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風評被害対策

嘘の情報を流すと罪になる可能性がある?弁護士に相談すべき状況も解説

風評被害対策

嘘の情報を流すと罪になる可能性あり!弁護士に相談すべき状況も解説

SNSやインターネット掲示板の普及により、個人が容易に自由な情報を発信できる時代になりました。中には故意に嘘の情報を流すケースもあり、災害時などには爆発的な拡散を招き、社会問題にもなっています。

SNSやインターネット掲示板で嘘の情報を流す行為は、単なる悪ふざけではすまず、罪を問われる可能性もあります。

本記事では、SNSなどに嘘の情報を流す行為が実際に罪に問われた事例を紹介し、被害に遭った際の対応策について詳しく解説します。加えて、なぜ弁護士への相談が必要になるのか、被害の状況別に説明します。

嘘の情報を流すと罪に問われる可能性がある

嘘の情報を流すと罪に問われる可能性がある

虚偽情報の流布自体を直接規制する法律はありませんが、その内容や結果により「信用毀損」、「偽計業務妨害」、「名誉毀損」などの罪に問われる可能性があります。

ここからは、罪に問われる具体的なケースについて解説します。

嘘の情報を流す行為自体を規制する法律はない

嘘の情報を流す行為自体を罰する法律はありませんが、近年において虚偽情報の流布が個人や企業に与える悪影響を問題視して、関係省庁において法整備が議論されています。嘘の情報は、選挙や災害、感染症流行時に社会に悪影響を与え、個人や企業の信用や経済的価値の低下を招きます。

信用毀損および偽計業務妨害に該当する場合

嘘の情報を拡散させ、他者の経済的評価を損なう事態を引き起こした場合、刑法第233条前段の「信用毀損罪」や同条後段の「偽計業務妨害罪」に問われる可能性があります。

刑法第233条(信用毀損及び業務妨害)

虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

e-Gov法令検索|「刑法第233条(信用毀損及び業務妨害)

【信用毀損罪】
信用毀損罪とは、虚偽の情報を意図的に流布して他者の信用を損なう罪です。信用毀損罪における「信用」は、経済的信用だけでなく、商品やサービスの品質に対する評価も含まれます。

また、信用毀損罪には、「虚偽または偽計」であることと「故意性」が必要です。真実の情報や善意の誤解による発言は信用毀損罪に該当しないものの、状況によっては名誉毀損など別の罪に該当するケースもあるため注意が必要です。

信用毀損罪に関する事例を2つ紹介します。

1つ目は、健康食品のサプリメントについて虚偽の低評価を通販サイトに投稿した女性が信用毀損罪に問われたケースです。投稿した女性は不起訴処分となりましたが、虚偽の低評価を女性に依頼した会社役員は罰金20万円の有罪となりました。

2つ目は、コンビニエンスストアで購入したジュースに異物を混入させて虚偽の申告をした事件です。この事件で、商品の品質に対する社会的信頼も信用毀損罪の対象であると認められました。

【偽計業務妨害罪】
偽計業務妨害罪とは、偽計を用いて人の業務を妨害したときに成立する罪です。偽計業務妨害罪の成立には、「偽計」「業務」「妨害」の3つの構成要件が必要です。

「偽計」とは、人をだましたり勘違いを利用したりする行為を指し、直接的なだましだけでなく機械や商品への不正工作も含まれます。

「業務」とは、継続的な事業や事務を意味し、営利目的のビジネスだけでなくボランティアやサークル活動なども対象です。

「妨害」とは、実際の業務運営の阻害だけでなく、妨害のおそれがある状態の発生も含みます。

これらの構成要件は、日常的な意味を超えて広く解釈されており、偽計業務妨害罪に該当する行為の定義は広範です。そのため、予想外の行為が罪に問われる可能性もあります。

偽計業務妨害罪に該当する主な事例は、以下のとおりです。

  • レストランに架空の宅配依頼をし、無駄な配達を強いる行為
  • ラーメン店に対し、悪意ある無言電話を繰り返しかける嫌がらせ
  • 販売中の食品に針などを故意に混入させる悪質な行為
  • 飲食店のアルバイトスタッフが、衛生管理を無視した不適切な行為を動画共有サイトで公開する行為
  • 電力使用量を不正に減少させるため、電力メーターを改ざんする行為

信用毀損罪・偽計業務妨害罪ともに、親告罪(被害者の告訴が必要となる犯罪)ではありません。ただし、警察による刑事事件としての立件の可能性は低いため、実際には被害者による告訴が望まれます。

名誉毀損に該当する場合

他人の不正確な情報を公開したり、事実無根のデマを嫌がらせ目的で流したりする行為は、刑法第230条1項に基づく「名誉毀損罪」に該当する可能性があります。インターネットやSNS上でしばしば問題となるのが、この名誉毀損罪です。

名誉毀損罪とは、公の場で具体的な事実を摘示(注1)しながら他人の社会的評価を低下させる行為を指し、真実かどうかは関係ありません。例えば、「Xさんが会社の資金を不正流用した」「Yさんが過去に刑務所に服役していた」「Zさんは不倫している」などの発言や投稿などが該当します。

「名誉毀損」とは名誉が傷つくことを意味しますが、ここでは「社会的な信用を損なう」と解釈され、単に不快や気分が悪いと感じるだけでは名誉毀損罪は成立しません。

注1:かいつまんで示すこと

刑法第230条1項(名誉毀損)

公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

e-Gov法令検索|「刑法第230条(名誉毀損)

【名誉毀損の成立要件】
名誉毀損で訴えるためには、次の3つの成立要件をすべて満たしている必要があります。

  • 公然性
  • 事実適示性
  • 名誉毀損性

1つ目の「公然性」とは、不特定多数の者によって認識される状態を指し、該当するのはインターネットやSNSでの投稿、報道媒体での報道などです。少人数への発言であっても不特定多数への波及の可能性があれば、公然性が認められる可能性もあります。

2つ目の「事実摘示性」とは具体的な事実が示されているケースを指し、内容が真実かどうかは問いません。事実の摘示がなく、単なる侮辱である場合は侮辱罪が適用される可能性もあります。

3つ目の「名誉毀損性」とは、社会的評価を低下させる内容を指し、誹謗中傷や悪評の流布が該当します。

さらに、名誉毀損の成立には個人の特定が必要です。実名がない場合でも第三者が容易に個人を特定できるケースでは同定可能性(投稿が誰を指しているのかについて、他者の立場からみてわかること)が認められます。

ただし名誉毀損の要件を満たしている場合でも、違法性阻却事由(通常であれば違法である行為が違法にならないような特別の事情)に該当すれば罪に問われません。

例えば食品業界において、原産地の虚偽表示が発覚したケースでは、消費者の健康や信頼に関わる重要な問題として社会全体の注目を集めます。公共性の高い事案が世間に拡散されることは一般的に、公益に資する行為です。

こうした情報を発信する際、信頼できる証拠に基づいていると判断される場合、名誉毀損には該当しない可能性が高いといえます。

名誉毀損罪は、親告罪です。加害者の刑事罰を希望するための告訴が必要となります。注意点として、名誉毀損罪の公訴時効は犯罪行為が終わったときから3年で、告訴期限も6カ月と期限が設けられているため、迅速な対応が必要です。

嘘の情報を流すことで罪に問われた事例

嘘の情報を流すことで罪に問われた事例

軽率な投稿や嘘の情報の拡散が思わぬ問題を引き起こすケースもあります。デマ情報の拡散による株価への影響や、リツイートにより嘘の情報をさらに拡散させる事例も少なくありません。ここでは、実際に罪に問われた具体的な事例を紹介します。

デマが拡散してしまい投稿者が名誉毀損罪で逮捕

令和元年(2019年)5月、新潟を拠点とするアイドルグループのメンバー5人に関するデマがSNS上で拡散されました。投稿者は、メンバーが違法薬物を使用しているかのような内容を投稿し、彼女たちの評判を著しく損なう行為をしました。この事件は、メンバーの社会的地位を意図的に落としめようとした事案として扱われ、投稿者は名誉毀損罪の容疑で2020年7月に逮捕されました。

SNS上の誹謗中傷問題に対する社会の認識が大きく変化したのは、令和2年(2020年)5月の女子プロレスラーが自ら命を絶った悲劇を契機に、SNS上での心ない投稿が関係していたとされています。この出来事以降、ネット上の誹謗中傷に対する取り締まりが厳しくなります。

企業のデマ情報が拡散し株価に影響が及んだ

企業に関するデマ情報の拡散は、深刻な風評被害をもたらし、株価に大きな影響を与える可能性があります。顧客の信頼喪失による売上減少や投資家の企業に対する信用不安の拡大、さらにはブランドイメージの低下などが株価を引き下げる要因として挙げられます。

株価下落の問題は、短期的な損失だけでなく長期的な企業価値の毀損にもつながりかねません。従業員のモチベーション低下や人材確保の困難さなど、企業運営全体に波及する恐れもあります。

例として挙げられるのは、東日本大震災後の福島県産農産物の買い控えや新型コロナウイルス流行時の社名に関係した株価下落、元従業員による事実に反する投稿での会社の信用低下などです。単なる個人の書き込みであっても風評被害が発生し、損害賠償請求につながる可能性があります。

個人の書き込みが大きな風評被害を引き起こした例として、2003年の「佐賀銀行デマメール事件」があります。同年のクリスマス、佐賀銀行が潰れそうとのデマ情報がチェーンメールで拡散し、450億円から500億円の取り付け騒ぎが発生しました。

女性が友人に送信した「佐賀銀行が潰れるらしい……」とのメールが広まり、各支店には預金を下ろす人々が殺到したため、佐賀銀行は記者会見を開いて噂を否定し、財務省福岡財務支局は緊急で声明を発表することにより事態の収束を図ることとなったのです。デマを広めた女性は信用毀損罪容疑で書類送検されましたが、不起訴となりました。

こうした事例は、単なる個人的な書き込みであったとしても、社会的に大きな風評被害を引き起こし、経済活動に大きな影響を与えるリスクを示しています。

デマをリツイートで拡散させた

リポスト(旧リツイート)行為は、他人の発信内容を援用する行為ですが、発信内容が名誉毀損の要件を満たす場合、たとえ、大元の発信者ではなくても、リポスト行為は名誉毀損とされる可能性があります。

なお、「リポスト」はX(旧Twitter)の機能に関する呼称ですが、他のSNSにも同様の機能が存在します。仕組みの細部は異なる場合もありますが、Facebookの「シェア」やInstagramの「リポスト」なども同じ仕様です。

実際に2019年9月には、元大阪府知事が名誉を傷つける投稿をリツイートしたジャーナリストを訴え、認められた事例があります。ジャーナリスト側は「情報提供の趣旨でリツイートしたに過ぎない」などと主張したものの、最終的に大阪高裁は一般論として「何のコメントも付けずにリツイートすることは、その内容に賛同する意思もあわせて示されていると理解できる」との判断を示し、大阪地裁の原判決を支持し、ジャーナリスト側の控訴を棄却してSNS利用者に警鐘を鳴らしました(大阪高裁令和2年6月23日判決)。

この判断は民事裁判での事例でしたが、刑事事件でも同様の解釈がなされる可能性もあります。そのため、第三者が発信したデマ情報の拡散は厳に慎むべきです。特に、多数のフォロワーを持つアカウントは影響力が大きいため、より慎重な行動が求められます。SNSユーザーは情報の真偽を確認し、安易な拡散を控える必要があります。

嘘の情報を流される被害に遭った場合の対応策

嘘の情報を流される被害に遭った場合の対応策

インターネット上で自分や自社に関する嘘の情報を流されると、個人の名誉や企業の信用が傷つくリスクもあります。このような事態に直面した際には、迅速かつ適切な対応が必要です。

ここでは、デマ被害に遭った場合における具体的な対策を次の3つのステップに分けて解説します。

  1. デマが拡散しないように投稿の削除を試みる
  2. 発信者開示請求を行い投稿者を特定した後に損害賠償請求を行う
  3. 警察への被害届・告訴状の提出を行い対応してもらう

以下で、それぞれについて詳しく解説します。

デマが拡散しないように投稿の削除を試みる

SNSやインターネット掲示板での誹謗中傷の拡散に対しては、投稿の削除と拡散防止が急務です。削除要請は運営会社やサイト管理者に直接連絡したり「お問い合わせフォーム」あるいは「通報ボタン」から依頼できたりするケースもあります。

しかし、権利侵害を法律的観点から具体的に説明できず、削除要請をしてもらえないケースもあります。そうした際には、弁護士に「削除仮処分の申し立ての裁判手続き」を依頼することにより、手間なくスムーズに削除要請が進められます。

ただし、情報が広範囲に転載されている状況では、完全な削除は困難です。そのような場合、会社であればプレスリリースなどを活用し、誤情報を打ち消す戦略を検討します。法務部と連携し弁護士へ相談するなど状況に応じて適切な方法の選択が重要です。

発信者開示請求で投稿者を特定した後に損害賠償請求を行う

発信者開示請求とは、プロバイダに対して、発信者の特定に資する情報の開示を請求することを指します。この請求を行い、投稿者を特定した後に、損害賠償を請求できます。これらの手続きは煩雑となるため、弁護士へ依頼することをお勧めします。

デマの発信者や拡散者の法的責任を追及するには、まず身元特定が不可欠です。投稿者を特定するためには2段階の開示請求を行います。

まず、「LINE」や「X」といったサイト運営者に対してIPアドレスの開示請求を行い、その後アクセスプロバイダ(au、NTTドコモ、ソフトバンクなど)に対して契約者情報の開示請求をしなければなりません。

発信者開示請求のおおまかな流れは以下のとおりです。

▼開示請求の手順

  1. まず、サイト運営者(「LINE」や「X」など)に対して、投稿者のIPアドレスとタイムスタンプの開示を求めます。しかし、サイト運営者は通常、裁判所からの正式な開示命令がない限り情報を提供しません。そのため、裁判所に「発信者情報開示仮処分命令申立」を起こします。
  2. IPアドレスが開示された後、IPアドレスからアクセスプロバイダ(au、NTTドコモ、ソフトバンクなど)を特定します。そして、そのアクセスプロバイダに対して投稿者の契約者情報(氏名と住所)の開示を請求します。この段階においても、基本的に裁判所からの正式な開示命令がない限り情報が提供されないため「発信者情報開示請求訴訟」の提起が必要です。

2022年10月1日に改正されたプロバイダ責任制限法により、サイト管理者とプロバイダへの開示命令を一体的に審理し、迅速な情報開示が可能となりました。

新設された「発信者情報開示命令」により、従来の手続きよりも早期に情報を保全し、手続きの負担も軽減されます。ただし、異議申し立てがある場合は従来の2段階の開示請求手続に戻るため、注意が必要です。

開示請求を行い、発信者の身元が特定できた場合、民事訴訟を提起して損害賠償を請求できます。個別の事例により異なりますが、一般的には発信者開示請求を行う費用の相場は、数十万円、加えて損害賠償を行う場合の費用は、100万円前後となることもあります。費用については、弁護士にお問合せください。

開示請求を行う際には、対象となる投稿が実際に名誉毀損に該当するのかどうかの慎重な検討が必要です。その一方で、投稿から時間が経過すると、特定に必要な記録が削除されてしまうため(プロバイダにおける記録の保存期間は3~6か月)、迅速な対応が必要になります。最善の方法を選択肢として、できるだけ早い段階での弁護士への相談をおすすめします。

発信者情報開示請求について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

関連記事:発信者情報開示請求とは?改正に伴う新たな手続きの創設とその流れを弁護士が解説

警察への被害届・告訴状の提出を行い対応してもらう

誹謗中傷の被害を警察に相談するためには、刑法上の犯罪に該当していなければなりません。警察は被害届を受理することで捜査を開始する場合もありますが、被害届の提出のみでは捜査を行われないケースが多いため、告訴状の提出が必要です。

告訴状の提出により、警察は捜査を進める義務を負うため、確実に対応してもらえます。なお、民事手続きの発信者情報開示請求により投稿者が特定されている場合、投稿者を知ったときから6か月以内に告訴するかどうかを決定する必要があります。

嘘の情報を流された時に弁護士へ相談すべき状況

嘘の情報を流された時に弁護士へ相談すべき状況

インターネット上で嘘の情報が流された場合、その影響は個人の名誉や企業の信用を大きく損なうリスクがあります。被害者自身で対応できるケースもありますが、状況によっては専門家の助言が不可欠です。

ここでは、嘘の情報の被害に遭った際に、弁護士への相談を検討すべき具体的な状況を解説します。削除依頼が拒否された場合や、権利侵害の説明が困難なケース、または裁判手続きや警察対応に行き詰まってしまうなど、弁護士の専門知識が問題解決の鍵となるシーンを詳しく紹介します。

削除依頼に対応してもらえなかった

インターネット上の嘘の情報に対し、自ら削除依頼を行っても対応してもらえないケースがあります。このような状況下では、弁護士への相談が有効な選択肢です。

弁護士に削除依頼を依頼する最大のメリットは迅速に対応できる点です。専門知識がない場合、削除依頼の文面や手続きには多大な時間と労力がかかりますが、IT分野に詳しい弁護士であれば、迅速に行えます。

ネット記事の削除依頼では、サイト管理人との交渉や追加書類の送付、さらにはサイト運営者やアクセスプロバイダとのやり取りなど予期せぬ対応が必要になるケースもあります。

これらの煩雑な手続きも、弁護士に一任することにより代理人としてこれらの作業してもらえるため、依頼者の時間的制約に縛られず、削除請求のスムーズな進行が可能です。

権利侵害されていることを法律的に説明できない

投稿内容の削除要請や発信者情報開示請求を行う際には、具体的にどの権利が侵害されているかを明確に主張する必要があります。しかし、権利侵害の立証は専門知識を要する複雑な作業です。

名誉権やプライバシー権、著作権、肖像権などの権利が関係する場合もあり、それぞれの権利の範囲や適用条件を正確に把握し説明することは困難をともないます。

このような専門的な法的知識や経験が必要な場面で、自分一人での対応に不安を感じるのは当然であり、そのような場合には、弁護士への相談が有効な選択肢です。弁護士は法的な観点から状況を分析し、適切な権利侵害の主張を行えます。

裁判において開示請求を依頼する知識がない

裁判における発信者情報開示請求の際には、弁護士への依頼が望ましい選択肢です。この手続きは法的な専門知識を要するため、本人が単独で手続を進めるのは困難を伴います。

弁護士に委任することで、効率的かつ適切に進行できる可能性が高まります。例えば、投稿内容が侵害している権利(名誉権・プライバシー権・著作権・肖像権など)を明確に説明しなければなりません。これらの専門的な概念を適切に扱うには、法律の専門家の助言が不可欠です。

発信者情報開示請求や削除要請を行う際は、弁護士のサポートを受けることで円滑かつ効果的に問題解決に臨めます。

警察に対応してもらえなかった

刑事告訴には、迅速な捜査と報告義務があり「警察が動いてくれない」といった不安や不満は解消されます。しかし、実際には告訴は受理されにくいのが現状です。

受理されるためには、警察の「受理できない理由」を一つずつクリアする必要があります。そのためには、刑事告訴や被害者支援に実績のある弁護士への相談が有効です。弁護士は、受理されやすい告訴状の作成や証拠収集を行い、専門知識を活かして刑事告訴の支援を行います。

それでも警察が動かない場合には、弁護士が警察の窓口に同行し、法に則った告訴状の受理を強く働きかけ、さらには検察への直接告訴などの幅広い手段で被害者を支援することも可能です。

まとめ:嘘の情報を流されたら弁護士に相談を

まとめ:嘘の情報を流されたら弁護士に相談をして対応方法を決めましょう

嘘の情報が流された場合、被害者の経済的な利益や信用、あるいは名誉が傷つけられてしまいます。こうした状況においては、まず嘘の情報の拡散を防ぐために早期に投稿を削除する必要があります。

次に、発信者の特定が必要です。発信者開示請求を行い、投稿者を特定した後に損害賠償請求を行います。これらは裁判所の法的手続きであり、弁護士の助力が欠かせません。また、警察への被害届や告訴状の提出も重要なステップです。警察に対応してもらうことで、より確実な対応が期待できます。

こうした一連の手続きを弁護士に依頼することで、削除依頼が受理されなかったり、権利侵害の説明が難しかったりするリスクを軽減できます。また、裁判における開示請求や、警察への刑事告訴においても、弁護士であればスムーズな対応が可能です。

嘘の情報を流された際には、まずは弁護士に相談し、最適な対応方法の検討をおすすめします。法的な観点から適切にアプローチすれば、被害を軽減し迅速な問題解決が図れます。

当事務所による対策のご案内

モノリス法律事務所は、IT、特にインターネットと法律の両面で豊富な経験を有する法律事務所です。近年、ネット上に拡散された風評被害や誹謗中傷に関する情報を看過すると深刻な被害をもたらします。当事務所では風評被害や炎上対策を行うソリューション提供を行っております。下記記事にて詳細を記載しております。

モノリス法律事務所の取扱分野:上場企業等の風評被害対策

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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