キャリコネのネガティブな口コミを削除したい時の方法
キャリコネとは、転職や就職に役立つ情報サイトです。企業名を検索して、その会社の評判や口コミをチェックすることができます。その中には、企業の評判を落とすようなネガティブな口コミが投稿されることもあります。
本記事では、キャリコネにネガティブな口コミが投稿されている場合に、その口コミを削除する方法について解説します。
この記事の目次
キャリコネとは
キャリコネは、株式会社グローバルウェイが運営する就職・転職に関する情報サイトで、登録企業は62万社以上にのぼります(2020年9月現在)。ユーザーは、無料で会員登録をして、キャリア情報を入力するか口コミを投稿することにより、口コミを閲覧することができるようになります。
ネガティブな口コミの例
キャリコネに投稿されるネガティブな口コミの具体例です。
- A課長のパワハラにより、退職に追い込まれた。部長に伝えたが、何の対応もしてもらえなかった。Aは異常な人格で、他にも何人かやめさせている
- 面接で「こんな経歴でよく受けようと思ったな。出ていけ」などと大声で罵倒されました。
こうした口コミは、企業の評判を落とし、転職希望者数が減るなどの被害をもたらす可能性があります。被害が拡大する前に削除依頼を検討することが大切です。
利用規約に基づく削除対象口コミ
キャリコネの利用規約によれば、以下は禁止事項とされています。
キャリコネIDラウンジ 企業に関するアンケートの利用規約
https://id.careerconnection.jp/rules/survey/index.html#anchor_3
「A課長のパワハラにより、退職に追い込まれた。部長に伝えたが、何の対応もしてもらえなかった。Aは異常な人格で、他にも何人もやめさせている」という口コミは、利用規約第3条「他人の著作権、名誉、プライバシーその他の権利を侵害する或いはそのおそれのある内容の投稿その他の行為」に該当するものと思われます。ただ、「ユーザー投稿コンテンツに関するガイドライン」によれば、企業からの投稿削除依頼は、情報が正確でないと証明されない限りは対応していないとのことですので、情報が不正確であることを証明できなければ削除されない可能性もあります。
ユーザー投稿コンテンツに関するガイドライン
https://careerconnection.jp/src/about_cc_credibility.html
利用規約に基づく削除依頼
口コミが利用規約に違反すると考えられる場合は、以下の削除依頼フォームに社名や電話番号、担当者の氏名や削除依頼理由などを記載して削除依頼を行うことができます。運営会社が利用規約に違反していることを確認できる理由・根拠の説明、資料の提出が必要です。それらをもとに運営会社が利用規約に違反していると判断した場合にのみ、口コミが削除されます。
削除依頼フォーム
https://careerconnection.jp/src/reviewDel.html
違法を理由とした削除請求
削除依頼フォームから削除依頼をしても口コミが削除されなかった場合は、その口コミが違法である旨を主張して、裁判所を通して削除請求を行います。違法を主張する場合は、その口コミが名誉毀損やプライバシーの侵害に該当すると主張するケースが多いです。
名誉毀損の成立要件は、以下の通りです。
- 公然と
- 事実を摘示し
- 人の名誉を毀損する
たとえば、「面接で『こんな経歴でよく受けようと思ったな。出ていけ』などと大声で罵倒されました。」という口コミを書き込まれたケースで、そうした事実がなかったならば、名誉毀損にあたると認められる可能性が高いでしょう。
一方、実際にその事実があれば、名誉毀損と認められない可能性があります。その口コミにより、個人や企業の名誉が毀損された場合でも、その事実を公にすることに公共の利益がある場合は違法性があるとは認められないのです。名誉毀損の詳細については、下記記事をご参照ください。
仮処分による削除請求手続
裁判所を通じて削除請求する場合、民事保全法に基づく仮処分という手続により行うことが可能です。正式な裁判は長期化することもありますが、仮処分は1-2ヶ月程度で結果が出ます。この手続を弁護士へ依頼した場合、弁護士費用の相場は、
着手金が20万円程度、成果報酬金が15万円程度
と言われています。
なお、口コミの削除と投稿者のIPアドレスの開示を同時に請求する場合は、
着手金が30万円程度、成果報酬金が30万円程度
と言われています。これらの金額はあくまでも相場であるため、口コミの内容や量によって費用は変わるでしょう。
削除請求が認められるためには、その口コミの違法性を証明する必要があります。弁護士へ依頼せずに、違法性を主張したり、その証拠を集めたりするのはかなり難しいです。キャリコネにネガティブな口コミが書き込まれている場合は、弁護士へ相談するのがおすすめです。削除仮処分の詳細は以下の記事をご参照ください。
投稿者の特定
口コミにより大きな被害を被った場合などは、口コミの投稿者を特定することもできます。キャリコネは、会員登録の際に名前や郵便番号を入力する必要がありますが、悪質な投稿者が実名を登録しているとは限りません。
裁判所を通じて投稿者の住所氏名を手に入れることができれば、手続に要した弁護士費用などを損害賠償請求することもできるようになります。
なお、口コミを書いた相手の特定については下記記事にて詳細に解説しています。
まとめ
キャリコネにネガティブな口コミが投稿されている場合、削除依頼フォームから削除依頼をすることができます。
ただ、投稿を削除するかどうかは運営会社の判断になるので、削除依頼をしても削除してもらえない可能性もあります。その場合は、裁判手続を通じて削除請求を行わなければなりません。
口コミの削除手続は、簡単な手続ではありません。キャリコネにネガティブな口コミが投稿されてしまった場合は、インターネット上の誹謗中傷に詳しい弁護士へ早めに相談しましょう。