ウエディングパークの口コミを削除する方法
この記事の目次
ウエディングパークとは
「ウエディングパーク」とは、株式会社ウエディングパークが運営する業界最大手の結婚式場のクチコミサイトです。ブライダル専門サイトとしては日本最大級で、全国約4500の結婚式場が掲載されています。主な特長は口コミの検索方法、内容が豊富なことです。口コミの検索方法は、エリア、雰囲気、公式見積り、ブライダルフェア、口コミランキングなどから様々で、また内容は、口コミのほか、フォトコミ(写真投稿)、費用明細(実際に結婚式にかかった金額、持込内容など)が掲載されているため非常に充実しています。
結婚式は多額の費用がかかる上、人生の一大イベントと位置付けられるためじっくり慎重に選ばれる方も多いでしょうから、これから結婚式を考えている人にとっては、結婚式を実際にあげた人の感想は非常に役に立つといえ、式場選びの重要な材料になるといえるでしょう。このようにウエディングパークでは口コミの影響力が大きいので、ポジティブなクチコミが増えれば式場の集客につながりますが、ネガティブな口コミ評価は式場のマイナスイメージにつながり、来館予約数が減少してしまうことも考えられます。またウエディングパークを利用していないユーザーにも、式場名を検索したらネガティブな投稿が目に止まってしまうこともあります。そして、ウエディングパークは匿名の投稿ができるため、ネガティブな投稿や、誹謗中傷に近い投稿による被害を受けるリスクも十分に想定されます。
ウエディングパークにおける口コミとは
ウエディングパークでは、下見の口コミ、挙式の口コミを投稿することができます。そして、口コミの項目としては、挙式会場、披露宴会場、コスパ、立地、ロケーション、スタッフなどを5段階評価し、これらを総合し分析したものが、式場のページに「満足度平均」「結婚式費用平均」「会場のイメージ」の円グラフとして表示されます。また文章で感想や写真を投稿することができます。感想は、かなり詳細に記述されたものが多く、例えば「〇〇という会場は海の景色が見渡せて綺麗だった」「料理はこのコースのメイン料理の△△がイメージ写真より小さかった」「会場にはスロープがあり車椅子の祖母でも上がることができた」など、メリットデメリットの両方を含んだ、検索だけでは知ることが難しい情報が、細やかに記述されています。その他、Googleなどの検索エンジンで「〇〇ホテル(具体的な式場名)+口コミ」で検索すると、検索結果の上部にウエディングパーク内のクチコミ投稿と満足度平均が表示されます。
ウエディングパークに投稿されるネガティブな口コミとは
ウエディングパークでは、全体的にはポジティブな感想がとても多く、結婚式場のイメージアップや集客につながるようなクチコミが多いです。また、クチコミ専任チームによる監視が365日行われていることもあり、読みやすく有益と思われる投稿が中心です。低評価であれば直ちに悪質な投稿とは言えませんが、ウエディングパークは誰でも登録が可能で、匿名性が高いサイトであるため、中には風評被害につながりやすい悪質な投稿が存在します。
監視体制があるにも関わらずこのような投稿があるのは、誹謗中傷なのか、評価を下げざるを得ない事実が実際に存在しそれ基づいて書かれたネガティブな投稿なのか、運営者としてはわかりづらく、放置されているケースもあるからです。
例えば下記のような投稿が、電話番号に関するネガティブな投稿であるといえるでしょう。
不満を過剰に表現した口コミ
まずは不満や欠点を記述したクチコミが考えられます。ウエディングは人生の一大イベントであり、またたくさんのゲストをお迎えするものなので、慎重に選んで挙げられる方が多いです。その中で、トラブルが発生したり、納得ができない対応やポイントがあり100%満足とまでは行かずに終わってしまうことは、残念ながらありうることです。そして、そうしたハプニング・トラブルの対応に対する不満を口コミに反映することは、式場にとってはマイナスですが、選ぶ側にとっては生の体験談として有益な情報であることも多く、一概に悪質な口コミということはできません。もっとも、「クチコミ投稿ガイドライン」では「会場への個人的クレームやトラブル、またはそれを想起させるような投稿」が禁じられています。これに当たる場合は、その情報が内容真実であり、情報の受け手にとって有益な情報であっても、トラブルについては公正な判断が難しい為、利用規約違反にあたります。そのためトラブルについて書かれた内容が掲載されてしまっている場合は削除対象になりうるでしょう。
真実でない内容に基づく口コミ
次に考えられるのは誤情報や事実と反する記述を含む口コミです。投稿者に営業妨害の意図が無く誤解に基づく記述だったとしても、それが真実と反するのであれば削除をすべきでしょう。例えば、投稿者が申し込んだブライダルパックプランはC会場限定のプランなのに、「A会場で挙げたかったのに選ばせてくれませんでした」という口コミが書かれていた。などです。これは、そもそもA会場が選べないプランなのにこのような書きぶりでは式場に不手際があったような印象を与えかねません。他にも、「ここの結婚式場はスタッフ研修がないらしく接客態度が悪いという噂です」という伝え聞きの情報も考えられます。こうした勘違いや事実に反する誤情報は、式場としては、速やかに削除されないと大きなダメージを受けるものと言えるでしょう。
根も葉もない噂や誹謗中傷
ウエディングパークでは、電話番号の認証を推奨し、認証済の投稿者には認証済みマークを明示することでより信ぴょう性の高い情報を提供できるよう取り組んでいます。そうだとしても、認証を受けなくても投稿することができ、また匿名投稿ですので、やはり当該式場に対する誹謗中傷や従業員に対する風評投稿などが行われるケースもあります。
利用規約違反で削除請求する方法
クチコミ投稿ガイドライン
ウエディングパークでは「クチコミ投稿ガイドライン」を定めています。このガイドラインには掲載ができない口コミの例が列挙されています。そして、「ウエディングパーク側で不適切と判断した場合には、該当のクチコミを非公開とさせていただく場合がございます。」とあります。
ウエディングパーク利用規約
「ウエディングパークグループ サイト利用規約」第5条 会員による投稿には、クチコミの削除対象となりうるものについて説明しています。
3. 会員は、対象となるコンテンツの投稿ガイドライン、第10条第1項その他本規約等の定めにしたがい、当該コンテンツの趣旨に沿った内容の投稿を行うものとします。
ウエディングパークグループ サイト利用規約 第5条(一部抜粋)
4. 会員の投稿内容を公開するか否か、一度公開された投稿を非公開とするか否かについては、弊社の裁量により決することができるものとし、弊社はその判断についての説明義務を負わないものとします。
第10条 禁止行為、損害賠償
ウエディングパークグループ サイト利用規約 第10条
- 弊社はユーザーに対し、運営サイトの利用に伴う以下の行為を禁止します。
- 法令等(法律、命令、規則、条例、指針、公的なガイドラインその他これらに準じるもの)又は本規約等に違反するおそれのある行為
- 弊社又は第三者の財産権、知的財産権、肖像権、プライバシー権その他の権利又は利益を侵害するおそれのある行為
- 弊社又は第三者を誹謗中傷する行為、公序良俗に反するおそれのある行為
- 弊社の承諾なく運営サイトを自己又は第三者の営利・宣伝、勧誘のために利用する行為
- 運営サイトを犯罪行為の手段として利用する行為、反社会的勢力への利益の供与等となるおそれのある行為
- リバースエンジニアリング行為、不正アクセス行為
- 会員の地位の譲渡・譲受、第三者の認証情報を利用し、もしくは第三者に認証情報を利用させる行為、又は一人で複数の会員登録を申請する行為
- 虚偽の会員情報を登録し、又は第三者になりすます行為
- 運営サイトの趣旨に反する行為、その他弊社が不適切と判断する行為
- 前項のほか本規約等に違反し、又はその他の方法により弊社又は第三者に損害を与えた場合、ユーザーはその損害を賠償するものとします。
削除依頼を行う方法
ウエディングパーク内の「お悩みQ&A」サービスには、「問題のある投稿を通報する」というボタンが投稿の下に掲載されていますから、Q&Aサービス内に削除したいクチコミがある場合はこのボタンを押すと削除申請フォームにジャンプします。ここに具体的な内容を書いて削除を依頼するのが良いでしょう。もっとも、式場のクチコミには、このような通報システムや削除申請フォームは存在しません。削除を依頼したい場合は、ウエディングパーク全体のお問い合わせフォームから依頼してみるしかありません。お問い合わせの種類としては、「事業・サービスに関するお問い合わせ」を選択してみましょう。
利用規約違反として削除依頼を行う時の例
お問い合わせの内容は、どのクチコミに関するものなのか具体的に示して、ウエディングパーク側が特定しやすいように配慮しましょう。今回は、内容の真実性が証明できるため名誉毀損には当たらず法的には問題とならない場合でも、利用規約違反として削除を求めることができる場合を例とします。
【お問い合わせ内容の例】
お世話になります。「〇〇ブライダルガーデン」広報担当の△△と申します。お客様とのトラブル内容を含む口コミの削除をお願い致します。
https://www.weddingpark.net/000000
2019/12月訪問のID××さんの口コミですが、
5行目に「12月□日に挙式をあげた者ですが、ここのスタッフであるA田という人が〜というミスを連発したせいで、主人と口論になってしまい、挙式が台無しになってしまいました。雰囲気も最悪になってしまいお客さんも帰ってしまいました。せっかくの式なのにA田のせいで台無しです。後日謝罪を求めたのに返答何もなしです。」とあります。
確かに同日そのような個人的トラブルがあったのは事実です。しかし、こちらとしては対応を検討中ですし、一方的な言い分にすぎません。この記載は、「会場への個人的クレームやトラブル、またはそれを想起させるような投稿」に該当し、また弊社社員A田の名前が書かれている点で「個人が特定できるような内容、URLを含む投稿」といえ、クチコミ投稿ガイドラインに違反しているといえます。客観的な判断が不可能である内容なのに、このような書き込みがあると弊社に悪影響ですので、削除をお願いしたいです。よろしくお願い致します。
もっとも、利用規約第3条2項には、
弊社は、会員から得た情報を、弊社による裁量にて、掲載する内容を決めることができるものとします。また、会員は、以下各号の表現・内容を含む情報について、弊社は掲載をしない、あるいは会員への通知なく削除、変更することに合意するものとします。但し、当社は送信情報の削除および変更の義務、並びに会員の行為を監視する義務を負うものではありません。
とあります。これは、削除をするかどうかはウエディングパーク側が自由に決定することができ、削除や変更の義務を負わないということです。そのため削除依頼をしたからといって、必ず削除されるわけではありません。削除依頼をしても営業妨害や嫌がらせの投稿が削除されないときは、弁護士に相談して訴訟の提起を検討することになります。
違法だとして削除請求する場合
法律上取りうる手段
法律に抵触する内容であれば弁護士を通じて削除を裁判上で争うことができます。まず、インターネット上の風評被害対策に関連する仮処分や裁判には、大きく分けて
- 投稿記事削除請求・仮処分の申立て
- 発信者情報開示請求(IPアドレスの開示請求、住所氏名の開示請求)
- 損害賠償請求(投稿者を特定できた後の損害賠償請求)
の三種類があります。この中でも、削除に直結する請求は、投稿記事削除請求、及び仮処分の申立てになります。
法律上主張するべき内容
では、法律上で削除の請求をしていくには、まず考えられるのは「名誉毀損」の主張をすることです。名誉毀損は、
- 「公然と」
- 「事実を摘示し」
- 「人の名誉を毀損する」
の全てに該当する事実があるときに成立します。例として、「ここの結婚式場はスタッフ研修がないらしく接客態度が悪いという噂です」という噂に基づくクチコミが掲載されていた場合、1から3の要件をみたすのか、具体的に見ていきましょう。まず、今回のようにウエディングパークにおける口コミ投稿は、インターネット上で不特定多数の人物が閲覧することが可能な状態に置かれているといえるので、「公然と」といえます。
次に、「事実の摘示」とは、人の社会的評価を低下させるに足りる具体的事実を告げることをいい、真実か虚偽であるかを問いません。当該式場が噂通りスタッフ研修を行っていないとしても、このようなクチコミは接客態度が悪いような印象を与えるので、社会的評価を著しく低下させる事実といえそうです。
最後に、「毀損した」というためには、実際に社会的評価が害されていなくても、その危険性が抽象的に存在すれば足り、名誉が現実に侵害されている必要はありません。当該投稿が実際に問題となっている投稿を不特定多数の人に閲覧され、非難や抗議が殺到したことを証明する必要はありません。その危険性が客観的に存在することがいえればよいということになります。
名誉毀損の詳しい成立要件等は下記の記事にて詳細に説明していますので参考にしてください。
仮処分による削除
仮処分とは、民事保全法に規定されている方法で、一刻も早い解決が求められる場合に、正式な訴訟によって確定判決を得る前に暫定的な処分を求めるものです。今回のような誹謗中傷の口コミなどは、一度拡散してしまうと回復困難な損害が生じるおそれが多分にあるので、仮処分の制度を利用して一刻も早い情報の削除を求めることが有効的です。仮処分命令が発令されると、裁判所が相手方に投稿を削除するように命令しますので、相手方は削除に応じることになります。
仮処分の場合、風評被害対策にノウハウのある弁護士へ相談を行えば、依頼から削除まで、2-3ヶ月程度で実現できるケースが多く有効的な手段といえます。
誹謗中傷や風評被害を受けた場合の当該記事の削除、仮処分の手続きに関しては下記の記事にて詳細に説明しています。
仮処分による投稿者特定
ウエディングパークは投稿の表示自体は匿名ですが、個人情報を会員登録することが必要なので悪質な書き込みは投稿者にとってもリスクが大きく、嫌がらせのような投稿は少ないと思います。しかし、虚偽情報で登録することもできるので、個人を特定されることなく嫌がらせの書き込みをすることも残念ながら可能です。
しかしそうした場合でも、根も葉もない誹謗中傷投稿や風評被害投稿が継続的に行われている場合など、悪質な口コミ情報が多数投稿されているような状況では、弁護士に依頼を行えば、いわゆる発信者情報開示請求で投稿者のIPアドレスなどの情報を開示し、投稿者を特定することができる可能性があります。これをすると、特定された発信者に対して、誹謗中傷投稿により被った損害について損害賠償請求を求めることができるようになります。これらの手続の流れに関しては下記記事にて詳細に解説しています。
まとめ
このように、ウエディングパークにおいてクチコミによる風評被害が発生してしまっても、解決することができるかもしれません。もっとも、どのような方法でどのような主張をしていけばいいのか、削除が認められるのかは個別のケースによって異なります。いずれにしても、違法性を主張する場合は弁護士の力が必要になります。まずは、弁護士に相談して、口コミが法律に抵触しているかどうかを判断してもらうことからはじめましょう。本記事で解説した名誉毀損など、法律的な主張は、弁護士への依頼を行わないと難しいケースも少なくありません。風評被害口コミで悩んでいる場合は、ノウハウのある弁護士に相談することが重要であると言えます。
カテゴリー: 風評被害対策