弁護士法人 モノリス法律事務所03-6262-3248平日10:00-18:00(年末年始を除く)

法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

風評被害対策

自分の名前を検索結果に表示させないためには?削除方法も解説

風評被害対策

検索で自分の名前をヒットさせない

テレビやYouTubeなどで活躍する有名人でもないのに、自分の名前が検索結果に出てきたという経験をする人は少なくありません。GoogleやYahoo! JAPANの検索結果に自分の名前がヒットしてしまうと、プライバシーの侵害や風評被害につながるリスクもあるため注意が必要です。

それでは、自分の名前が検索結果にヒットしてしまうのはなぜなのでしょうか。また、自分の名前が検索結果に出てきたときには、どのように対処すれば良いのでしょうか。

本記事では、自分の名前が検索結果にヒットする理由や防ぐ方法、削除できない場合の対処法を解説します。

検索結果に自分の名前が表示されてしまう理由

スマホとタブレット、パソコン

検索エンジンで自分の名前がヒットする理由には、以下が挙げられます。

  • 個人名で発信している
  • メディアに掲載される経歴・業績がある
  • 他者が個人名を発信している

FacebookやX(旧Twitter)、InstagramなどのSNSアカウントやブログなどにフルネームで登録・発信している場合、検索結果に自分の名前がヒットします。この場合、更新頻度が高いほど、個人名でヒットしやすい傾向があります。

検索結果に自分の名前が出てくるもう一つの理由として挙げられるのが、過去にメディアに掲載されるような経歴や業績がある場合です。名前が検索されヒットする経歴の例は、以下のとおりです。

  • コンクール・大会などオフィシャルな大会で一定の成績を残した
  • 学術論文が掲載されている

企業や学校サイトに先輩の声として名前やコメントが掲載されている、所属する大学や病院などのサイトに自分の名前と経歴が掲載されているなどのケースもあります。

また、過去に事件を起こして逮捕歴があり、ニュース記事に名前が掲載されている場合、個人名のヒットにつながることもあります。

実際、過去に芸能活動をしており、引退して数年経つたつのにもかかわらず、過去の情報(いわれのないデマを含む誹謗中傷・本名を暴かれていたこと)などが検索エンジンから消えないという事例がありました。この方は法律事務所に相談して削除請求を行い、すべての情報削除を実現しました。

関連記事:過去の芸能等活動の削除

自分の発信・経歴や業績がないのにもかかわらず、個人名がヒットする場合に考えられるのが、他者が個人名で情報を発信しているケースです。特に、政治家やアーティスト、作家などの著名な人の場合、SNSやブログで自分の名前を公表していなくとも、他者が何らかの情報を公開しているケースも少なくありません。

SNSやブログなどは、インターネットを介して個人が自由に発信ができる場であり、本人に掲載の許可を得ずに個人名を掲載しているケースがあります。内容がネガティブ・ポジティブに限らず、個人名が書かれていれば検索には反映されてしまいます。

他人の投稿により個人名がヒットする場合、それが拡散されて風評被害につながるケースもあるため注意しましょう。

検索結果で自分の名前が表示されるのを放置するリスク

テーブルにビックリマークの書かれた木片が置かれている

個人名のヒットを放置しても問題ないと思う方もいるのではないでしょうか。しかし、放置すると誹謗中傷やプライバシー侵害のリスクがあるため注意が必要です。

誹謗中傷につながる可能性

個人名が検索結果に出ることがきっかけで、誹謗中傷につながるリスクがあります。誹謗中傷とは、悪口や根拠のないことを言ったりインターネット上に書き込んだりするなどして、他人を傷つける行為です。

自分の名前が検索結果に表示されている状況は、誰でも簡単に個人名が入手できる状態です。悪意のある人に個人情報が悪用されてしまうと、心ない人からの誹謗中傷を受ける可能性があります。

特に、SNSは容易に情報を拡散しやすく被害が大きくなる恐れもあるため、早めに対処する必要があります。

信用の低下につながる可能性

個人の名前が検索結果に表示されるリスクとして、周囲の人からの信用が低下する可能性も挙げられます。友人や家族に誹謗中傷の情報が広まると、信頼関係に悪影響を及ぼします。また、就職や転職で不利になるケースもあるため注意しましょう。

最近では、企業の採用担当者が選考対象者の個人名をインターネットで検索するケースが増えています。なぜなら、選考対象者がインターネット上でどのような情報を発信しているかを確認し、人となりを判断するためです。

選考対象者の名前を検索し、発信している内容を見ることで企業は候補者のネットリテラシーや機密情報を扱う際の信頼性を判断します。本人の投稿に自身の住んでいる場所や個人情報を掲載していたり、前の職場・クライアントの愚痴が書かれていたりした場合、候補者に対する評価が下がる恐れもあります。

インターネット上に嘘や悪い情報が拡散されてしまうと、周りの人から不審な目で見られるだけでなく、就職や転職で不利になる恐れがあるため、十分注意しましょう。

業務妨害を受ける可能性

ネガティブな情報が検索結果に出てくることにより、信用が低下した結果、業務妨害を受ける恐れもあります。特に、ヒット理由がコンクールや大会の表彰などではなく、炎上や風評被害である場合は注意が必要です。

ネガティブなイメージが拡散されてしまえば、就業先にも知られて職場にいづらくなります。また、取引先に知られると、関係が悪くなったり取り引きに悪影響が出るなど、業務妨害につながる恐れがあります。

プライバシーの侵害の可能性

個人の名前だけでなく住所や家族構成などの個人情報が公開されている場合、プライバシーの侵害になるリスクがあります。例えば、コンクールや大会などで好成績を収めてインタビューされた場合を考えてみましょう。

インタビューで自分の家族構成や住んでいる地域を話し、掲載メディアにその情報が掲載されると、検索結果に反映されてしまいます。ネガティブな書き込みがなかったとしても、名前以外の情報が表示されていることで、それを悪用して個人を攻撃するケースがないとは限りません。

また、SNSやブログでの投稿が炎上している場合、住所を特定しようとする人もいます。悪意を持った人が住所などの情報を拡散することで、プライバシー侵害の被害に発展する恐れがあります。

検索結果に自分の名前を表示させないために必要なこと

ポイントと書かれた文字

検索エンジンの結果に自分の名前がヒットしないようにするためには、以下の方法があります。

  • 媒体ごとにプライバシーの設定をしておく
  • サイト管理者へ削除依頼をする
  • 検索結果からの削除依頼を検討する

ここでは、それぞれの方法を詳しく解説します。

媒体ごとにプライバシーの設定をしておく

SNSで名前を公表している場合、検索エンジンで個人名がヒットするため、媒体ごとのプライバシー設定が欠かせません。ここでは、FacebookとX(旧Twitter)のプライバシー設定方法を解説します。

特に、Facebookでは実名での登録が必須な媒体です。初期設定のままだと検索結果に自分の名前がヒットしてしまうため、プライバシー設定を行いましょう。手順は以下のとおりです。

  1. Facebook画面の右上にあるプロフィール写真をクリック
  2. 〔設定とプライバシー〕を選択し、〔設定〕をクリック
  3. 左側に出てくる〔共有範囲と公開設定〕の項目の中の〔検索と連絡に関する設定〕を選ぶ
  4. 〔Facebook外の検索エンジンによるプロフィールへのリンクを許可しますか?〕を〔オフ〕にする

この設定を行った場合でも、プロフィールの情報やシェア情報などは検索エンジンの検索結果に表示されます。

Xでは、アカウントを鍵付きにすることでポストを非公開にし、検索結果でヒットしないようにできます。鍵付きにする手順は、以下のとおりです。(iPhone・Androidの場合)

  1. アプリの〔設定とサポート〕を選択
  2. 〔設定とプライバシー〕を選択
  3. 〔プライバシーと安全〕を選択
  4. 〔オーディエンスとタグ付け〕を選択
  5. 〔ツイートを非公開にする〕のチェックボックスをオンにする

ただし、鍵付きにすると、フォローの際には承認が必要だったり、リポストができなくなったりします。ただ単に、名前の検索をできないようにしたいなら、アカウント名を実名ではないものにするのがおすすめです。

サイト管理者へ削除依頼をする

特定のWebサイトやSNS、掲示板に自分の名前が記載されている場合は、サイト管理者へ削除依頼しましょう。サイト管理者と連絡を取るには、サイトの〔お問い合わせフォーム〕を利用します。

削除依頼をする場合は、以下の情報を記載しておくとよりスムーズです。

  • 投稿日時
  • 投稿されたURL
  • 削除してほしいカ所

また、日付やURLがわかるスクリーンショットも保存しておきましょう。

検索結果からの削除依頼を検討する

検索結果からヒットしないようにするため、検索エンジンに削除依頼しましょう。媒体別に非公開設定・削除ができたとしても、検索結果に出てくるケースもあるためです。

検索結果から削除されれば、検索しても自分の名前はヒットしなくなります。詳しい削除方法は後述します。

検索エンジンから自分の名前の検索結果を削除する方法

女性がパソコンを見ながら悩んでいる

媒体ごとにプライバシー設定や削除をしたとしても、検索結果に反映されるまでには時間がかかります。このような場合には、直接検索エンジンから自分の名前がヒットしないよう削除依頼をしましょう。

ここでは、GoogleやYahoo!JAPANで削除依頼する方法を解説します。

Googleに検索結果の削除を依頼するリクエストを出す

Googleの検索結果の削除依頼は、対象が個人情報かコンテンツなのかで分かれており、それぞれ以下のリンクから行えます。

  1. Google検索から個人的な情報を削除する
  2. Google上のコンテンツを削除する

自分の名前をはじめ、電話番号や住所などを削除したい場合は、1のフォームから、名誉毀損のように法的に問題があるコンテンツを削除したい場合は、2のフォームから申請をします。

Googleのポリシーについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:Google(グーグル)の口コミで名指しは名誉毀損になる?削除方法についても解説

Googleで検索結果に出た画像の削除リクエスト

Googleの検索結果に、自分に不都合な写真が出てくる場合、以下の手順で削除申請が可能です。

  1. Googleで問題の画像を表示させる
  2. 画像を右クリックして〔リンクのアドレスをコピー〕を選択する
  3. 古いコンテンツの更新の〔更新をリクエスト〕をクリック
  4. 新しいリクエストの該当する項目を選択し、〔次へ〕をクリック
  5. 画像タブを選び、コピーしたURLを貼り付けて送信をクリック

検索エンジンで画像が出てくるのは、Googleの所有していないサイトが原因です。そのため、まずはサイト管理者に削除依頼をする必要があります。

Yahoo! JAPANで検索結果の削除を依頼する

Yahoo! JAPANの検索結果を削除したい場合は、特定のウェブページを検索結果から削除に記載されている対処をする必要があります。Yahoo! JAPANでは、Googleと違って自分で申請ができないため、サイト管理者に連絡して対処してもらいます。

検索結果から自分の名前を削除するのが難しい場合の対処法

パソコンを操作している男性

削除依頼を申請しても、サイト管理者が削除してくれない場合は、弁護士に相談するのがおすすめです。弁護士に依頼すれば、サイト管理者に対して直接削除請求をするほか、法的な措置もスムーズに行えます。

削除請求する場合、通常の民事訴訟を選択することもできますが、民事訴訟には時間がかかるため、まずは時間をかけずに行える仮処分命令を申し立てます。仮処分命令とは、裁判の結果を待っていると申立人に不利益が生じる場合に、申立人の権利を守るための暫定的な措置です。

仮処分命令で削除を依頼する場合の手順は、以下のとおりです。

  1. 削除請求を申し立てる
  2. 裁判所による審尋(面接)
  3. 担保金の納付
  4. 裁判所が仮処分命令を発令
  5. 執行

担保金とは、違法、または不当な仮処分の執行により、相手側が受ける恐れのある損害を担保する費用です。

弁護士に削除依頼をすれば、法的措置を取るだけでなく、削除請求や担保金の納付など、手続きをスムーズに進めるためのアドバイスやサポートを受けられます。

また、専門知識と過去の事例をもとに最適な戦略を立て、必要な措置を迅速に講じることが可能です。これにより、削除の成功率を高められるうえ、その後の対応もスムーズに進められます。

まとめ:検索結果からの名前の削除については弁護士へ相談を

判決のガベルが書類の上に置かれている

自分の名前が検索結果にヒットする理由には、インターネット上で本名で活動しているケース以外にも、自身の経歴・業績が掲載されている場合もあります。自分の名前がヒットしたまま放置してしまうと、誹謗中傷やプライバシー侵害につながる可能性もあるため注意が必要です。

プライバシー設定をする、削除依頼をするなどの対策により、自分の名前を検索結果に対して非表示にできます。しかし、自分での対処が難しいケースも多いのが現実です。その場合は、弁護士に相談してください。

当事務所による対策のご案内

モノリス法律事務所は、IT、特にインターネットと法律の両面で豊富な経験を有する法律事務所です。近年、ネット上に拡散された風評被害や誹謗中傷に関する情報は「デジタルタトゥー」として深刻な被害をもたらしています。当事務所では「デジタルタトゥー」対策を行うソリューション提供を行っております。下記記事にて詳細を記載しております。

モノリス法律事務所の取扱分野:デジタルタトゥー

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

シェアする:

TOPへ戻る