Instagramの企業アカウント炎上事例を解説!予防・対応策も
SNSが注目される昨今では、広報・宣伝活動の一環としてInstagramのアカウントを作る企業が増えています。手軽に情報発信に利用できる反面、誤った情報や問題のある表現を投稿すると、すぐに「炎上」し、それが拡散してしまう危険性があり、Instagramの企業アカウントの炎上が多発しています。
本記事では、Instagramでの炎上事例を紹介し、炎上しないための対策や行動について解説していきます。
この記事の目次
Instagram炎上の背景
Instagramの炎上は、主に投稿の拡散により広がります。拡散機能を担うのが、以下の機能面での特徴です。
ハッシュタグ機能
ハッシュタグとは、半角の「#」(シャープ)が頭についたキーワードのことです。Instagramでは1投稿当たり30個のハッシュタグをつけることが可能であり、ハッシュタグで検索すれば、同じハッシュタグがついた投稿をまとめて閲覧できます。例えば、「#コーヒー」で検索すると、コーヒーに関する投稿が大量に出てきます。投稿にハッシュタグをつけることで、フォロー関係のない人に対しても閲覧をうながすことが可能になります。
情報拡散を目的としている企業にとってハッシュタグは大変魅力的な機能ですが、炎上した場合は拡散を助長する側面もあり、注意が必要です。
連携機能
Instagramは、TwitterやFacebookといった他SNSとの連携が可能です。連携設定をすると、Instagramに投稿した内容が同時にTwitterやFacebookにも反映されます。こちらも便利な機能ですが、投稿内容を誤ると広範囲に炎上し、削除が困難となるリスクも高くなります。
他のSNSと比べて比較的拡散性の低いInstagramだから・・・と投稿したポストでも、拡散性の高い別のプラットフォームに投稿されてしまえば、さらなる炎上の危険性があるので注意が必要です。
投稿の手軽さ
Instagramの投稿内容は、主に写真や動画です。文章を考える必要がないため、他のSNSに比べ手軽に投稿できるメリットがあります。しかし、気軽に投稿できる分、不適切な投稿をしてしまうリスクも高いと言えます。特に、著作権や肖像権の侵害は、トラブルになりやすい問題です。
ストーリーのリポスト機能
このほかに、Instagram では24時間で消える投稿ができる「ストーリー機能」というものがあります。そしてストーリーでは、他のユーザーが引用して投稿できる「リポスト機能」もあります。この、Twitterでいうリツイート機能のようなものは、その拡散性から、炎上を加速させる可能性もあります。
Instagram炎上事例
Instagramでは名の知れた大企業も炎上問題を起こしています。具体的な事例についていくつか紹介します。
イメージのギャップで炎上
携帯会社Sはイメージキャラクターである犬の愛らしい画像を公式アカウントで投稿し、評判を集めていました。しかし、芸人とコラボし、普段の内容とは異なる刺激的な投稿をした結果、ユーザーから悪ふざけ・不快だとの意見が多発し、炎上してしまいました。企業としては新たな世界観を出したかったのかもしれませんが、今までの内容・雰囲気と大きなギャップがあり、多くのユーザーが不快だと感じたようです。
ステルスマーケティングだと扱われ炎上
食品会社Sは、有名女優を起用し、女優の個人名でInstagramに投稿をはじめました。ユーザーのほとんどは女優本人による投稿だと考えていましたが、後に企業担当者による宣伝であったことが判明し、炎上してしまいます。「ステルスマーケティングでは?」「裏切られた」などの声が多く聞かれました。トラブルの原因は、企業側が宣伝用のアカウントだと明らかにしていなかったためです。このように、投稿内容に問題がなくとも炎上の可能性があります。
タイミングがよくないと反感を買い炎上
スキンケアブランドLのイメージキャラクターを務める人気モデルが、自身のInstagramアカウントでLの商品である日焼け止めスプレーを宣伝したところ、炎上してしまいました。炎上の理由は、投稿のタイミングが不適切だったためです。というのも、投稿されたのは、2018年西日本で猛威を奮った大雨が、甚大な被害をもたらしている真っただ中だったのです。「状況を考えて発言してほしい」「人が大勢亡くなっている中、今言うことではない」などの批判を浴びてしまいます。こうした指摘に対し、モデルは「私の投稿が不快だと思うのならばフォローを外してください」と反応します。この返答が火に油を注ぎ、炎上がさらに加速してしまいました。
不当表示に該当する投稿をしたとして炎上
サプリメント販売しているF社は、Instagramの公式アカウントで「乾燥知らずのうるおい肌へ」と商品を紹介したところ、炎上してしまいました。というのも、サプリメントは医薬品ではないことから、薬機法により「○○を解決する」というような表記はできないのです。このように、薬機法・景品表示法をはじめとした不当表示に該当する投稿は炎上を招きます。
関連記事:ネット上の商品はどこまでOK?景品表示法による規制を解説
Instagramで炎上しないための対策法
これらの炎上事例のように、一見投稿内容自体には問題がなくても、状況により炎上してしまう場合があります。 Instagramの企業アカウントを運用する際には、投稿内容が法律・モラルに反するかという点に注意するだけでなく、多角的な視点が求められます。ここでは、Instagramで炎上しないための対策法を3つ紹介します。
運用ガイドラインを作る
炎上を起こさないためには、事前に投稿ルールを明確にしておくことが重要です。企業広報・宣伝にInstagramを利用する場合は、あらかじめ運用ガイドラインを定めておきましょう。投稿内容・タイミング・チェック体制など、できる限り具体的に定めることをおすすめします。ガイドラインに沿った運用を行うことで、担当者の不用意な発言を防止でき、投稿の質が担保されることにつながるのです。
また、通常の投稿だけでなく、ストーリーズの投稿に関しても定めておくことをおすすめします。ストーリーズへの投稿は24時間で消える特徴がありますが、その分油断が生じやすいため、注意が必要です。
コメントの除外設定を設ける
フィード投稿におけるコメントの除外設定をしておくこともおすすめです。Instagramでは、投稿ごとにコメントをオフにすることが可能です。批判的なコメントがついていると印象が悪く、風評になりますので、そのためにも除外設定を設けましょう。
コメントをオフにしても、ユーザーからの「いいね」は確認が可能です。
投稿内容の事実確認をとる
投稿前には、必ず内容について事実確認をしてください。誤った情報を発信してしまうと、それだけで企業のブランドイメージは失墜します。SNS担当者には、会社のイメージを一身に背負っているという責任感が必要です。
特に注意すべきなのが、医療系や法律系の内容です。こういった分野で誤った情報を流してしまうと、社会に与える悪影響の度合いが大きくなります。また、場合によっては損害賠償など法的責任を追及される可能性もあるでしょう。
また、原則として、他の企業・個人に対して影響が及んでしまいそうな内容の投稿は極力避け、やむなく他の企業・個人に言及したり紹介したり等をする場合には、事前に許可を取るようにすべきです。
もしInstagramで炎上してしまったら?
上記のように運用に十分気を付けていても、炎上してしまう可能性はあります。以前は問題視されていなかった事柄でも、時代の変化により問題だと捉えられる危険があるため、炎上のリスクをゼロにするのは困難でしょう。炎上した場合に備えて、あらかじめ適切な対処法を知り、緊急時の体制を作っておくことが重要です。
炎上の原因を分析する
炎上が起きた場合、まずは炎上の原因を分析することが重要です。炎上の原因は、投稿内容に問題があった場合や、投稿タイミングが不適切だった場合など様々です。炎上の原因を正確に把握することで、再発防止策を検討することができます。
炎上の原因を分析する際には、以下の点について確認するとよいでしょう。
- 投稿内容に問題があったかどうか
- 投稿タイミングが不適切だったかどうか
- 投稿内容が法律・モラルに反するものだったかどうか
- 投稿内容が企業のイメージに合っていたかどうか
再発防止策を検討する
「炎上は悪」だとは一概には言えません。もし炎上してしまった場合は、原因の究明をしつつ、一貫した今後の運用方針を企業としてまとめることで、再発防止策を練りましょう。その後のSNS運用に役立つはずです。
炎上の原因の分析結果を踏まえて、必要であれば再発防止策を運用ガイドライン等に反映させて、関係者に周知徹底します。
誹謗中傷に対しては法的措置を検討する
炎上した投稿を削除し、謝罪をしても、アカウントに対し悪質なコメントが投稿され続ける可能性があります。執拗に誹謗中傷コメントが投稿される場合は、法的措置を検討しても良いでしょう。コメントの削除や、コメントをした投稿者の特定、特定された投稿者に対する損害賠償請求等の取りうる手段があります。具体的な法的措置については、下記の記事もご参照ください。
関連記事:誹謗中傷記事の削除。裁判より簡易な「仮処分」の使い方とは?
関連記事:発信者情報開示請求とは?やり方と注意点を弁護士が解説
まとめ:Instagramの炎上対策は弁護士に相談を
Instagramは、企業の広報・宣伝活動の一環として注目され、積極的に利用されていますが、炎上した場合に風評被害となってしまうリスクがあります。
ハッシュタグなどの拡散機能のほか、一見内容に問題が無くても、状況や印象により炎上してしまう場合もあり、風評が拡大する前にすみやかに対処する必要があります。
執拗に誹謗中傷され風評被害となっている場合は、ページやコメントの削除申請、投稿者の特定など法的措置を検討しましょう
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モノリス法律事務所の取扱分野:風評被害対策
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