スラップ訴訟とは?違法となる基準・判例と訴えられた際の対処法

批判してきた相手を黙らせる目的で、訴訟が使われることがあります。こうした訴訟はスラップ訴訟と呼ばれ、訴えられた側は、身に覚えのない請求であっても、弁護士を立てて期日に出頭しなければなりません。
もっとも、憲法第32条は裁判を受ける権利を保障しています。訴えを起こすこと自体は自由であり、どこまでが正当な権利行使で、どこからが違法な提訴になるのかの線引きは、最高裁が示した狭い要件で決まります。
まず、最高裁が示した要件と、実際に違法と認められた裁判例を確認します。そのうえで、訴えられた場合に取るべき対応と、企業が誹謗中傷への法的措置をとるときにスラップだと批判されないための見極め方を扱います。
この記事の目次
スラップ訴訟とは
スラップ訴訟とは、勝訴の見込みが乏しいにもかかわらず、批判的な言論や活動を封じる目的で起こされる訴訟をいいます。米国で生まれた概念で、Strategic Lawsuit Against Public Participation の頭文字をとってSLAPPと呼ばれます。
直訳すれば市民参加を妨害するための戦略的民事訴訟ですが、日本では口封じ訴訟や恫喝訴訟という呼び方も使われます。法律上の定義はなく、裁判所が判決文でこの語を使うこともほとんどありません。日本の裁判実務では、スラップ訴訟という類型が独立して存在するのではなく、訴えの提起が不法行為になるかという枠組みで処理されています。

スラップ訴訟の3つの狙い
スラップ訴訟の狙いは、威圧効果、消耗効果、見せしめ効果の3つに整理できます。
威圧効果とは、実態からかけ離れた賠償額を突きつけて相手を精神的に追い詰め、それ以上の発言や活動を控えさせることです。企業の問題を告発されたことに対し、営業妨害や名誉毀損を理由に多額の賠償を求める訴訟を起こす場面が典型です。
消耗効果とは、応訴に要する時間と費用を負担させ、体力と精神をすり減らせることです。請求を全部退けて勝訴したとしても、弁護士費用や期日への出頭の負担は訴えられた側に残ります。この非対称が、資力に差がある当事者間では特に重く働きます。
3つ目の見せしめ効果は、狙いが訴えられた本人ではなく、その周囲に向いている点で先の2つと性質が違います。提訴の事実が知られると、同じ意見を持つ人が自分にも累が及ぶことを恐れ、関わり合いを避けるようになります。
スラップ訴訟にあたるかを見分ける着眼点
次の点は、訴えの提起が違法とされた裁判例で実際に考慮されてきた事情です。ただし、当てはまれば直ちに違法になるという性質のものではありません。いずれも、後述する最高裁の要件を満たすかどうかを判断するための材料にすぎず、最終的には個別の事情を総合して判断されます。
▼ 訴えの提起が違法とされた裁判例で考慮された事情
| 着眼点 | 具体的にどう現れるか |
|---|---|
| 請求額の不相当性 | 被害の実態や社会通念に照らして説明のつかない高額の賠償を、個人に対して求めている |
| 提訴までの検討の薄さ | 問題とされた投稿や記事の直後に提訴しており、勝訴の見込みを検討した形跡がない。事前の交渉も経ていない |
| 対象となった言論の性質 | 公共の利害に関する事実を前提とした意見や論評であり、名誉毀損が成立しないことが容易に分かる |
| 同種の提訴の広がり | 同じ時期に、自分を批判した複数の相手に対して同種の訴訟をまとめて起こしている |
訴訟以外で同じ目的に使われる手口
民事訴訟以外にも、相手を消耗させる目的で使われる手続があります。刑事告訴と懲戒請求です。いずれも、応じる側に時間と労力を強いる点でスラップ訴訟と同じ働きをします。もっとも、被害の内容によっては、刑事告訴が正当な手段として選ばれることもあります。ここで取り上げるのは、相手を消耗させること自体を狙って使われる場合です。
営業妨害や名誉毀損を理由とする刑事告訴は、捜査機関の判断を仰ぐ手続であるため、告訴された側は事情聴取などへの対応を迫られます。刑事手続に巻き込まれること自体が、発言や活動を控えさせる圧力になります。
懲戒請求は、弁護士について所属する弁護士会に懲戒処分を求める手続です。請求を受けた弁護士は、弁護士会に置かれ懲戒の要否を最初に調べる綱紀委員会から説明を求められ、答弁書の作成などに時間と労力を割くことになります。不当な懲戒請求は、その弁護士の信用や名誉を傷つけることにもつながります。もっとも、これらの手続は使う側にも責任が伴います。事実的な根拠を欠く懲戒請求をした者は、対象となった弁護士に対して損害賠償責任を負うことがあります。虚偽の事実に基づく告訴は、虚偽告訴罪に問われる可能性があります(刑法第172条)。
スラップ訴訟が違法となる基準と裁判例
訴えを起こすこと自体は原則として自由です。裁判を受ける権利を保障した憲法第32条の趣旨があるためです。もっとも、訴権の濫用にあたるような場合には、訴えが不適法として却下されます。違法な提訴として損害賠償の対象になるのも、例外的な場合に限られます。
訴えの提起が不法行為となる基準
最高裁は、訴えの提起が相手方に対する違法な行為となる場合について、次のとおり判断しています。
訴えの提起は、提訴者が当該訴訟において主張した権利又は法律関係が事実的、法律的根拠を欠くものである上、同人がそのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知り得たのにあえて提起したなど、裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠く場合に限り、相手方に対する違法な行為となる。
最高裁判所 昭和63年1月26日第三小法廷判決 裁判要旨(民集42巻1号1頁)
この判示は、主張した権利に事実上も法律上も根拠がないこと、提訴した側がそれを知っていたか通常人なら容易に分かる状況であったこと、そして裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くことを挙げています。ただし、これらは「など」として挙げられた例示であり、判断の中核は裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くかどうかの一点にあります。これらに当てはまらなくても、ほかの事情から著しく相当性を欠くと評価される余地は残ります。負けたという結果だけでは足りず、提訴した時点で見込みがないと分かっていたに等しいといえるかが問われます。
参照法条は民法第709条です。つまり、不法行為の一類型として損害賠償を認めるかどうかの問題であり、訴え自体を早期に打ち切る仕組みが用意されているわけではありません。訴えられた側は、まず本来の訴訟に応じたうえで、原則として前の訴訟の帰趨が出た後に、別訴または反訴で責任を追及することになります。同一の手続の中で反訴を出せるかは事案によります。

違法と認められた事案
実際に訴えの提起が違法と認められた事案があります。化粧品と健康食品を製造販売する会社の代表者が、雑誌に手記を掲載して政治家への多額の貸付について説明したところ、その内容を批判する記事をブログに書いた弁護士に対し、会社と代表者が名誉を毀損されたとして賠償を求めた事件です。
提訴は平成26年(2014年)4月16日で、請求額は代表者と会社それぞれに1,000万円、合計2,000万円でした。その後、弁護士はこの訴訟をスラップ訴訟だと批判する記事を追加で書きました。すると会社側は同年8月29日、その記事も請求の対象に加えます。請求額は2人合わせて6,000万円、当初の3倍に膨らみました。この訴訟は一審で請求棄却となり、控訴審も棄却、上告不受理により確定しています。
確定後、弁護士は内容証明郵便で600万円の賠償を求めました。すると会社側が先に、損害賠償の債務が存在しないことの確認を求める訴えを起こします。弁護士はその訴訟の中で反訴を提起しました。反訴とは、訴えられた側が同じ手続の中で相手を訴え返すことです。裁判所が違法性を判断したのは、この反訴においてです。
東京地方裁判所は、昭和63年の最高裁判決が示した枠組みに沿って、ブログ記事が公共の利害に関する事実を前提とした意見や論評であり、公正な論評の法理により名誉毀損が成立しないことは容易に分かる状況であったと認定しました。認定事実としては、会社側が前の訴訟の提起と同じ時期に、自分たちを批判した相手に対して合計9件の名誉毀損訴訟を起こしていた点も挙げられています。そのいずれもが1,000万円以上の請求でした。
被告らによる前件訴訟の提起等は、原告ブログ1ないし4及び7が意見ないし論評であり、その前提としている事実の重要な部分が真実であり、違法性を欠くものであって、請求が認容される見込みがないことを通常人であれば容易にそのことを知り得たといえるのにあえて訴えを提起したものとして、裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものということができ、原告に対する違法行為と認められる。
東京地方裁判所 令和元年10月4日判決(平成29年(ワ)第38149号)
結論として、裁判所は前の訴訟の提起と請求拡張の申立てを違法と判断し、慰謝料100万円と、この反訴を起こすために要した弁護士費用10万円の合計110万円の支払を命じました。判決文にスラップ訴訟という言葉は結論部分では使われていませんが、言論を封じる目的の提訴が最高裁のいう著しく相当性を欠く場合にあたると判断された例といえます。
違法とは認められなかった事案
一方で、敗訴した提訴が違法とは認められなかった事案もあります。テレビ番組で名誉を傷つけられたとして番組の司会者を訴えたところ、司会者は番組の企画や制作に関わっておらず、名誉毀損の責任は認められませんでした。司会者はこの提訴自体が不当だとして、逆に損害賠償を求めています。
東京地方裁判所は、昭和63年の最高裁判決と同じ基準を示したうえで、この請求を退けました。司会者が番組の企画や構成にどこまで関わっていたかは、訴えた側が容易に知ることのできない事柄だからです。訴えた側が負けたことと、その提訴が違法であることは別だという判断です。
原告において、被告Aに対する本件訴えが事実的、法律的根拠を欠くものであることを認識し、あるいはこれを容易に認識し得たにもかかわらず、あえてこれを提起したものとは認められない。
東京地方裁判所 令和3年9月1日判決(平成30年(ワ)第24721号)
スラップ訴訟を起こされた場合の対処法
訴状が届いたら、まず考えるべきは相手の主張が不当かどうかではありません。手続に乗り遅れないことです。スラップ訴訟だという評価が正しくても、手続を放置すれば相手の主張がそのまま認められる結果になり得ます。

訴状を無視せず答弁書を出す
訴状は特別送達という方法で届きます。同封された呼出状には、第一回の口頭弁論がいつ開かれるか、答弁書をいつまでに出すかが書かれています。まずこの2点を確認してください。特別送達は郵便配達員から手渡しで受け取る形式で、ポストに投げ込まれることはありません。受け取りを拒んでも手続は止まりません。付郵便送達などにより送達されたものとして扱われ、知らないうちに判決が出ることがあります。
答弁書を出さず期日にも出頭しないと、相手の主張を争わなかったものとして扱われ、請求どおりの判決が出る可能性があります。不当な請求だと考えるほど、放置は不利に働きます。期限に間に合わない場合でも、第一回の口頭弁論期日までに請求を争う旨を記載した答弁書を提出すれば、相手の主張を認めたものとしては扱われません。詳しい反論は次回以降に追って提出できます。まずは争う姿勢を示す答弁書を出すことを最優先してください。
反訴で損害賠償を求める
反訴とは、訴えられた側が同じ手続の中で相手を訴え返すことです。別に訴訟を起こす場合と違い、同じ裁判所の同じ手続で審理されるため、証拠や主張を重ねて使える点で負担が軽くなります。
前章で取り上げた化粧品会社の事案も、会社側が起こした債務不存在確認の訴えに対する反訴として審理されたものでした。ただし、この事案は前の訴訟が確定した後の別訴における反訴であって、不当な提訴を受けている最中にその本訴に対して反訴を立てたものではありません。不当提訴を理由とする賠償請求は、前の訴訟の結論が出る前には判断が難しく、係属中に反訴を出すのが適切かは事案によります。反訴には、本訴の請求または防御の方法と関連する請求であること、口頭弁論の終結に至るまでに提起することといった要件があります(民事訴訟法第146条)。控訴審で反訴を提起するには、原則として相手方の同意が必要です(同法第300条)。反訴を検討するなら一審のうちに判断する必要があります。なお反訴の提起には、請求額に応じた申立手数料が別途かかります。損害の立証も別に必要です。
応訴にかかった弁護士費用を請求できるか
不当な訴えに応じるために弁護士を立てた費用は、提訴が違法とされれば損害として請求できる余地があります。ただし、当然に認められるものではありません。
この事案では、応訴のための弁護士費用について、自らが実際に支出した部分を裏づける客観的な証拠が提出されていないとして、損害の発生が認められませんでした。一方で、この反訴を起こすために要した弁護士費用は、認容された損害額の1割にあたる範囲で認められました。もっとも、弁護士費用として認められる額は事案により異なり、一定の割合が保証されているわけではありません。弁護士が求めたのは1,100万円のうち660万円で、認められたのは110万円です。差の大部分は応訴の弁護士費用が認められなかったことによります。費用を損害として求めるのであれば、契約書や請求書、支払を示す資料を早い段階から残しておくことになります。
訴えられた事実の公表や反論は慎重に行う
不当な提訴を受けたことを公表し、世論に訴えることは、萎縮効果を打ち消す手段として有効に働くことがあります。一方で、発信の仕方によっては新たな紛争を呼び込みます。
先の事案でも、弁護士が前の訴訟をスラップ訴訟だと批判する記事を係属中に書いたところ、会社側はその記事も名誉毀損だと主張して請求の対象に加え、請求額を3倍に拡張しました。発信が請求の追加を招いた形になっています。
スラップ訴訟だという評価そのものは意見や論評にあたり得ます。ただし、相手が勝訴の見込みがないと知っていたはずだといった書き方は、相手の内心についての事実を述べたものと受け取られることがあります。何を事実として述べ、何を意見として述べるのかを分けることが、そのまま名誉毀損の成否を分ける論点になります。ただし、意見や論評であれば免責されるわけではありません。最高裁判所は、公共の利害に関する事実に係り、目的が専ら公益を図ることにあり、前提とした事実が重要な部分で真実と証明されたときは、人身攻撃に及ぶなど意見・論評としての域を逸脱したものでない限り、違法性を欠くとしています(最高裁判所平成元年12月21日第一小法廷判決)。前提とした事実の証明ができない場合でも、真実と信じたことに相当の理由があれば、故意や過失が否定されます(最高裁判所平成9年9月9日第三小法廷判決)。これらを欠けば、意見の形をとっていても責任を問われる可能性があります。
参考:裁判所|最高裁判所平成9年9月9日第三小法廷判決
日本に反スラップ法はあるのか
スラップ訴訟だけを規制する法律は、日本にはありません。訴えの提起が違法かどうかは、昭和63年の最高裁判決が示した枠組みに沿って、民法第709条の不法行為として事後的に判断されます。訴訟を早い段階で打ち切る仕組みは用意されていません。
国会に提出された請願
第212回国会に、反スラップ法の制定を求める請願が提出されています。請願の要旨は、裁判を受ける権利が憲法第32条で保障され最大限尊重されるべきものであることを確認したうえで、次のように述べています。
日本にはスラップ訴訟に対する法規制はないが、スラップ訴訟は裁判を受ける権利の濫用であり、被告とされた者の負担を減らして被害者を救済する必要がある。
参議院 第212回国会 請願第415号 反スラップ法の制定に関する請願
参考:参議院|第212回国会 請願第415号 反スラップ法の制定に関する請願
請願は、国会に対して意見を述べる手続です。提出されたことが立法を意味するわけではありません。現時点で確認できるのは、規制を求める意見が国会の場に届いているという事実までです。
米国の反スラップ法との違い
米国では複数の州が反スラップ法を整備していますが、州ごとに要件も効果も大きく異なり、共通の制度があるわけではありません。参議院の請願要旨によれば、被告がスラップ訴訟であると申し立てれば、裁判所が原告に勝訴の見込みを立証させ、スラップ訴訟と判断されれば裁判は打ち切られる仕組みです。
▼ 訴訟が続くかどうかの分かれ目
| 観点 | 日本 | 米国の反スラップ法を持つ州 |
|---|---|---|
| 訴訟を止める仕組み | 個別の法制度はない | 被告の申立てにより早期に打ち切られ得る |
| 立証の負担 | 訴えられた側が違法性を主張立証する | 原告が勝訴の見込みを立証する |
| 判断の時期 | 本来の訴訟が終わった後に不法行為として争う | 本来の訴訟の早い段階で判断される |
誹謗中傷への法的措置がスラップ訴訟と批判されないために
ここまでは訴えられた側の話です。逆に、事実に反する投稿によって信用を傷つけられた企業が法的措置をとる場面では、別の心配が生じます。投稿者を訴えたことがスラップ訴訟だと言われ、かえって批判が広がるのではないかという懸念です。
違法な誹謗中傷に対して責任を問うことは、正当な権利の行使です。昭和63年の最高裁判決が示した要件に照らせば、請求に相応の根拠がある限り、これを満たして違法とされることは通常考えにくいといえます。もっとも、請求額の設定や提訴の公表の仕方など、権利行使の態様が別途問題とされる可能性は残ります。問題になるのは、請求の立て方と権利の回復との関係が薄いように受け取られる場合です。
正当な権利行使と批判を招きやすい提訴の分かれ目
裁判例が違法性を判断するときに見ているのは、前章の表で挙げた事情です。訴える側から見れば、これはそのまま準備すべき項目になります。

提訴の前に検討する削除請求と発信者情報開示
インターネット上の投稿については、訴訟の前に使える手続があります。根拠となる法律は、令和6年法律第25号による改正で名称が改められ、令和7年(2025年)4月1日から情報流通プラットフォーム対処法という略称で呼ばれています。改正前の名称で書かれた解説が今も多く残っているため、条文にあたるときは注意が必要です。
特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(平成13年法律第137号)。第5条が発信者情報の開示請求、第8条が発信者情報開示命令、第22条が大規模特定電気通信役務提供者による申出の受付方法の公表、第23条が侵害情報に係る調査の実施を定めています。あわせて第15条が提供命令、第16条が消去禁止命令を定めています。開示命令を申し立てる際にこれらを求めることで、発信者を特定するための情報が失われないようにします。
参考:e-Gov法令検索|特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律
これらの義務が課されるのは、総務大臣の指定を受けた大規模特定電気通信役務提供者に限られます(同法第20条)。指定を受けた事業者は、権利を侵害されたとする人からの申出を受け付ける方法を公表し、申出を受けたときに調査をします。指定を受けていない事業者には適用がないため、投稿先が該当するかを先に確認してください。発信者の特定まで視野に入れる場合、削除の完了を待つと発信者情報の保存期間が経過し、特定できなくなることがあります。削除請求と発信者情報開示は並行して進めるのが原則です。また、投稿が削除された後は内容を示す資料が失われるため、削除の申出をする前に投稿のURL・表示画面・投稿日時を保存してください。
この順序は、投稿を早く消したいという実務上の要請に応えるものであると同時に、後から提訴の相当性を説明する材料にもなります。
まとめ:スラップ訴訟への対応は弁護士へご相談を
訴えを起こすこと自体は自由であり、違法とされるのは最高裁が示した狭い要件を満たす場合に限られます。訴えられた側は、まず答弁書の期限を確認し、応訴と並行して反訴を検討することになります。その際、費用の支払を示す資料を残しておくかどうかが、後の損害の認定を左右します。あわせて、損害賠償を求められる期間には制限があります(民法第724条各号)。起算点の考え方には争いがあるため、前の訴訟が続いている段階で弁護士に確認してください。
訴える側にとっては、請求額の立て方と、提訴の前に削除申出や発信者情報開示を経たかどうかが、正当な権利行使として説明できるかの分かれ目になります。いずれの立場でも、判断は個別の事情によって変わります。お早めにご相談ください。ご相談の際は、対象となる投稿のURL、表示画面を保存したもの、投稿日時、そして被害の内容が分かる資料をお手元にご用意ください。早い段階でそろえておくほど、取れる手段が広がります。
当事務所による対策のご案内
モノリス法律事務所は、IT分野とインターネット上の紛争に積極的に取り組んでいる法律事務所です。スラップ訴訟だとして訴えられた側の弁護と、事実に反する投稿を受けた企業側の申立ての双方をお引き受けしています。詳細は下記のページをご覧ください。
カテゴリー: 風評被害対策

































