したらば掲示板における風評被害対策とは?
2ちゃんねると双璧をなすネット掲示板といえば、したらば掲示板です。掲示板自体を無料でレンタルできるサービスが特徴です。閲覧したり、なかには自分でスレッドを立てて掲示板を持った経験がある方もいるでしょう。ただ、様々なジャンルの掲示板が作成できるので、その分風評被害が生じる可能性もとても高いです。本記事では、したらば掲示板で生じやすい風評被害の内容を対応策とともに解説していきます。
この記事の目次
したらば掲示板とは?
したらば掲示板は「2ちゃんねる」の創設者の西村博之さんが開設した電子掲示板です。レンタル掲示板形式を採用しており、誰でも無料で掲示板を持つことができます。映画や芸能など様々なジャンルがあるので、基本的には自分の好きな話題の掲示板を自由に作ることができます。もちろん、自分の掲示板内のスレッドは自由に作成できますし、デザインの変更やカスタマイズも簡単に可能です。また、最新の投稿がされたスレッドが一番上に表示される「スレッドフロート型」の掲示板である点も大きな特徴です。このように、したらば掲示板は使い勝手が良いこともあり多くの人に利用されています。利用者が多い分、誹謗中傷目的の投稿がされる危険性も高いといえるでしょう。専門的な内容の掲示板・スレッドが多く見受けられるため、投稿者同士の価値観や想いが対立し、いざこざに発展するケースもあります。2ちゃんねると同じく匿名性が高いため、他者への暴言や悪口など攻撃性の高い投稿もよく見受けられます。
したらばに投稿される風評被害(誹謗中傷)の内容とは?
したらばには色々なジャンルの掲示板があるため、風評被害の内容としては様々なものが考えられます。なかでも代表的な風評被害を下記で紹介します。
就活生からの企業に対する悪評
したらば掲示板は、就活生の利用が多いのが特徴です。企業の採用HPや就職支援サービスなどからでは入手できない企業情報や採用試験に関する情報がゲットできると、2016年ごろから注目を集めています。一方、不採用に終わった就活生から人事担当者や選考過程に関する誹謗中傷の投稿が行われることが増えてきました。自分が落ちた憂さ晴らしを掲示板の中でしているのです。例えば「この企業の選考は形だけで、採用者のほとんどは縁故採用だ」「人事担当者の〇〇という人物から、面接で人格否定の言葉を浴びせられた」などです。このような書き込みがされると、企業のブランドイメージが落ちてしまい困りものです。
プライバシーの侵害
したらば掲示板では、特定の人物の個人情報を漏らすような投稿がされる場合があります。例えば、芸能人関係のスレッドも多くあるので、その中で芸能人の個人的な情報が投稿される可能性があります。「△△は中学生のころ、地元でも有名な不良グループに入っていた」「近所のスーパーで△△が店員にクレームを言っているのを見かけた」といった書き込みがされると、イメージが命の芸能人にとってはかなりの痛手ですよね。また、芸能人に限らずですが、特定の人物に恨みを持つ者が無差別に様々な掲示板に個人の住所や氏名などを書き込む恐れもあります。近年ではリベンジポルノといって、過去の交際相手が、関係が良好だったころのパートナーの性的な動画や写真をネットに公開するケースが目立ちます。リベンジポルノも他人のプライベートな部分を無断で公表しているので、プライバシーの侵害にあたる可能性が高い行為のひとつです。
名誉毀損
名誉毀損とは不特定多数の人の目が届く環境で、特定の人物の社会的価値を落とすような言動を行うことです。例えば、事実無根にもかかわらず「Aという会社のB課のC課長は、会社の金を横領している」といった投稿がされると、名誉毀損に該当する可能性が高いでしょう。
したらば掲示板の書き込みを規約違反で削除するにはどうする?
自分や自分の所属する団体への誹謗中傷の投稿を見つけたら一刻も早くその投稿を削除するための、したらば掲示板の書き込みを規約違反で削除する方法を解説します。
したらば掲示板の利用規約
したらば掲示板の利用規約に違反する内容の投稿であれば、削除に成功する可能性が高いです。したらば掲示板の利用規約では、以下の通り禁止事項を定めています。
誹謗中傷の投稿に使えるのは「2.名誉を毀損する行為」や「5.プライバシーを侵害する行為」などが該当するでしょう。例えば、上記で紹介した「会社の金を横領している」との書き込みだったら「2.名誉を毀損する行為」に該当するとの主張が可能です。
注意して頂きたいのは、したらば掲示板の運営側(シーザー株式会社)が自ら誹謗中傷の書き込みの削除を行うことはないという点です。利用規約第4条の中で「基本的に掲示板上のトラブルや削除依頼に関しては、掲示板管理者の自己判断と責任で対応を行っています。運営者はあくまでシステムを提供しているにとどまり、原則掲示板の内容に手を加えることはありません」と明示されています。
したらば掲示板の投稿を規約違反で削除する方法
通常は規約違反による削除請求は、サイト運営者に行うより他ありません。ただ、したらば掲示板の場合、各掲示板の管理・運営はレンタルしている掲示板管理者に一任されています。そのため、掲示板管理者に削除請求を行うことも可能なのです。したらば掲示板の「お問い合わせに関する注意事項」には「削除依頼に関しては掲示板管理者への依頼をお願いしております」と書かれているため、まずは掲示板管理者に削除依頼を行いましょう。
掲示板管理者に削除依頼を行う方法ですが、各掲示板の一番下に「掲示板管理者に連絡」というボタンがあるので、そこをクリックしましょう。すると「掲示板管理者へお問い合わせ」の画面が表示されるので、必要項目を記入します。
掲示板運営者が削除依頼に応じてくれない場合、したらばのサイトを運営する「シーサー」に削除請求することになります。したらば掲示板のトップページの右下にある「お問い合わせ」から問い合わせフォームに飛ぶので、必要事項を記入しましょう。「本文」の部分にはスレッドやコメントのURLなどを記載し、削除したい箇所を明確にしてください。また、利用規約のどの部分に違反するのかについても記載したほうが良いでしょう。
違法だとして削除請求する場合
違法だとして裁判を起こす場合、名誉毀損や侮辱罪、プライバシーの侵害などを主張することになります。名誉毀損を主張するなら「公然と」「事実を適示し」「人の名誉を侵害する」という3つの条件に当てはまっていると法的な観点から述べる必要があります。この主張を素人だけで行うのはかなり難しいので、弁護士に依頼するのがおすすめです。弁護士にも得意分野や不得意分野があるので、ネットでの誹謗中傷に強い弁護士を探しましょう。
仮処分による削除を請求する場合
違法を主張する場合、現実的には裁判ではなく仮処分の手続きを行うほうが一般的です。仮処分とは、実質的な審理の前に、要求通りの状況を実現させることを意味します。裁判を行うと削除までに時間がかかりますが、仮処分なら裁判を経ずに削除命令を出せるので、スピーディーな削除が可能です。誹謗中傷の投稿をそのままにしておくと風評被害が広がる一方ですから、一刻も早く削除しなくてはなりません。ただ、仮処分といっても裁判と同様、法的な議論は行い裁判所を納得させる必要があるので、ご注意ください。
仮処分による投稿者特定
仮処分では、削除請求だけでなく投稿者を特定することも可能です。投稿の削除が成功しても投稿者が誰だか分からないと再犯の恐れがありますが、投稿者を特定できればもう二度と誹謗中傷の書き込みは行わないでしょう。投稿者特定の流れですが、まず運営元に対し、投稿者のIPアドレスの情報開示請求を行います。IPアドレスの開示に成功したら、投稿者が利用しているプロバイダに対し、投稿者の住所や氏名などの情報開示請求を行います。つまり、二度開示請求を行う必要があるのです。削除に比べ手続きが面倒かもしれないですが、抜本的な解決につながるメリットがあります。
まとめ
したらば掲示板の風評被害の内容や対策法について解説しました。したらば掲示板は掲示板自体を無料でレンタルできるサービスを行っており、国内での利用者はかなり多いです。そのため、風評被害が生じる可能性も高いといえるでしょう。名誉毀損など誹謗中傷の書き込みを発見したら、まずは掲示板運営者に削除請求を行ってください。運営者が対応してくれなければ、運営元のシーサーに問い合わせてみましょう。それでもだめなら、弁護士に依頼し違法を主張するのも一つの手段です。迅速に削除できるよう、仮処分での手続きを行うことをおすすめします。
カテゴリー: 風評被害対策