YouTuberが気を付けるべきInstagramの利用規約を解説
Instagram(インスタグラム)とは、写真や動画を投稿できるSNSで、2019年3月には国内でのアクティブアカウント数が3300万を超えるなど利用者の多いサービスです。Instagramでフォロワーを増やせば、YouTubeの宣伝もできるため、YouTuberでInstagramを利用している方も多いでしょう。
ただ、Instagramを利用する際に利用規約を読み込んで理解している方は少ないかもしれません。
知らず知らずのうちに利用規約に違反してしまうと、アカウントの停止や削除処分を受ける可能性もあるため注意が必要です。
この記事では、YouTuberが注意すべきInstagramの利用規約について解説します。
この記事の目次
Instagramの利用規約の注意点
Instagram上のコンテンツが利用規約やコミュニティガイドラインを含むポリシーに違反していると、運営会社であるメタ・プラットフォームズ(旧Facebook社、日本法人の社名は「Facebook Japan株式会社」)が判断した場合、コンテンツの削除やアカウントの停止処分が行われる可能性があります。
また、例えばInstagramの利用規約では、利用者は13歳以上(または自国でInstagramを利用できる法定年齢に達していること)である必要があります。これは、YouTubeの利用規約においても、同様に13歳以上である必要があると定めています(YouTube Kidsの利用を除く)。
利用規約やガイドラインはプラットフォームにより内容が異なるため、Instagramを利用するにあたっては、その利用規約やガイドラインを確認しておきましょう。
Instagramの利用規約における無断転載の禁止
Instagramの利用規約には、Instagramで禁止されている行為として以下が規定されています。
・他者の個人情報や秘密情報を許可なく投稿したり、知的財産権などの他者の権利を侵害したりする行為(著作権侵害、商標侵害、偽造、海賊品など)は禁止されています。
Instagram|利用規約
無断転載は著作権侵害の可能性も
また、コミュニティガイドラインにも
写真や動画は、自分で撮ったか、共有する権利を得ているもののみをシェアしてください。
Instagram|コミュニティガイドライン
との記載があります。
他人が撮影して投稿している写真、つまり、自分が著作権を持っていない写真や画像を無断で投稿することは禁止されています。
また、無断転載はInstagramの利用規約違反となるだけでなく、著作権の侵害にあたる可能性が高いので、しないようにしましょう。インターネット上の情報の著作権については、以下の記事にて詳しく解説しています。
関連記事:インターネット上の情報はどこまで利用可能?ネット上の著作権について解説
なお、「リポスト」という方法で他のユーザーの投稿をシェアすることは、可能です。
また、「シェアする」機能を使って他のユーザーの投稿を自分のInstagram以外のSNSアカウントで共有することもできます。
肖像権にも配慮が必要
たとえ自分が撮った写真だとしても、他人の顔がはっきり認識できる形で写っている写真を同意なく投稿すると肖像権の侵害にあたる可能性があります。
肖像権については、以下の記事にて詳しく紹介しています。
関連記事:Instagramのストーリー機能で投稿された画像や動画の肖像権
利用規約で規定されている「知的財産権などの他者の権利を侵害したりする行為」の禁止には、肖像権侵害も含まれています。トラブルを回避するためにも、他人の顔が写り込んでいる場合は、ぼかしたり、スタンプを押したりしてはっきりわからないようにするなどの工夫をしましょう。
Instagramを利用することでライセンスを付与している
Instagram利用規約によれば、利用者のコンテンツの権利については、以下のように規定されています。
利用者のコンテンツについて、その権利が弊社に帰属すると弊社が主張することはありませんが、利用者はコンテンツを使用するためのライセンスを弊社に付与します。
Instagram|利用規約
利用者が持つ著作権等の権利がメタ・プラットフォームズへ移転することはありませんが、利用者は以下のライセンスをメタ・プラットフォームズに与えたということになります。
利用者は、弊社が(利用者のプライバシー設定およびアプリ設定に沿って)利用者のコンテンツをホスト、使用、配信、変更、実行、複製、公演、公開または翻訳し、またその派生作品を作成できる、非独占的、使用料なしの、譲渡可能、サブライセンス可能な、全世界を対象としたライセンスを弊社に付与するものとします。
Instagram|利用規約
つまり、Instagramに投稿したコンテンツの権利は利用者にありますが、コンテンツを投稿することで利用者は当該コンテンツを複製したり配信したりすることを許諾しているということになります。このライセンスは、コンテンツを削除するまで終了しないということに注意が必要です。
なお、YouTubeの利用規約においても、同様の規定があり、権利は利用者にあり、利用者はYouTubeにライセンスを付与するという内容が定められています。
Instagramでプロモーションを行うときの注意点
懸賞等のプロモーションを行う場合は、Instagramの「プロモーションガイドライン」に従う必要があります。
プロモーションガイドラインでは、ページ作成者は、当該プロモーションを合法的に運営する責任を負う旨が定められています。具体的には、公式ルールや、規約や年齢・居住地等の資格要件を設定することが求められています。このほかにも、以下のように法令順守が求められています。
・プロモーションおよび提供される賞品や賞金に適用される規則や規制を遵守すること(登録、規制上必要な承認の取得等)。
Instagram|プロモーションガイドライン
また、コンテンツに誤ったタグを付けたり、そうするように他の利用者を仕向けることは禁止されています。
つまり、あまり関係がない画像に「#○○キャンペーン応募」といったハッシュタグをつけるように求めるキャンペーン(そうしたハッシュタグをつけることを応募資格とすること)はできません。
また、コミュニティガイドラインでは、「いいね!」やフォローを条件に現金を提供するようなキャンペーンを禁止しています。
「いいね!」やフォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、現金や現金同等物の提供を申し出たりしないでください。
Instagram|コミュニティガイドライン
Instagramでプロモーションを行う場合は、各種ガイドラインを遵守するだけではなく、景品表示法その他の関連する法令についても遵守しなければいけません。懸賞の内容によっては、賞品・賞金に制限がある場合もあります。あらかじめ弁護士に相談のうえ行うことをおすすめします。
まとめ:Instagramの利用規約については弁護士に相談を
Instagramを使う際には、利用規約や各種ガイドラインをよく理解してアカウントの停止や削除などの処分を受けないようにすることが大切です。また、コンテンツが他者の著作権や肖像権を侵害することがないように注意が必要です。とはいえ、法律の知識がないと判断が難しいことも多くあります。
トラブルを回避するためにも、YouTuberの方でInstagramを利用している方や、これから利用を考えている方はYouTube関連法務に詳しいモノリス法律事務所へご相談ください。
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カテゴリー: YouTuber・VTuber法務