モンゴルの会社形態と機関設計を弁護士が解説

グローバル化が加速する現代のビジネス社会において豊富な天然資源と地政学的な優位性を持つモンゴル国(以下、モンゴル)は中長期的な直接投資の対象として多くの日本企業から注目を集めています。しかしながら新興市場特有の法制度の頻繁な改正や政治的および行政的な変動リスクを軽視することは企業の存続を揺るがす重大な法的・社会的リスクに直結します。モンゴルにおけるビジネス展開を成功させるためには同国の会社法(Company Law of Mongolia)や投資法(Investment Law)に基づく正確な会社形態の選択と強固な機関設計によるコーポレートガバナンスの構築が不可欠です。本記事ではモンゴルにおける主要な会社形態と機関設計の実務的対応策について最新の法改正動向や重要判例を交えて徹底解説します。
本記事全体の要点としてまず第一に、外国投資家が最も利用する「有限責任会社(LLC)」は日本の合同会社とは異なり非公開の株式会社に近い性質を持ち所有と経営の分離が柔軟に設計できる点に特徴があります。
第二に、外国投資企業にはこれまで投資家1人あたり10万米ドルという厳格な最低資本金要件が課されていましたが2025年から2026年にかけて議論されている投資法改正案によってこの一律の要件が撤廃され分野ごとの個別要件へと移行する新たな実務対応が求められています。
第三に、モンゴルの会社法は取締役や経営陣に対して極めて厳格なフィデューシャリー・デューティ(忠実義務および善管注意義務)を課しており違法行為や任務懈怠があった場合には個人の財産をもって会社に損害を賠償する責任を負うばかりか親会社までもが連帯責任を問われるリスクを含んでいるためコンプライアンス体制の構築が急務です。
第四に、最高裁判所や税務審議会における最新の判例からは行政による恣意的な介入に対して司法が投資家の権利を保護する機能が働いているということが言えるでしょう。これらの最新情報と法的リスクを踏まえ日本企業が実務上押さえるべきポイントを詳細に紐解いていきます。
この記事の目次
モンゴルにおける主要な会社形態と日本法との比較
モンゴルにおける企業の設立および運営は主に2011年に全面改正されたモンゴル国会社法(Company Law of Mongolia)に基づいて規定されています。同法はコーポレートガバナンスの基準を先進国の水準に引き上げることを目的として施行され企業形態や経営陣の責任について厳格な枠組みを提供しています。モンゴルにおける営利法人の主な形態には「有限責任会社」と「株式会社」が存在しそれぞれの目的に応じた適切な選択が求められます。
外国投資家に最も一般的に利用される有限責任会社(LLC)
モンゴルに進出する外国企業の圧倒的多数が採用する形態が有限責任会社(Limited Liability Company:モンゴル語略称XXK)です。有限責任会社は1名以上の個人または法人によって設立することが可能であり株主はその出資額の範囲内でのみ責任を負うという有限責任の原則が貫かれています。日本企業が留意すべき重要なポイントはモンゴルの有限責任会社と日本の会社法における合同会社(GK)との法的な性質の決定的な違いです。
日本の合同会社は出資者(社員)が自ら業務を執行する「所有と経営の一致」を前提とした持分会社であり定款自治の自由度が極めて高い反面で外部からの資金調達や経営陣の分離には不向きな側面があります。一方でモンゴルの有限責任会社は株主総会を最高意思決定機関としつつ必要に応じて取締役会を設置して業務執行を委任することが可能であり日本の「非公開の株式会社(取締役会設置会社または非設置会社)」に極めて近い構造を有しています。つまりモンゴルの有限責任会社では「所有と経営の分離」を明確に制度化することが可能であり現地に業務執行取締役(エグゼクティブ・マネジメント)を配置し日本の親会社が株主としてガバナンスを効かせるという実務対応が一般的かつ容易に行える設計となっています。
大規模事業や株式公開に向けた株式会社(JSC)
もう一つの形態が株式会社(Joint Stock Company:モンゴル語略称XK)です。株式会社は株式を広く公開し一般から資本を調達することを目的とした公開会社でありモンゴル証券取引所(MSE)等での上場を視野に入れた大規模な事業に向いています。有限責任会社と比較して株式会社には極めて厳格な機関設計と情報開示義務が課されます。
| 比較項目 | 有限責任会社(LLC / XXK) | 株式会社(JSC / XK) |
| 主な利用目的 | 外国企業の現地法人、閉鎖的な合弁事業 | 上場企業、大規模な公開資金調達 |
| 取締役会(BoD) | 設置は任意(定款で規定した場合のみ設置) | 設置が法的に義務付けられる |
| 取締役の構成 | 法定の最低人数要件や独立役員の要件は原則なし | 最低9名の取締役が必要でありそのうち3分の1以上は独立取締役でなければならない |
| 監査・報酬委員会等 | 設置義務なし(定款による自由設計) | 監査委員会、指名委員会、報酬委員会の設置が必須であり委員の独立性要件も厳格 |
日本企業が単独で子会社を設立する場合や特定の現地パートナーと合弁会社を設立する場合はガバナンスの柔軟性と維持コストの観点から有限責任会社を選択することが実務上の最適解となります。
市場調査に特化した駐在員事務所(Representative Office)
本格的な事業展開の前段階としてモンゴルの市場調査や連絡調整のみを行う場合は駐在員事務所を設置する選択肢があります。ただし駐在員事務所はモンゴル国内で利益を伴う営業活動(販売活動や独自の契約主体となること)を行うことが法的に禁止されています。現地の顧客との契約行為はすべて日本の親会社名義で行う必要があり恒久的施設(PE)認定による税務リスクを回避するためにも事業拡大のフェーズに入った際には速やかに有限責任会社の新規設立手続きへと移行することが実務上強く求められます。
モンゴルの外国投資規制と会社設立における重要実務ポイント

外国投資家がモンゴルで法人を設立する際会社法と並んで極めて重要な法規制が「投資法(Investment Law)」です。2013年に制定された投資法は外国投資家に対して内国民待遇を保障し財産の不法な収用からの保護や利益の海外送金の自由を定めています。しかしこの法制下における実務上の障壁と最新の法改正動向について正確に把握しておく必要があります。
従来の10万米ドル最低資本金ルールの枠組み
投資法上の「外国投資企業(Business Entity with Foreign Investment:BEFI)」とは外国投資家が発行済株式総数の25%以上を保有する法人を指します。従来の実務において最大のハードルとなっていたのがこの外国投資企業を設立する際外国投資家1人あたり最低10万米ドル(またはその相当額のモンゴルトグルグ)を出資しなければならないという厳格な最低資本金要件でした。モンゴルの国内投資家にはこのような最低資本金要件が存在しないためこの制度は外資に対する明確な差別的要件として国際的なビジネスコミュニティから再三にわたり改善が求められていました。
2025年・2026年投資法改正による規制の歴史的転換点
このような投資家の声を受けモンゴル政府は外国直接投資(FDI)を促進し経済の多角化を図るため投資法の抜本的な見直しに着手しました。2025年に公表され2026年に向けて議論が進む「外国投資法(Law on Foreign Investment)」の改正案ではこれまでの実務を根本から覆す重大な変更が提案されています。この改正案により業種を問わず一律に適用されていた「10万米ドルの最低資本金要件」が撤廃されることとなりました。
しかしながらこれは完全な規制の撤廃を意味するものではありません。法改正案では一律の基準を廃止する代わりに政府(内閣)が特定の分野やセクターごとに異なる最低投資基準を独自に設定する権限を付与される枠組みへと移行します。また外国投資家および外国投資企業に対し政府当局が定める要件に従って投資関連情報を報告し登録する新たなコンプライアンス義務が導入されました。この法改正により日本企業は自社が進出する特定の産業分野に対してどのような資本金要件が新たに設定されているかを事前に入念に調査しコンプライアンス要件に適合する実務対応を講じる必要があります。
また国家安全保障上の観点から外国の国家機関が50%以上の権益を直接的または間接的に保有する「外国国有法人(SOE)」が鉱業、銀行・金融、メディア・通信といった戦略的セクターの企業の株式を33%以上取得する場合には、引き続き経済開発省(Ministry of Economy and Development)等からの事前承認が必須となります。
法人設立登記とポスト登録のコンプライアンス実務
モンゴルでの法人設立手続きはデジタル化の推進により制度上は簡素化されつつありますが外資系企業にとっては依然として煩雑な実務手続きが伴います。すべての国内外の企業は国家登録庁(General Authority for State Registration:GASR)の傘下にある法人登録機関(Legal Entities Registration Office:LERO)に登録する必要があります。
設立の実務プロセスにおいてはまずGASRにて独自の会社名を確認し予約します。社名の末尾には有限責任会社の場合は「XXK」株式会社の場合は「XK」を付記することが法的に義務付けられています。続いて会社設立申請書(UB-03フォーム)株主による設立決議書や定款(Charter)住所を証明する賃貸借契約書などの各種書類を提出します。定款などの主要な法的文書はモンゴル語での作成が必須要件となります。また日本の親会社の登記簿謄本や代表者の委任状など日本で作成された公文書を提出する場合ハーグ条約に基づくアポスティーユ(Apostille)認証を取得する手続きが不可欠です。
法令上の審査期間は10営業日とされていますがオンラインシステムが外国企業に対して完全に機能していないケースや現場の審査官の裁量によって追加の書類が要求されることも多く書類の準備や翻訳公証作業を含めると設立完了までに実務上は約1ヶ月の期間を見込む必要があります。法人登記が完了した後は14日以内に管轄の税務署および社会保険局への登録が法的に義務付けられておりこれらの手続きを怠った場合重い罰金や事業ライセンスの申請却下といった深刻な事態を招くことになります。
モンゴル企業の機関設計とコーポレートガバナンスの構造
モンゴルにおける会社機関の設計は所有(株主)と経営(取締役・執行部)を分離する近代的なガバナンスモデルを採用しており透明性と説明責任を確保するための規定が詳細に整備されています。
会社の最高意思決定機関としての株主総会(Shareholders’ Meeting)
会社の最高意思決定機関は株主総会です。会社法第59条等に基づき事業の基本方針の決定、定款の変更、取締役や執行機関の選任および解任、重大な取引(Major Transactions)や利益相反取引(Conflict of Interest Transactions)の承認など会社の根幹に関わる事項は株主総会の専権事項とされています。株主総会の定足数は議決権を行使できる株式の50%を超える株式を保有する株主が出席することによって満たされますが定款でより高い要件を設定することも可能です。
実務上特筆すべきは株主総会の運営において「集計委員会(Tabulation Commission)」という機関が重要な役割を果たす点です。会社法第67条および第68条に基づき特に株式会社においては取締役会によって任命された集計委員会が定足数の確認や議決権の算定および投票結果の記録を厳格に行い委員長はその正確性に対して個人的な責任を負います。なお単独の株主によって設立された有限責任会社においては当該株主が株主総会の全権限を単独で行使することが認められています。
監督機能を担う取締役会(Board of Directors:BoD)
取締役会は株主総会から次回の株主総会までの期間における会社の監督および統治機関です。前述の通り株式会社においては設置が必須ですが有限責任会社においては定款に定めがない限り設置は任意とされています。日本企業が現地法人(LLC)を設立する際迅速な意思決定を重視する場合は取締役会を非設置とし株主(日本の親会社)が直接的に経営陣を監督・任免する設計が採用されることが多くあります。
取締役会を設置した場合経営陣(エグゼクティブ・マネジメント)の選任および報酬の決定、事業計画の承認、支店や駐在員事務所の設置決定など日常業務の監督に関する幅広い権限を持ちます。大規模な株式会社においては会社法第81条に基づき監査委員会、指名委員会、報酬委員会の設置が義務付けられておりこれらの委員会のメンバーの3分の2以上は独立取締役で構成されなければならないという極めて厳格なガバナンス基準が適用されます。
業務執行を担うエグゼクティブ・マネジメント
日々の業務執行は取締役会(取締役会が非設置の場合は株主総会)によって任命された業務執行機関が行います。会社法第83条に基づき業務執行機関は1名の「代表取締役(Executive Director / CEO)」による単独制または複数のメンバーからなる「合議制執行機関(Collegial Executive Body)」のいずれかの形態をとることができます。
代表取締役は委任状なしに会社を代表し契約の締結や取引を実行する権限を有します。外国人や非居住者を代表取締役に任命することは法令上可能ですが各種許認可の申請や銀行口座の開設あるいは日常的な税務申告等の手続きにおいて現地での居住要件や適切な就労ビザの取得が実務上不可欠となるケースが多く現地事情に精通した信頼できる役員の配置が求められます。
モンゴル経営陣の厳格な法的責任と企業の存続を揺るがすリスク

モンゴルの会社法において日本企業が最も深い注意を払うべきポイントは「支配当事者(Governing Persons)」に対して課される極めて重い個人的な法的責任の体系です。会社法を軽視した杜撰な経営管理は現地の経営陣のみならず日本の親会社をも巻き込む重大な法的・社会的リスクに直結します。
取締役および執行部のフィデューシャリー・デューティ(忠実・善管注意義務)
会社法第84条は取締役会のメンバー、代表取締役、最高財務責任者(CFO)、総勘定元帳担当者などの経営幹部を「支配当事者(Governing Persons)」と定義し彼らに対して会社に対する厳格な忠実義務と善管注意義務を課しています。具体的には自らの利益よりも会社の利益を優先して誠実に行動する義務、利益相反を完全に回避する義務、職務に関連して不当な贈物や報酬を受け取らない義務、そして会社の機密情報を漏洩あるいは私用しない義務が含まれます。
これらの義務に違反した場合会社法第84条6項の規定により支配当事者は会社に対して生じた損害を「自らの個人の財産をもって(by its personal property)」全額賠償する責任を負います。日本の会社法においても役員の第三者に対する損害賠償責任(第429条)等が存在しますがモンゴル法における個人財産への直接的な責任追及の文言は極めて直接的かつ強力であり不適切な意思決定や法令違反が個人の破産に直結するリスクを含んでいます。さらに株主はこれらの義務違反による損害賠償を求める訴えを直接提起する権利を有しています。
支配株主および親会社に波及する連帯責任(法人格否認の法理の法定化)
さらに日本企業にとって最も警戒すべき条項が支配株主や親会社の直接責任を定めた規定です。会社法第9条4項によれば会社の発行済株式の10%以上を保有する株主またはその他会社の経営を支配する権限を持つ者はその「過失ある行為(faulty actions)」によって会社に損失をもたらした場合自己の資産の範囲内で損害を賠償する責任を負わなければならないと規定されています。
加えて親会社と子会社の関係において親会社の意思決定に起因して子会社が支払不能(倒産)に陥った場合会社法第6条6項の規定により親会社はその債務に対して「連帯して責任を負う(jointly responsible)」と明記されています。また子会社の株主は親会社の決定によって子会社が被った損失の賠償を求めて裁判所に提訴することが可能です。
これは実質的に有限責任の原則の例外として機能するものであり日本における「法人格否認の法理」が明文で法定化されより緩やかな要件で適用され得ることを意味します。したがって日本からモンゴルの子会社に対して経営指導を行う際やグループ内での資金移動を行う際には子会社の独立した利益を不当に侵害しないよう利益相反取引の承認プロセス等を厳格に遵守するガバナンス体制と記録の保持が絶対的に必要です。
モンゴルの司法判断から読み解く株主間紛争とガバナンス
モンゴルの法務リスクを評価する上で司法が行政の裁量権の濫用や企業間の紛争に対してどのような判断を下しているかを理解することは極めて重要です。近年の法動向や歴史的な重要判例を分析することでモンゴルの司法システムが外資系企業に与える影響の現実が浮き彫りになります。
政府による違法な株式収用を覆した最高裁判決(2017年)
モンゴルにおける私有財産の保護と司法の独立性を示す象徴的な判例としてMongolian Copper Corporation(MCC)とモンゴル政府間の紛争に関するモンゴル最高裁判所の判決(2017年12月7日)が挙げられます。この事件は民間企業であるMCCがロシアの国営企業から正当に取得したエルデネト鉱業(Erdenet Mining Corporation)の株式49%に対してモンゴル議会と政府が一方的に国有化を決議し国家資産政策調整庁を通じて強制的に株式を移転させたことに端を発します。これに対しMCCは行政手続の違法性と会社法に基づく財産権の侵害を訴えて民事裁判所に提訴しました。
一審および控訴審を経てモンゴル最高裁判所はMCCの主張を全面的に支持し政府による株式の強制的な移転決定を違法として無効化しMCCを49%の正当な株主として復権させる画期的な判決を下しました。この判決に関する公式なプレスリリースはMCCの公式ウェブサイトで確認することができます。
参考:Mongolian Copper Corporationの公式ウェブサイト
この判決から政治的な圧力が極めて強い国家的な資源権益に関する案件であってもモンゴルの最高裁判所は会社法および民法に基づく正当な所有権を保護し行政府の裁量権の逸脱を是正する自浄作用を有しているということが言えるでしょう。
競争法違反(垂直的カルテル)に関する最高裁判決(2020年)
コーポレートガバナンスと市場競争に関連してモンゴル最高裁判所は2020年2月19日に競争法(Law on Competition)に基づくカルテルの定義に関して企業に厳格なコンプライアンスを求める重要な判断を下しています。
製造業者である「M LLC」が小売業者やスーパーマーケットに対して最終消費者向けの統一小売価格を設定する契約を結んだことについて公正取引・消費者保護庁(AFCCP)はこれを違法な価格カルテルと認定し前年の売上高の6%に相当する約12億MNTという巨額の制裁金を科しました。M LLCはこれを不服として行政裁判所に提訴し第一審ではM LLCの主張が認められましたが上訴審および最高裁判所はAFCCPの判断を支持しM LLCの行為が競争法に違反する垂直的カルテルを形成していると結論付けました。この判例に関する解説は各種専門機関のウェブサイト等で確認することができます。
この判例からモンゴル国内での事業展開においては販売代理店契約の構築や価格設定の方針において競争法上の要件を厳格に遵守するガバナンス体制が不可欠であるということが言えるでしょう。
税務当局の恣意的な巨額課税を退けた税務審議会の決定(2026年)
直近の事例として外国投資家の権利保護を示す2026年の注目すべき決定があります。カナダの鉱業会社Silver Elephant Mining Corp.の子会社であるRedhill Mongolian LLCに対する税務紛争においてモンゴル税務審議会(Mongolian Tax Tribunal)は2026年1月23日税務当局による巨額の追徴課税を取り消す決定を下しました。
モンゴルの税務当局は2024年9月同社の2021年におけるグループ内再編を理由として法人所得税や付加価値税罰金を含めて総額638億MNT(約2460万カナダドル)という莫大な追加評価を発行していました。これに対して税務審議会は多数決によりRedhill側の主張を支持し当局の不当な評価を全面的に却下しました。この決定に関する公式なプレスリリースは同社の公式ウェブサイトで確認することができます。
参考:Silver Elephant Mining Corp.の公式ウェブサイト
以上の司法および準司法機関の判断からモンゴルにおいて事業活動を行う上で行政機関による恣意的な法的解釈や不当な課税リスクに直面する可能性は否定できないものの会社法や投資法といった法令に基づく適正な手続きと強力な法務・コンプライアンス体制を社内に構築し必要に応じて司法手続きを適切に活用することで外資系企業であっても正当な権利を守り抜くことが十分に可能であるということが言えるでしょう。
まとめ
モンゴルでのビジネス展開は急速な経済成長の恩恵を享受できる大きなポテンシャルを秘めている一方で法制度の頻繁なアップデートや行政当局の裁量リスクが混在する複雑な環境にあります。自社の事業規模や目的に合わせて有限責任会社(LLC)等の適切な会社形態を選択し2026年に向けた投資法改正案などの最新の規制動向を常にキャッチアップすることが不可欠です。また会社法が定める取締役等の厳格なフィデューシャリー・デューティや親会社にまで波及し得る連帯責任のリスクを正しく認識し適法かつ強固なコーポレートガバナンス体制を社内に実装しなければなりません。
こうした複雑な海外進出に伴う法的課題やリスクマネジメントの内容についてモノリス法律事務所がサポートいたします。法令の表面的な文言のみならず背後にある実務的な運用や司法の判断傾向を深く理解した法務戦略を構築することがモンゴル市場における持続可能で安全な企業成長の確固たる基盤となるはずです。
カテゴリー: IT・ベンチャーの企業法務

































