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法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

風評被害対策

5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の書き込みの削除依頼の方法

風評被害対策

ネットで企業が誹謗中傷を受けた時の対応は?信用毀損罪とは

近年、インターネット上において様々な種類の匿名掲示板が増えています。その中でも、特に誹謗中傷が書き込まれやすいといわれるサイトとして5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)が挙げられます。

モノリス法律事務所では、5ちゃんねるに関して2016年以降投稿単体の削除につき303件、スレッド全体の削除につき15件の削除実績があります(2025年2月時点)。削除に要する期間はおよそ1週間と短く(注1)、クライアントの風評被害の拡大を防いできました。

注1:削除に要する期間はあくまで弊所の受任案件における目安となります。相手方の対応等によって前後するものであり、記載の期間に比べて長期化する可能性があります。

そこで今回、弊所に蓄積された知見をもとに、5ちゃんねるにおける風評被害対策について解説します。

風評被害対策全般については以下をご確認ください。

5ちゃんねるに関する解説

「5ちゃんねる」は、もともと「2ちゃんねる」として、1999年に西村博之(ひろゆき)氏によって個人サイトとして開設されました。2009年には利用人口が1100万人を超え、日本最大の匿名電子掲示板にまで成長し、運営会社の変更などを経て現在の「5ちゃんねる」へと改名されました。5ちゃんねるの特徴は、様々なジャンルのスレッド(掲示板のトピック)が存在し、ユーザーが匿名で自由に書き込みができる点にあります。ユーザーは掲示板を通じて他のユーザーと気軽に情報交換ができ、政治、経済から芸能、スポーツ、趣味に至るまで、あらゆる分野に関する議論が日々活発に行われています。

5ちゃんねるではどのような風評被害があるのか

5ちゃんねるは、匿名性と伝播性が極めて高いという特徴を持つため、個人や企業に対する誹謗中傷や虚偽の情報が広まりやすく、風評被害が発生しやすい掲示板であるといえます。特に、事実に反する悪評が拡散されたり、話題となっている事案と無関係な人物や団体が誤って非難されることがあり、これが風評被害を受けた個人や企業の社会的な評価を不当に低下させる原因となります。

実際に5ちゃんねるの掲示板を見てみると、具体的な個人名や企業名が記載されたスレッドが相当数立ち上げられていることがわかります。誹謗中傷の内容としては多岐にわたるものの、「〇〇株式会社は粉飾をしている」「株式会社△△は▲▲という違法行為をしている」「××は不倫している」等の書き込みが比較的目立ちます。これらの誹謗中傷を受けた場合、周囲から誤解を受けて不必要な軋轢を生むおそれがあります。

また、採用活動や融資の判断を受ける際に、求職者や金融機関の担当者が誹謗中傷記事を目にするようなことも想定され、不当なマイナス評価を受ける可能性があります。このように店舗や会社に対する誹謗中傷がなされた場合、事業そのものに対する風評被害は、はかり知れません。

5ちゃんねるでの風評被害対策における削除の手段

5ちゃんねるにおける書き込みを削除する方法は、大きく分けて裁判外での削除請求と裁判手続による削除請求に分かれます。

このうち、裁判外での削除請求は、書き込みがサイトの利用規約に違反することを理由とするものと、書き込みが違法であることを理由とする送信防止措置請求に分類できます。

また、裁判上の手続による削除請求は、仮処分によるものと、本案訴訟によるものに分けられます。

このうち本記事では、裁判外での請求である、サイトの利用規約違反を理由とする削除請求について詳しく説明します。

書き込みの利用規約違反を理由として削除請求する方法

利用規約違反を理由として、5ちゃんねるに削除請求を行う場合には、各スレッド内にある削除依頼フォームから請求を行うことができます。

もっとも、5ちゃんねるでは削除請求を受けたすべての投稿を削除するのではなく、削除ガイドラインに違反するもののみを削除しています。5ちゃんねるの削除ガイドラインでは、削除ガイドラインに定める削除対象に該当する投稿について、削除要請を受けたときのみ削除者(削除屋)が削除の措置を講ずることとされています。このため、削除を請求する場合には、どの投稿が削除ガイドラインのどの規定に違反するのかを認識して行う必要があります。また、原則として法人・団体に関する投稿については放置するとされているため、任意の削除請求において、企業に対する誹謗中傷に対し5ちゃんねる側が対応してくれることは少ないです。

5ちゃんねる・削除ガイドライン

噂が書き込まれた場合

「××は不倫している」といった根拠のない誹謗中傷の書き込みについては、削除ガイドラインに定める「誹謗中傷」に該当するとして、削除を請求することになります

私生活上の情報が書き込まれた場合

仮に書き込まれた情報が真実であっても人の私生活にわたる事項であれば、削除ガイドラインに定める私生活情報」にあたるとして削除請求することができます。例えば、不倫関係の書き込みにおいて「▽▽の店長Aが、ナンバー▼▼の車でB子と待ち合わせていた」といった情報は、真実であるか否かにかかわらず本来他人に知られたくない私生活上の情報であることから、削除ガイドラインに定める「私生活情報」に該当するとして、削除を請求することになります。

本名が書き込まれている場合

5ちゃんねるでは、人の氏名が書き込まれた投稿がしばしばあります。これが本名であれば、削除ガイドラインの「私生活情報」に該当するものとして削除請求をすることになります。こうした事例は、個人対個人の場合に限らず、店員に対するカスタマーハラスメントとして書き込みが行われる場合もあるため、企業においても注意が必要です。

もっとも、5ちゃんねる側が削除ガイドライン違反を認定することは少ないため、違法を理由とする裁判外での送信防止措置請求や裁判上の請求が主たる削除手段となります。

送信防止措置請求及び裁判上の請求に関しては、以下の記事で詳細を説明しておりますので、そちらをご確認ください。

まとめ:5ちゃんねるでの風評被害対策は弁護士に相談を

このように5ちゃんねるはユーザーが匿名で投稿でき、伝播性が強いという特徴を持つサイトであるが故に、誹謗中傷や風評被害の温床となりやすいという側面があります。

書き込みの削除を行うことは様々な手法がある中で、その中で適切な手法を見極め実効的な解決を図るためには、弁護士に依頼せずに自力で対応することは困難です。

そして、ネット上の誹謗中傷や風評被害への対策は、ITに関する専門的な知識が必要となるため、この分野について経験豊富な弁護士に相談することが重要です。

当事務所による対策のご案内

モノリス法律事務所は、IT、特にインターネットと法律の両面で豊富な経験を有する法律事務所です。近年、ネット上に拡散された風評被害や誹謗中傷に関する情報は「デジタルタトゥー」として深刻な被害をもたらしています。当事務所では「デジタルタトゥー」対策を行うソリューション提供を行っております。下記記事にて詳細を記載しております。

モノリス法律事務所の取扱分野:デジタルタトゥー

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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