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法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

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Google マイビジネスとローカルビジネス情報のネット検索

Google マイビジネスとローカルビジネス情報のネット検索

Google マイビジネスは、Google 検索や Google マップなどの Google のサービスに店舗や会社などのローカルビジネス情報を表示し、管理するための無料のツールです。2014年6月にGoogleプレイスとGoogle+が統合されて誕生しました。Googleで飲食店や衣料品店の名前を場所で検索すると、検索結果画面の左側に、店舗の基本情報・写真・地図が表示されます。Googleマイビジネスは、その情報を登録・管理できるサービスであり、Googleの検索結果に、無料で最新のビジネス情報を掲載することを可能にします。

Google マイビジネスとローカル検索

ローカル検索の手段として、Googleマイビジネスが注目されています。

Googleマイビジネスには、ビジネスに役立てられるさまざまな機能や特徴が備わっていますが、最大の特徴のひとつは、Google検索やGoogleマップでの検索結果上にビジネス情報を表示させられる点です。

スマートフォンが普及したことにより、知りたい情報を、外出先で、知りたい時に、手軽に検索することができるようになりました。そうした背景から、「地域名+業種」のようなローカル検索で店や目的地の情報を収集するケースが増えてきています。あなたの店舗の近くで、あなたが提供するサービスの提供店を探す人がGoogle で検索する可能性があります。このローカル検索の手段として、見込客の獲得手段として、Googleマイビジネスが注目されています。

便利なローカル検索機能

例えば「東京駅 イタリアン」で検索すれば、東京駅構内のイタリアンレストランが表示され、人気店や他所にもある店の系列店などを見つけることができるでしょう。探していた店や、あらかじめ想定していた特定の店の住所・所在地を確認することもできます。名前だけは知っていたり、テレビのロケで見たことがある店が東京駅構内にあることを新たに知ったりもするでしょう。

それだけでなく、例えば考えに入れていなかった近場と言えるステーションホテル内に知らなかった店があり、メニューや写真、評判などを見て、行ってみようと思うかもしれません。これは、実際にローカル検索をした際に、多くの人が経験したことではないでしょうか。探していた店を見つけるだけでなく、新しい店を発見するのにも、Googleマイビジネスは、非常に役立ちます。

また、バーゲン期間中である衣料品店を見つけたり、期間サービスをしている美容室を発見したりできるかもしれません。ユーザー側からすれば、新しい発見をするツール、便利で経済的な生活を送るためのツールとなりますが、経営者側から見れば、潜在顧客に対して自己の存在をアピールすることもできる、新規集客を獲得できる、絶好のツールとなり得るのです。これが、Googleマイビジネスの最大の特徴であり、Googleマイビジネスは強力な武器となりうる可能性を秘めているといえます。だからこそ、どのようなビジネスプロフィールを作り、どのように運営していくかが、大切になります。

ビジネスプロフィール

ビジネスプロフィールは無料で作成出来ます。

無料で作成できるビジネスプロフィールは、ビジネスや類似する商品・サービスが Google 検索や Google マップで検索されたときなどの重要な場面で、自己のビジネスをアピールするのに役立ちます。Google マイビジネスのアカウントにログインし、住所や電話番号、ウェブサイト、営業時間などを更新することで、顧客が最新のビジネス情報を見つけて、つながりやすくすることができます。新しい写真、特典情報、プロモーションなどの情報でプロフィールを常に更新することで、ユーザーにビジネスの魅力をアピールできるわけです。

このビジネスプロフィールにおいて、「ビジネス名」、「カテゴリ」、「ビジネス拠点(住所)」、「非店舗型(エリア限定サービス)」、「営業時間」、「特別営業時間」、「電話番号」、「属性」、「URL」、「ビジネスの説明、「開業日」を編集することが出来ます。

ビジネス名

ビジネス名はわかりやすい記載で行いましょう。既に⾃動で登録されているビジネス名に問題があるときは、ビジネス名右横のペンマークをクリックすると編集できます。新規に開店・開業する場合は、地域名で検索されやすくするために地域名を含んだ店名にすることを検討してもよいでしょう

カテゴリ

カテゴリにはメインカテゴリと追加カテゴリがあり、追加カテゴリは複数登録する事が可能です。店舗の営業内容に最もあったカテゴリをメインカテゴリに、複数の事業や商品が存在する場合は追加カテゴリを追加することができます。カテゴリは⾃由に記載する事が出来ませんが、十分な数があるので、たいていの場合には該当するカテゴリが見つかるでしょう。例えば、ワインに関係しては、「ワイナリー」「ワインバー」「ワインの卸売業者と輸入業者」「ワインショップ」などがあります。その他にも、「ロデオ」「保安官事務所」「銃専門店」や「遺体安置所」まであります。

ビジネス拠点(住所)

住所の編集項目で登録出来る項目は「国」「郵便番号」「都道府県」「住所」です。Googleマップ上のピンの位置も変更できます。

  • 「国」は日本の場合、「日本」が選択されています。
  • 「郵便番号」は、位置情報による検索に影響する可能性があるので重要です。
  • 「都道府県」は選択式です。
  • 「住所」が特に重要です。店舗がビル内の場合にはビル名や階数も記載します。
  • 「出張型の商品配達やサービス提供を⾏っている」はマイビジネス単位での選択となるため、「はい」を選ぶと出張型を検索しているユーザーに対して表⽰されやすくなりますが、店舗を探しているユーザーには表⽰されにくくなるので、注意が必要です。

非店舗型(エリア限定サービス)

在宅ビジネスや非店舗型ビジネスを運営している事業主も、Google マイビジネスを利用できます。その場合には、住所を非表示にすることも可能です。

営業時間と特別営業時間

始業時間は曜日単位で設定することになります。営業or定休日の選択と営業時間が選択できることとなります。また、昼休憩などがある店舗等の場合、営業時間を曜⽇単位で複数時間にわけて登録することも可能です。

特別営業時間では、通常営業⽇以外の定休⽇や通常定休⽇に当たる営業曜⽇に特別営業を行うなどの設定が⾏えます。毎週火曜日と偶数週の水曜日が休み、などの設定が可能です。

電話番号

Googleマイビジネスはユーザーが対象範囲とするビジネスの情報を⾒つけやすくする概念で作られているため、電話番号は位置情報に影響のある市外局番から始まる電話番号を登録する方が集客に有利となります。顧客の通話料⾦を減らすためにフリーダイヤルやIP電話の番号を登録したいという場合には、通常の番号をメインで登録したうえで追加の電話番号として登録する事が推奨されています。

属性

属性では、Wi-Fi やテラス席の有無など提供する商品やサービスの情報を表示できます。関連性の高い正確な属性をビジネスプロフィールに追加すれば、Google で検索するユーザーに対して自店舗等の差別化に役立ちます。Google 検索とGoogle マップのビジネスプロフィールに表示され、「テラス席」などの属性は、ユーザーがモバイルでビジネスを見つけたときにバッジとして強調表示されます。設定できる属性はカテゴリによって異なります。たとえば、利用可能な支払い方法、バリアフリーサービス等の属性が表示されますが、Google マイビジネスでビジネス情報を編集すると、自分のビジネスが持つことのできる属性を確認することができます。

URL

公式ウェブサイトのURLを登録し、Googleの検索結果やGoogleマップに表示させることができます。ホームページのURLを表示させることにより、検索したユーザーがGoogle検索やGoogleマップからホームページへ流入する可能性もあります。Google マイビジネスの性質上、多店舗展開を⾏っていて公式サイト内に店舗毎のページがある場合は、マイビジネスに登録するウェブサイトのURLは公式サイトのトップページではなく、店舗毎のページのURLで登録する方がいいでしょう。

店名・住所・電話番号・URLの4つの情報の表記は半⾓、全⾓、⼤⽂字、⼩⽂字等も含め全く同じ表記を使う事で検索エンジンが別サイトに記載されている情報であっても同⼀のサービスに対する情報として認識する可能性が⾼くなります。⾃社のホームページが地域名で複合検索された場合に表⽰されやすくなる等の効果もあります。

写真と動画

次に写真及び動画の登録について説明します。

Googleマイビジネスの管理画面に入り、「ビジネス情報を管理」で基本情報を編集するアカウントを開くと、「写真」から写真と動画を登録できます。

写真の種類選択肢には、以下があります。

  • サマリー:全ての写真データが表示されます。
  • オーナー提供:マイビジネスのオーナーがアップした写真が表示されます。
  • ユーザー撮影:ユーザーがアップした写真が表示されます。
  • 360:ストリートビュー画像(屋外と屋内)が表示されます。
  • 動画:アップした動画があれば表示されます。
  • 店内:店内の写真が表示され、内装や雰囲気を伝えることができます。
  • 外観:いろいろな方角からの外観写真により、ユーザーが見つけやすくなります。
  • 職場:企業の雰囲気を伝えることができます。
  • チーム:経営陣やスタッフの写真が表示されます。
  • ID情報:「カバー写真」と「プロフィール写真」です。カバー写真を掲載するとページの個性をアピールできます。カバー写真は、マイビジネスの最上部に優先的に表示する写真として設定されます。
  • プロフィール写真はアイコンに反映される写真です。Google サービス上でユーザーの目にとまりやすくなります。

アップする写真と動画には決められたガイドラインがあります。

写真及び動画のガイドライン

写真や動画をビジネス リスティングに追加する画面より抜粋

Googleは各カテゴリに3枚以上の写真をアップすることを勧めています。魅力が伝わるような写真を3枚といわず、たくさんアップした方がいいのですが、困ったことに、表示される写真を自由に設定することはできません。Googleマイビジネスで表示される写真は、アップされた写真の中からランダムに表示されるため、任意の写真を選べないのです。しかも、表示される写真には店舗や企業がアップしたものだけでなく、ユーザーがアップした写真も含まれています。店舗や企業がアップした写真はユーザーがアップした写真よりも優先して表示されるので、自社で撮影した写真を多数アップしておけば、表示される確率が高まることになります。

投稿機能

Googleマイビジネスの投稿機能も使いこなせると便利です。

Googleマイビジネスには、ビジネス情報を発信できる「投稿機能」が備わっており、自社の商品やサービスに関する情報、期間限定のサービスやイベントといったタイムリーなトピックスをGoogleの検索結果やGoogleマップのナレッジパネルにリアルタイムに表示させることができます。表示させることができる情報は、

  • 写真/動画
  • テキスト
  • 投稿のボタン(「詳細」「購入」「申し込み」など)

であり、モバイルの場合は、さまざまなシグナルに基づいて Google 検索と Google マップのビジネスプロフィールに表示される [更新] または [概要] タブに表示され、パソコンの場合は、Google 検索と Google マップのビジネスプロフィールに表示されます。「投稿」機能には「最新情報」「イベント」「特典」「商品/サービス」という4つの種類が用意されています。それぞれの種類を理解したうえで、発信したい内容に応じて、うまく使い分けをしていくとよいでしょう。

ただし、「投稿」が表示されるのは1週間だけです。1週間で投稿は自動的に削除されて表示されなくなりますが、投稿が表示されなくなる前にGoogleから案内メールが来て、次回の投稿を促してくれます。ただイベントの投稿は例外で、そのイベントが終了するまで掲載されます。

最新情報

ビジネス情報を発信する機能です。写真、動画、リンク、ボタン、その他の情報を含めることができます。

イベント

イベントを宣伝する機能です。イベントに関する投稿には、必ずタイトル、開始日と終了日、開催時間を含めます。写真、動画、ボタンなどの情報を含めることもできます。

特典

プロモーションセールやクーポンを宣伝するための投稿です。クーポンに関する投稿には、必ずタイトル、開始日と終了日、開催(実施)時間を含めます。[クーポンを見る] というボタンが自動的に追加されます。その他に、写真、動画、クーポンコード、リンク、利用規約を含めることもできます。例えばピザ店であれば、「1 週間限定、ラージサイズ20% オフ」のような宣伝もできます。

商品/サービス:

特定商品を宣伝する場合に使用します。商品に関する投稿には、必ずタイトルと写真(または動画)を含めます。それぞれの「投稿」には、付加できるアクションボタンが選択できるようになっています。「ボタン」の種類は、

  • 予約:予約ページへのリンク
  • 購入:通販サイトへのリンク
  • 詳細:詳細説明ページへのリンク
  • 登録:登録ページへのリンク
  • クーポンを入手:クーポンページへのリンク
  • 今すぐ電話:店舗へ電話する

と、なっています。

まとめ

Google マイビジネスの概要を解説しましたが、ローカル検索においてGoogle マイビジネスが重要な、魅力的なツールであることをご理解いただけたでしょう。「登録」や「インサイト」等については、当サイトの別記事「Googleマイビジネスの登録と活用」に詳述しておきましたが、Google マイビジネスをうまく活用して情報発信をし、ビジネスを拡大していきましょう。

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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