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法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

YouTuber・VTuber法務

YouTuberが気を付けるべきTwitter利用規約を解説

YouTuber・VTuber法務

アクセス数やチャンネル登録を増やすために、Twitter等のSNSを利用しているYouTuberは多いのではないでしょうか。YouTubeに投稿した動画のリンクをツイートし、そのツイートが拡散されれば、多くのアクセスが見込めます。ただ、知らないうちにTwitterの利用規約に違反し、アカウントの停止等の措置を受けないために利用規約について知っておく必要があります。

この記事では、YouTuberがTwitterを利用する際に気を付けた方がよい利用規約について解説します。

YouTuberがTwitterを利用するメリットとは

動画の再生回数を増やすためにSNSアカウントを作り、SNSで動画を紹介しているYouTuberは多いでしょう。中でも、Twitterはリツイート機能により拡散されやすいという点や、動画をそのまま再生できるという点でYouTuberにはおすすめのSNSです。

また、動画の内容を短い文で紹介できるため、キャッチーなテキストを添えることができれば、一つのツイートで再生回数を増やすことができます。Twitterでは、リプライ機能や「いいね」ボタンを通じて簡単にコミュニケーションが取れるため、ファンとの交流を通じてフォロワー増加も期待できます。

Twitterを利用する際に気を付けるべき点

では、YouTuberがTwitterを利用する際に、特に注意した方がいいのはどのような点なのでしょうか。Twitterの利用規約等に基づく注意点について詳しく見ていきましょう。

無断転載の禁止

Twitterでは、他人の投稿を無断で転載することは禁止されています。

ユーザーは、本サービスまたは本サービス上のコンテンツの複製、修正、これに基づいた二次的著作物の作成、配信、販売、移転、公の展示、公の実演、送信、または他の形での使用を望む場合には、Twitterサービス、本規約またはhttps://developer.twitter.com/ja/developer-termsに定める条件により認められる場合を除いて、当社が提供するインターフェースおよび手順を使用しなければなりません。

Twitterサービス利用規約

Twitterでの無断転載とは、

  • 他人のツイートと同じ内容の文章を、あたかも自分が書いた文章かのようにツイートする
  • 他人が投稿した写真を保存し、無断で投稿する

ことを指します。引用リツイートや埋め込み機能を使えば、利用規約の「当社が提供するインターフェースおよび手順を使用」したものとみなされるため、無断転載にはあたりません。


無断転載は、Twitterの利用規約違反となるだけでなく、著作権侵害にあたるため、著作権者から損害賠償を請求する訴訟を起こされたり、罰則を科されたりするリスクもあります。Twitterでの無断転載は絶対にやめましょう。

TwitterやInstagramでの著作権侵害については、以下の記事で詳しく解説しています。

コンテンツの二次的著作物の作成禁止

Twitterに投稿されている動画や写真を無断で使ってYouTube用の動画を作ることはできません。上記「無断転載の禁止」内で引用している利用規約に「二次的著作物の作成を望む場合にはTwitter社が提供するインターフェースおよび手順を使用する」旨の規定があり、引用リツイートや埋め込み機能を使わずに二次的著作物を作成することは禁止されています。

また、著作権者の許諾を得ずに二次的著作物を作成することは著作権の侵害にあたります。他の人が投稿した動画や写真を使ってYouTube用の動画を作成するのはやめた方がいいでしょう。

フォロワーの購入禁止

Twitterのフォロワーを購入して増やすことは、「プラットフォームの操作とスパムに関するポリシー」により禁止されています。

プラットフォームの操作とスパムに関するポリシー

2020年に前澤友作氏が「フォロワーが700万人を超えたらお金を配ります」とツイートして話題になりました。金銭の配布は、このポリシーに違反するのではないかと言われていましたが、IT media NEWSがTwitter Japan社に問い合わせたところによれば、「抽選で配布する場合はポリシーに違反しない」との見解を示しました。

音楽の著作権について

動画に音楽を使用したり、環境音として音楽が入り込んだりしている場合は、その音楽の著作権に注意しなければなりません。JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)が管理する楽曲を使用した動画をTwitterにあげる際には、個別にJASRACに許諾手続を取る必要があります。

JASRACはYouTubeと許諾契約を締結しているため、一定の条件のもとでYouTubeに投稿するだけであれば手続不要ですが、その動画をTwitterにもアップする場合には手続が必要です。

JASRAC よくあるご質問

YouTuberが注意すべき音楽の著作権については、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ

Twitterの利用規約に違反してアカウントが停止・削除されてしまうと、信用を失ってしまうだけでなく、再度アカウントを登録してフォロワーを増やしていくという手間がかかります。また、アカウントが停止している間はYouTubeの動画の紹介もできなくなるため、金銭的な損失が発生する可能性もあります。YouTubeの動画の内容によっては、上記でご紹介した注意点以外にも気を付けるべき点があることも考えられます。

YouTuberの方でTwitterの利用を考えている場合やすでにTwitterを利用されている場合は、トラブルに発展する前に一度YouTube関連の法務に詳しい弁護士へ相談しておくと安心です。

当事務所による対策のご案内

モノリス法律事務所は、IT、特にインターネットと法律の両面に高い専門性を有する法律事務所です。近年、ネット上で人気化するYouTuberやVTuberの顧問案件を多く承っております。チャンネル運用や契約関連などで、リーガルチェックの必要性が増加しております。当事務所では専門知識を有する弁護士が対策にあたっております。

下記記事にて詳細を記載しておりますのでご参照ください。

https://monolith.law/youtuberlaw
弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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