tax Code of Ukraine)が主要な法的文書として機能しています。主要な税金には、法人所得税(CIT)、付加価値税(VAT)、個人所得税(PIT)、統一社会貢献税(USC)、一時的な「軍事税」などがあります。すべての納税者は、ウクライナ国家税務庁(STS)に登録し、納税者識別番号(ID)を取得する必要があります。

  • 法人所得税(CIT): 標準税率は18%です。居住企業は全世界所得に対して課税され、非居住企業はウクライナ源泉所得に対して課税されます(恒久的施設(PE)を通じて)。金融機関(保険会社を除く)には2025年1月1日から25%の特別税率が適用され、2024年の銀行の利益には50%の税率が適用されます。保険活動には0%と3%の特別CITが、ギャンブル活動には10%から30%の特別CITが適用されます。非居住者への受動的所得(利子、配当、ロイヤルティなど)の支払いには、租税条約(DTT)による軽減税率が適用されない限り、15%の源泉徴収税(WHT)が課されます。ウクライナは71のDTTを発効しており、多国間条約(MLI)も批准しています。
  • 付加価値税(VAT): 税率は20%、14%、7%、0%の4段階です。一般取引には20%が適用され、医薬品や特定の医療品には7%、一部の農産物には14%が適用されます。輸出、再輸出、国際輸送、委託加工サービスなどには0%が適用されます。2022年1月1日からは、非居住者によるウクライナの消費者向けB2Cデジタルサービスにも20%のVATが課税されます。課税対象取引額が過去12ヶ月間で100万UAHを超えると、VAT納税者としての登録が義務付けられます。
  • 個人所得税(PIT): 給与所得、海外所得、その他の所得には標準税率18%が適用されます。居住企業からの配当には5%、非居住者や投資信託からの配当には9%の税率が適用されます。一時的な「軍事税」として、2024年12月31日までは1.5%、2025年1月1日からは海外所得に対して5%が課されます。海外で支払われた税金は、ウクライナでの税務上の負債に充当することが可能です。
  • 労働関連税: 個人所得税18%、統一社会貢献税(USC)は総給与の22%(上限あり)、軍事税1.5%が課されます。

ウクライナの税制は多層的であり、特にセクターごとの特別税率や軍事税の存在が特徴です。

ウクライナの労働法

ウクライナの労働法は、1971年に制定されたソ連時代の「ウクライナ労働法典」(Labor Code of Ukraine)が基礎となっており、その後一部改正が行われているものの、全体的に旧態依然としているとされています。この法典は、労働者を「弱い立場にある当事者」として保護するという考え方に基づいており、雇用関係において労働者保護が手厚い傾向があります。ウクライナ憲法第43条で保障されている労働の権利を発展させ、最低賃金を下回らない報酬での雇用、職業選択の自由などを保障しています。

雇用契約の主な種類は、期間の定めのない契約と有期契約です。非居住者や未成年者など、特定のケースでは書面による契約が義務付けられています。雇用契約には、当事者の特定、職務内容、開始日、勤務地、報酬、労働時間、休憩期間、契約期間などの必須条項が含まれます。試用期間は、一般的に最大3ヶ月、管理職や専門職では最大6ヶ月ですが、未成年者、妊婦、幼い子供を持つ母親など、特定の従業員には設定できません。

ウクライナで許認可が必要なビジネスと各許認可の概要

許認可制度の概要

ウクライナでは、2022年8月に更新された「事業活動のライセンスに関する法律」(Law On Licensing of Types of Business Activities)に基づき、34種類の事業活動にライセンスが義務付けられています。許認可制度の主な特徴は、法律による明確な規制、事業および申請者に対する一般的および特別な要件の存在、そして手続きに対する行政手数料の徴収です。国境管理には、疾病の蔓延を防ぎ、衛生基準への適合を保証するための衛生・疫学管理、および動物の疾病の蔓延を防ぐための獣医・衛生管理の2種類があります。

主要な許認可が必要なビジネスの例

許認可が必要な主要なビジネス活動の例としては、以下が挙げられます。

  • 銀行業務、資本市場における金融サービス(通貨取引を含む)
  • 建設およびその他の不動産活動
  • ヘルスケアおよび獣医学分野の事業(医薬品の製造・販売、獣医薬、検査、献血処理、医療行為など)
  • 産業および化学製品の製造(爆発物、化学薬品、有害廃棄物管理など)
  • アルコールおよびタバコ製品の製造・販売
  • ギャンブルおよび宝くじの運営
  • 旅客、危険物、有害廃棄物の河川、海路、道路、鉄道、空路による輸送、国際道路輸送
  • 警備活動
  • ツアーオペレーター活動
  • 海外での雇用仲介
  • テレビおよびラジオ放送
  • 家庭廃棄物のリサイクルおよび処分
  • 電力生産・供給、天然ガス供給、熱エネルギー生産・輸送
  • 農薬および農薬化学品
  • 大麻栽培

ウクライナの許認可制度は広範な事業分野をカバーしており、特に規制の厳しい分野では詳細な要件が課されます。日本企業がウクライナで事業を展開する際には、計画しているビジネス活動が許認可の対象となるか、どのような要件を満たす必要があるかを事前に詳細に調査することが必要です。

まとめ

ウクライナは、現在進行中の困難にもかかわらず、その経済の回復力と欧州統合への強い意欲を示しており、日本企業にとって新たなビジネス機会が広がる可能性を秘めています。特に、2025年8月28日に商法典が廃止され、民法典がビジネス法関係の主要な法律となるという抜本的な法改正は、ウクライナの法制度がEU基準に一層整合していく明確な方向性を示しています。これにより、既存の企業形態の再編や契約実務の見直しが求められる一方で、より統一的で現代的な法体系への移行は、長期的なビジネスの予見可能性を高めることにもつながります。

関連取扱分野:国際法務・海外事業

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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