【速報】個人情報保護委員会が「破産者マップ」運営者に停止命令
2022年11月2日、個人情報保護委員会は、「破産者マップ」運営者に対して、多数の破産者の個人データを違法に公開しているとして停止命令を出しました。
この記事の目次
破産者マップとは
「破産者マップ」とは、多数の破産者等の氏名・住所などの個人情報をGoogleマップ上にプロットして公開されているものです。2022年6月に注目を集めた「新破産者マップ」と呼ばれる当該破産者マップでは、2009年~2019年に官報に掲載された破産者情報が掲載されているそうです。
掲載された情報の削除には、日本円で60,000〜120,000円相当のビットコインによる支払が要求されています。
当該サイトに対しては、2022年7月には個人情報保護委員会から停止勧告が出されていましたが、運営者はこの勧告に従わず、今回の停止命令の発出となりました。
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個人情報保護委員会が停止命令を発出した理由
個人情報保護委員会は、停止命令の理由として以下の点を挙げています。
- 当該個人に対する財産的・人格的差別が誘発されるおそれがある(個人情報保護法第19条違反)
- 当該個人情報の取得後速やかにその利用目的が本人に通知されまたは公表されていない(同第21条第1項違反)
- インターネット上に個人データが不特定多数の者から閲覧可能な状態におかれていて、あらかじめ本人の同意を得ないで個人データが第三者に提供されている(同第27条第1項違反)
また、これらの破産者等の個人情報が、不特定多数に容易に閲覧できる方法で継続的に提供されていることから、「多数の破産者等が人格的・差別的な取扱いを受けるおそれがあることなどから、個人の重大な権利利益の侵害が切迫していると認められる。」という点も理由として挙げられています。
まとめ
このWebサイトは海外にサーバーのあるサービスを使っていて、運営者は特定できていません。そのため、7月の勧告と同様に今回の命令は、書面が届いたとみなす「公示送達」により行われています。
個人情報保護委員会によれば、運営者が命令に従わずに違法な公開を続ける場合は、刑事告発の手続きを行うとのことです。
個人情報保護委員会|破産者等の個人情報を違法に取り扱っている事業者に対する個人情報の保護に関する法律に基づく行政上の対応について(令和4年11月2日)
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