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法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

風評被害対策

エクスペディア(Expedia)のレビュー削除方法と風評被害対策について

風評被害対策

エクスペディア(Expedia)のレビュー削除方法と風評被害対策について

海外旅行によく行く人などはエクスペディアを利用経験があるのではないでしょうか。エクスペディアは国内外の旅館・ホテルや航空券の予約が取れる旅行予約サイト。日本だけでなく世界各国で利用されています。サイトを通して予約し実際にホテルを利用した人からのレビューが認められているため、誹謗中傷の投稿、それによる風評被害の可能性が考えられます。本記事では、エクスペディアの風評被害の内容や対策について解説していきます。

エクスペディアにおける解説

エクスペディアは国内外の旅館・ホテルや航空券の予約が取れる、グローバル規模の旅行予約サイトです。契約施設数は世界50万軒以上・航空会社は400社にも及び、世界31カ国に拠点を備えています。(2018年12月時点)国ごとにローカライズ化されており、ほぼどのような言語にも対応しています。運営会社はアメリカに本拠を構えるエクスペディアグループで、もともとはマイクロソフト社の旅行予約システム部門から始まりました。エクスペディアオンライン旅行会社の中では世界有数の売上高を誇ります。ここまで、世界中に利用者が多いサイトとなった一番の理由は、リーズナブルな価格です。安さの秘密は、航空券とホテルを同時予約すると最大でホテル代が全額オフになるというパッケージプランを提供していることです。

つまり、エクスペディアで予約すればホテル代が無料になる可能性もあります。加えて、ホテルはハイシーズンでも通常価格だし、航空券は手数料がかかりません。また、会員限定のクーポンが使えるのも、エクスペディアの強みです。会員になればメルマガで、メールだけのお得なクーポンが配布されます。例えば、曜日限定ホテル半額オフセールのクーポンなどが届くことがあります。直前まで予約可能で、使いやすいこともメリットのひとつでしょう。個別のホテルのページではレビューが見れますが、エクスペディアで予約し実際に宿泊した人だけがレビューを書けるので、信頼できる内容です。知っておいてほしいのは、エクスペディアは評判が悪いことで有名だという点です。キャンセルしたのにクレジットカードからホテル代が引き落とされていた、カスタマーサポートの対応が悪いなどの口コミが寄せられています。利用に慣れているならトラブルは起きる可能性は低いですが、はじめての利用の際は十分注意するようにしましょう。

エクスペディアで考えられる風評被害の内容

エクスペディアで考えられる風評被害の内容

上述した通り、エクスペディアではホテルのレビューが確認できます。そのレビューでホテルに対する誹謗中傷の投稿が寄せられれば、ホテルの評判が落ち、利用者の減少につながる可能性もあります。以下、実際にどのような風評被害があるのか、具体例を紹介します。

部屋の清潔度

レビューの際は、部屋の清潔度を5段階評価でつけることになっています。ホテルの部屋が汚いと、せっかくの楽しい旅行も気分を害してしまいます。実際に、清潔度に関するレビューには以下のような内容がありました。

  • 和室に宿泊したが、少し畳が汚れていた
  • 設備が古くなってきている
  • お風呂場の壁がはがれている
  • ふとんに落ちないシミがついている
  • タオルが汚れている
  • 部屋に入ったら嫌な臭いがする
  • 虫がたくさん出てびっくりした 等

あのホテルは汚い・虫が出る等の評判が立つと、利用者は減少してしまうかもしれません。

部屋の快適度

清潔度同様、部屋の快適度も5段階評価でレビューします。ホテルの部屋では、観光での疲れを取るだけでなく、自宅では感じられない居心地の良さを味わいたいもの。実際に、以下の内容の投稿が見受けられました。

  • アメニティグッズの揃えが悪い
  • レンタルできる物の数が少ない
  • 景色が良くない
  • 壁が薄く隣の声が聞こえる 等

部屋が快適ではないホテルでは、利用を躊躇してしまうでしょう。

サービス及びスタッフの対応

サービス及びスタッフの内容に関しても、5段階評価の対象のひとつです。ホテルは旅行者にとっては特別な場所ですから、紳士的で丁寧な心のこもった対応をしてほしいと願う人は多いはずです。レビューの中でも、スタッフの応対に関する内容は数が多いです。サービス及びスタッフの対応に関するレビューの内容を、以下に一例を記します。

  • 楽しみにしていたホテルのレストランが利用できなかった
  • ビュッフェ朝食がしょぼい
  • 傘一本貸してくれないホテルは最低
  • 電球が切れかけていた
  • フロントスタッフはマニュアル通りの対応で親切さにかける
  • 接客がすごい良い従業員とぶっきらぼうな従業員がいて、サービスにムラがあるように感じる。社員教育をしっかりしてほしい
  • ドタキャンの対応をした女性スタッフが、客の前で不満を漏らしていた
  • スタッフは忙しいせいか無視された 等

サービスのクオリティやスタッフの対応に問題があるホテルという評判が立つと、利用者が減少する可能性が高いです。

ホテルのコンディション

  • 主要都市からのアクセスが良くない
  • 周りが住宅街のため、飲食店が少ない
  • 駐車場が離れている
  • 送迎バスの案内が分かりにくい
  • 周りがビルに囲まれ眺めが悪い

利便性に問題があるホテルは、利用をためらわれてしまいます。特に妊婦や高齢者の方の旅行では、その傾向が顕著でしょう。このように、ホテルに関するサービスについては、様々な面で誹謗中傷の投稿がなされる可能性があります。あなたが運営したり勤務したりするホテルに対する誹謗中傷の書き込みを発見したら、一刻も早く削除したいと思うはずです。次に、エクスペディアに寄せられた誹謗中傷の書き込みを削除する方法を紹介します。

エクスペディアの投稿を規約違反で削除する方法

エクスペディアの投稿を規約違反で削除する方法

エクスペディアの「Vrbo お客様利用規約」では、エクスペディアに口コミを送信した時点でユーザーは以下の内容に同意したものと見なされると記載しています。

「お客様が弊社のサービスに送信 (または他者に送信を許可) する本コンテンツについて、お客様がその法的権利および権限を持つこと、ならびにお客様が弊社のサービスに送信 (または送信を許可) する本コンテンツに商標その他の保護された名称またはマークが含まれている場合、お客様がこれらの名称またはマークを使用する法的権利および権限を持つこと」

Vrbo お客様利用規約より

エクスペディアが本規約内で許諾された権利とは、以下の内容です。

「弊社のサービスに本コンテンツを送信 (または送信を許可) することにより、お客様は、弊社のグループ企業に対し、その本コンテンツを、現在知られているまたは今後考案されるあらゆる媒体において、あらゆる目的のために使用、複製、変更、翻案、翻訳、配布、公開、派生物の作成、および公に表示し、実演するための、世界的、非独占的、使用料無料、永続的、譲渡可能、取消不能、および完全にサブライセンス可能な権利を付与します。」

「お客様が本コンテンツに氏名表示権、同一性保持権、その他の著作者人格権を保持している場合であって、可能なときは、お客様はこれらを主張する権利、および本コンテンツまたはその二次的著作物に関連して個人を特定する情報を使用することを要求する権利を放棄することに同意し、弊社のグループ企業または弊社のライセンシーによるお客様の本コンテンツの公開、使用、変更、削除、または利用に対して異議がないことを確約します。」

Vrbo お客様利用規約より

「弊社のグループ企業または弊社のライセンシーによるお客様の本コンテンツの公開、使用、変更、削除、または利用に対して異議がないことを確約します。」とあるため、エクスペディア側で不適切だと判断された口コミは、削除される可能性はあるということです。

問題は、削除の基準ですが「コンテンツガイドライン」のなかでは、送信するコンテンツは、以下の条件に従わなければならないと記されています。

コンテンツガイドラインの画面より

つまり、自身の体験に基づかない虚偽の内容や、「泊まる価値が無い」「時間と金の無駄」など侮辱的なコンテンツは十分削除の対象となると言えます。ただ、これらはあくまでエクスペディア側の判断で行うものです。エクスペディアが問題ないと判断すれば、あなたが誹謗中傷に該当すると思う投稿でも削除されることはありません。どうしても削除したいレビューがあるのなら、自らサイトに対し削除請求を行う必要があります。削除専用の問い合わせフォームは存在しないため、カスタマーサポートに問い合わせしてみましょう。フォームから氏名・メールアドレスを記載したうえで、メッセージ欄に削除請求したいと記載してください。その際は、該当する口コミのURLや削除したい部分、規約のどの箇所に違反するのかといった事項も伝えるとカスタマーサポートの担当者も分かりやすいでしょう。

エクスペディアのレビューを違法を主張し削除請求する場合

エクスペディアに削除請求を行っても対応してもらえないのであれば、裁判所に対して違法を主張する方法も考えられます。違法の場合、多くは名誉毀損を主張します。名誉毀損は「公然と」「事実を適示し」「他人の権利を侵害する」の3要件が必要です。該当のレビューがこの3要件に満たしていることを、法的な観点から主張しなくてはなりません。このような主張は素人のみでは難しいので弁護士に依頼することをおすすめします。ただ、上記の要件を満たしても「公益性・公共性」が認められると、名誉毀損は成立しないので注意してください。例えば「ホテル内のカジノで違法賭博が行われていた」という投稿はそれが事実であれば、犯罪の情報提供となるため、たとえホテルの評判が落ちたとしても名誉毀損は免れるのです。

エクスペディアのレビューを仮処分により削除する方法

エクスペディアのレビューを仮処分により削除する方法

裁判を行わなくても、仮処分によりレビューの削除という目的を達成することは可能です。仮処分とは、実質的な審理の前に請求の内容が実現された状況をもたらすことで、スピーディーにことが進むため、一般的に多く利用されている手法です。ただ、仮処分の場合でも裁判と同様、法律的な議論を行い裁判所を納得させることが不可欠なので注意が必要です。

エクスペディアのレビューの投稿者を仮処分により特定する方法

仮処分では、削除請求の他、レビューの投稿者を特定することも可能です。投稿者を特定できれば、その者による再発を防ぐことができます。より根本的な解決につながりやすい方法といえるでしょう。ただ、投稿者の特定は削除請求よりも手続きが複雑なので注意してください。まず、エクスペディアの運営元に投稿者のIPアドレスの開示請求を行い、IPアドレスを入手出来たら、プロバイダに対し住所や氏名など投稿者の個人情報の開示請求を行うという流れです。つまり、2種類の請求が必要となるのです。プロバイダ側も個人情報保護の要請があるため、情報開示に簡単に応じない可能性も高く、一筋縄ではいかない方法なので覚悟しましょう。

令和4年(2022年)から始まった発信者情報開示命令事件制度に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ

エクスペディアの風評被害に関して、様々な対応策などを紹介してきました。エクスペディアは掲載されたホテルについて、利用者からのレビューが可能なため、風評被害が生じる危険はあります。「コンテンツガイドライン」を利用し、サイトに直接削除請求を行うほか、裁判所に対して違法を主張する方法も考えられます。違法を主張する場合、法的な議論が必須なので専門家である弁護士に依頼するのがおすすめです。

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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